20210114 書くこともないので最近読んだ漫画の話でも

最近はふらっとトーキョーシティーのヒエラルキーを感じに行ったり、普通に服を買いに行くのも若干憚られるようになってしまい、
新宿で豪雨に遭うこともないし、原宿でいやほいとテンション上がることもないし、池袋でウンザウンザを踊ることもしてない。
AqoursのWHITE ISLANDのアーカイブ配信期間も終わり、
アニメ虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を見返そうにも、良い作品だけに観るための消費カロリーも高く、あんまり気楽に再生ボタンを押せない。

というわけで最近は暇である。

そんなこともあり、ちょこちょこと新しい漫画に手を出したりしているので、適当に感想の記録でも。
こうでもしないとnoteに書くことがない。
なおメインで感想を記録したいのは最初の1作なので、文量と熱量には差がある。


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1. ここは今から倫理です。

とある高校の3年生の選択科目のひとつ、倫理の教師である高柳と、
倫理を選択した生徒の間で起こる話を描いた漫画。

高柳が受け持つ生徒たちは、多かれ少なかれ漫画的な誇張はあるものの、
友達や大人や家族との関係や、リストカットや恋愛や理想の自分やSNSに悩みやコンプレックスを抱いており、
また高柳自身も、生徒への向き合い方や、教師として出来ること、出来ないこと、したいこと、してはいけないことの中で葛藤するところも描かれ、
物語全体がそういった悩みや痛みに溢れている。

かといって鬱屈としすぎてているわけでもなく、
生徒たちが倫理を少しだけ学び、高柳と触れ合うことで、悩みについて根本的な解決とまでは行かずとも、少しだけ前を向けるようになる話はどこか爽やかでもあり、
何もかもすぱっと解決するスーパーマンよりも、自分にはこの温度感がとてもちょうどよかった。

とはいえ、1話で強姦されかかった女の子を助けた直後の話で強姦される女の子が出てきたときは少しうえっとなったが。あんまりそういう話は好きではないので。

倫理というものに明るくはないが、ふわっふわした哲学への興味を持っている自分にとっては、毎話の授業シーンで高柳が講義する倫理についての話も興味深いものがあった。
倫理と哲学がどう違うかは知らないけど、雑に検索してみてもたぶん同じようなカテゴリだろう。

生徒が抱く悩みも突拍子もないようなものはなく、おそらくは多くの人が心のどこかに少なからず持っている感覚だと思うので、どことなく共感するところもあり、
大人の立場として生徒を見る高柳の優しいところもあれば残酷な面もあり、冷たいようでいて生徒に寄り添おうとする姿勢、だけど出来ないことに悩む姿にも惹かれるものがあり、
昼休みに夢中になって一気読みしてしまった。


4巻の半ば頃で1年目の生徒たちが卒業し、現在は2年目に入り、生徒たちが一新されて第2部的な話が進行している。次の年度からはスタンドとか出てくるんだろうか。

個人的にはその第2部、5巻の終わりのエピソードである、祖父の介護をする生徒の話がだいぶ泣きそうになった。電車の中だから耐えたけど、一番心に残っている。

自分ではつらいと思っていなくてもふと気づいたときに崩れてしまうことはあるだろうし、それでもこのエピソードの生徒は性根から優しく強い子だったから、またちゃんと歩み出せたのが本当に立派だと思う。幸せになってほしい。

あと自分の心に残っている介護の話というのが、自分が人生のn作に挙げたいさだまさしの「解夏」という小説の一遍にもあるので、ちょっとそれと重なった部分もあるかもしれない。
これはちょっと哲学っぽいというか倫理的というか、なんとなくそれっぽい雰囲気がなきにしもあらずと言えなくもないような気がするようなしないような感じがするので。


倫理というのは遠い記憶を遡った限りでは自分の高校の選択科目にはなかった気がするのだけど、
もちろんここまでのドラマは期待しないが受ける機会があれば良かったなぁと思わされる。

ただまぁ、授業で受けたら嫌いになっているかもしれないので、やっぱこういうふうに外側からちょこちょこつついてみるくらいが、倫理や哲学と自分とのいい距離感なのかもしれない。


