親の家を片付ける。

～父親が亡くなり～家の片付けまで～

*片付けというより後始末をするという事*

私は幼い時に母親を亡くし父子家庭で育った。弟と三人暮らし。

しかし弟と父親が不仲であり、また弟が一方的に私との兄弟関係を切った為、父親が亡くなったにも関わらず音信不通の状態だ。

父親の死後、当然後始末をしなければならないのだが、弟が応じないので私一人での作業となった。これがとても大変だった。役所をはじめ手続きやら連絡やら、、、終わるのに数日かかった。

父が息を引き取ったあと、病院職員からメモを渡されここに電話して下さいと葬儀社に電話する。

父親との最後の時間さえも事務的に進められ泣いている暇もなかった。

真夜中にも関わらず葬儀社は来て、父を連れて行った。病院に霊安室がないからだ。

次の日、葬儀屋の方と会った。ベテランなのだろう、丁寧な説明が有難かった。家族は私たちだけなので火葬のみにした。火葬された骨はとても少なかった。人より骨が弱かったのだろう。そこには長年、父親を苦しめていた人工関節があった。もうスッキリしたねと意外と冷静な自分がいた。

*遺品整理業者を頼む*

葬儀屋さんの紹介で遺品整理をお願いした。

業者によって違うと思うが、私が使ったところは荷物を処分するだけの所。見積もりは２3万ほど。仕事も丁寧でした。３ＤＫなのだが５０年くらいは住んでいたと思う。母親が生きていた時の物まであった。かなりの物量だが７名できて2～3時間程度。家電は買取ではなく無料で引き取り。処分費が安いので買取は無かった。後になり良心的な金額だと思った。

私の知り合いは1Kで100万かかったので今回の業者は良かったと思う。葬儀屋に相談したり見積もりは複数とった方がいいが、時間が無かったので私は即決したが追加で取られることもなかった。仏壇はお焚き上げしてもらうようお願いしたが、これも最初の見積もり段階でお願いしたので含めたものが２3万でした。

*とりあえず大事なものを探す*

大事なものは予め省いておいて欲しいと言われたが、三十年ほど別々に暮らしていた私には何が大切なものなのか、それがどこにあるのかが分からない。

ひとり父の家に入り、物で溢れかえった中をただただウロウロし途方に暮れた。モノに対しての執着がすごかった父親。何でこんな物まで、一体いつの物なんだって一人でツッコミながら柩に入れるものと、何か大事なものはないかと探した。戦争を経験したからなのか性分なのか、本当にゴミばかりを後生大事にしてたか、捨てられなかったのか、どちらにしても呆れた。

呆れてももう文句を言う相手はいない。

団地を賃貸で住んでいたので返還しなければならず、私自身も他県に住んでいるので片付けられる時間は一日と限られていた。大事なものはアルバム以外に無かった。そのアルバムも風化がすすみボロボロで結局は処分した。印鑑と通帳に少しの貯金とわずかな現金以外に大事なものは無かった。

＊最後に*

残された家族が必要だと思わない物は全てゴミなのです。思い出があってもその物自体を残したいと思わない物は不用品なのです。

親がどんなに思い入れをしたとしても残された者がいらないと思えばそれは不用品。年老いた親に片付けをすすめても体力的に難しかったりします。沢山、財産でもあれば問題は少ないと思いますが別な意味で大変だと思います。私の場合、弟と音信不通のため相続放棄しました。弟には弁護士のアドバイスで書面にて通知しました。(見てもらうため葉書です)

今回、死ぬ思いで片付けたことをきっかけに自分の持ち物を整理しました。元々、ものは少なく断捨離は好きなのですが、それでも子供たちの物だったり写真など自分だけのものではない物がたくさんありました。写真は一人一冊のアルバムにして渡しました。私の最後はこうして欲しい、不意の事故のときはこうしてと折に触れ伝えています。後で周りからせめられたりしても、『親の意志です』と言いなさいと伝えています。縁起でもないという人もいますが、私は父親の事を知らなすぎて大事なものがあるのかさえ分かりませんでした。写真一枚選ぶのだってバタバタとしている中で決めなければならないのです。残された人がやらなければならないことが次から次へとあります。複数人でできればいいですが、私のように頼れるところがない者にとっては本当に大変な作業です。元気な時に子供たちに伝えておけばも迷いなく出来ると思います。子供でなくても身近な人に伝えることでトラブルのリスクも少なくなるでしょう。『自分が居なくなったら全部捨て』というのは後に残った人に負担がいきます。これだけは避けたいですね。今、自分が考えているように事が運ばなくてもある程度考えておくといいと私は感じました。少しでも参考になれば幸いです。

#遺品整理 ＃親の家を片付ける＃後始末