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解像度を上げる

2023年9月17日
 Summer Eye(以下、「夏目くん」)のライブに行った。知り合いが「Summer Eye を福井に呼ぶ!」と春くらいから言っていてほんまかなと思っていたらほんまになった。最近よく行くようになったflat kitchen(の上のスペース、普段はレコード屋さん)で夏目くんを拝めることになるとは。

 その日の午前中はメトロ劇場でホン・サンスの「小説家の映画」を観た。めちゃ良かった。ほとんど会話映画。話す人と、座っているか立っているかが変わっていくくらいで構図もほとんど同じ。私は、映画で人の会話を聴く(観る)のが本当に好きだ。

 ニホで桃ソルベソーダを飲んでゆっくりし、いったん家に帰って何やかんやしてからflatへ行く。下のflatでまずビール飲んでから、開場したらすかさず最前で待機した。近すぎる気がする。今から夏目くんがここで歌うのだ、と思うともう緊張する。
 ちーこさんとも久しぶりに会えて話せて良かった。けど私はライブのことで頭いっぱいでちょっと上の空だったかもしれない。(ごめんなさい)

 ライブはやっぱり近すぎてやばかった。パフォーマンスはもちろん最高で、そして何より夏目くんが本当に楽しんでいるのが伝わってきて幸せだった。ほんまに近かったので、夏目くんの汗が私の顔に飛んできたんですよ。ほんまにキモいのは承知ですが顔に馴染ませときました。

 ライブ後はグッズを買って、一緒に写真を撮ってもらった。仏像の研究やってる弟子(YouTube番組「夏目高橋のまんじがため」で弟子認定してもらった)ってこと覚えてもらってて、私が去年のこんがり音楽祭でお話しした時におすすめしたお寺にも行ったよ!と話してくださり、ありがたき幸せ。

 で、また下のflatで、清水さんとちーこさんと飲んで、とうもろこしフリット(めちゃくちゃ美味しい。ヘッダー画像。)食べて、ビール飲んでたらなんかflatの片隅で打ち上げ始まる感じになってて、さっきお客さんやった人もその輪の中にいるし、オーガナイザー知り合いももちろんいるし、(わ、わたしもそこに混ざりたい)という邪念の塊になった私はflatの藤原さんの力も借りてちゃっかりそこに混ぜてもらったのでした。
 「こんなところに混ぜてもらえてうれしい!しかし混ぜてもらえたからには面白い話をしなければ!!」という変なプレッシャーを己にかけ、しかし緊張してひとこと話す毎にビールをひとくち飲むような感じでどんどん酔っぱらっていくので自分の「面白い」or「面白くない」の判断基準はガタガタ、結果おもんない話を沢山してしまったような気がする。

 数少ない覚えている会話内容のひとつ、私が「車を買おうか迷っている」と話したら夏目くんが「それは買おう。今すぐ買おう!」と力強く後押ししてくれて、そのあと車種とかの話になったとき「ランクル良いじゃん、ランクルに乗ってたらかっこいいよ!」と言われて、ランクルがどんな車かも知らない私は、ハイ、ではランクルを買います!!と元気に答えた。

 打ち上げもひととおりやって、ではそろそろ解散ですねと店の前にみんな出てきて夏目くんをお見送り、のときになんか、締め、どうする……?みたいな微妙な感じになった(と私は察した)ので思わず「一本締め、やる?!」とか言ってしまい、なぜか私が音頭を取って一本締めした。
 夏目くんが帰ったあともちょっと飲んで、藤原さんと清水さんとちーこさんといづちさんと、「きん○まのクラウチングスタート」とかよくわからん話をして、本当に解散。久しぶりにベロンベロンになった。

 次の日に目覚めて、勧められた車の名前を完全に忘れててオーガナイザー知り合いに覚えてる?と連絡したらランクルと教えてくれた。略さずに言うとランドクルーザー、コンセプトは「生きて帰る」。このコンセプトも夏目くんが教えてくれたんだったな。かっこいい。生きて帰れるのが一番だよ。この車めちゃくちゃでかいやん。めっちゃ格好いい。中古でも高い。買うなら丸目のが良いな。とかいろいろと考えながら調べたり、してたらランクル以外の車も当然目に入ってくるわけで、いろんな車を見ながらそれぞれに乗る自分、を想像すると楽しい。道を歩いていても車をよく見るようになった。これまでは「車が走っている」としか思わなかったけど、この車種、この色がどうやって選ばれたんやろうな、と考えるようになった。

 私はひとの服装を見るのも好きで、それは「この人がこの服を選んで買って、今日タンスの中からこれを選んでこの組み合わせで着てきた」という、たくさんの選択の上で今日のその人が出来上がっている、という私の知らないところにあるささやかなドラマみたいなところに惹かれるからだと思う。お洒落だとかそうでないとか関係ない。そして道を走っている車も、最近は似たような気持ちで眺めている。

 そういうわけで自分の中で車に対する解像度がかなり上がって、いろいろ考えているとランクルは本当に「車乗り」のための車なんやなーということがだんだんわかってきた。私にはまだ早いと思う。今の本命はジムニーです。雪にも強いらしい。欲しいなジムニー。買うぞジムニー。買って、「ランクルではないけど、車を買いました!」って夏目くんにいつか報告するのだ、きっと。

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