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2. 煙と蜜

大正時代、12歳の花塚姫子、30歳の土屋文治、という18歳差の許嫁がふたりのペースで愛を育む話。

大正浪漫という時点でまず自分の中でアドバンテージがどでかかった。
和の空気は強く残りつつ、西洋文化も台頭し始めて、徐々に近代的になりつつ、それに伴う改革だったり貧富の差が生まれたりと、
どこまでも不安定な時代で、もはや不安定すぎて逆にバランスが取れている気すらするこの時代をテーマにした創作はいつ読んでもいい。
まぁこの時代に生まれたかったとは思わないが。創作で見るからいい。

この時代に12歳と30歳の許嫁という関係が生まれることが自然かどうかはよく知らないが、
姫子は文治に明確に恋をしていてわりとぐいぐいと距離を縮めようとしており、文治は飄々としつつも姫子との関係を受け入れているけど無理はさせないように大人の立場として彼女の成長を見守っていて、その距離感がなんとも心地良い。

軍人であり、しかもけっこう偉い立場という面も持ち合わせている文治なのだけど、
その関係上姫子の家によく顔を見せているからか家の人間ともそれなりに気心知れた仲であるようで、時折描かれる軍人としての文治とのギャップがまたいい。

そんな感じで文治は、仕事も出来る、仕事場の人間関係も円滑で、遥か年下の許嫁にも対応できる、許嫁の家とも仲良く出来る、という感じで「良い大人」として描かれているので、
わざわざ18も年下の女の子を娶るようにも思えず、裏で何かしらの政略やらが動いた結果の許嫁ではないかと思う面もあり、そこらへんでのあれそれどれこれが描かれることもあるのかなぁというのもちょっと楽しみにしている。

なんもなきゃ今の時代でいうところのただのロリコンになるかもしれない。
まぁ、時代背景を考えるとそういうこともあるのかな。わからん。


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3. 悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~

いわゆる転生なろう系で、この系統はあんまり自分は好まないと思っていたのだけど、
よくよく考えたら自分は何に置いてもジャンルで好き好みがあんまり左右されなくて、スライムを倒し続けた不老不死とか、スライムになったやつとか蜘蛛になったやつも読んでいたので、広告に出てきたのが気になって読んでみたらこれがなかなか面白かった。
あと主人公が可愛いので。

RPG要素の強い乙女ゲーの裏ボス「ユミエラ」に転生する話で、なんだかんだと子供の頃から研鑽を積んでレベルを99まで上げてから学園に入学して物語が始まるやつ。
たぶんだけどそんなに珍しい設定ではない。

これもたぶんだけど、転生系の話であるという前提条件が用意されているからか件の乙女ゲー本編に至るまでの研鑽とかも適度にスキップ気味に描かれていて、
慣れている人はここですでに「なろう系の中でも主人公が強いタイプか~」ってなるのかもしれない。
自分も前述のスライムを倒し続けた不老不死がそんな感じだったし、そういう前提ありきで無駄なところを省略するあっさりとした姿勢は好きである。

主人公は前世でこの乙女ゲームのRPG要素のほうが気に入ってやり込んでおり、基本的には感情表現が乏しいのだけど、レベル上げとかの話になると熱が入り込み、珍しく頬を紅潮させて語るところはあざとい。
あとは地頭も良いようで、最序盤で読めない異世界の文字を覚えたり、特殊な立場に置かれながらもそれなりに上手いこと立ち回るところは見ていて気持ちいい。

総じて、あんまり難しいことを考えずに読む漫画としては非常に面白い作品だったと思う。
ただ、当然ながら乙女ゲーの主人公にあたる立場の女の子も存在していて、彼女にとってユミエラは黒い靄に包まれて見えていたりするという言及もあり、たぶんなんかの伏線になっているんだろうと思う。

なろう系ってこういうの回収されるのかな。
自分はなろう系のコミカライズは読むけど原作小説に手を出したことはなく、作者の文章力とか構成力とかは基本的にギャンブルだと思っているので、強く楽しみにして見ようということをあんまりしない。

しかしながらそこから何か壮大な話が始まるんならそれはそれで楽しみではある。
とりあえずのところはのんびりと読み続けていきたい。


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4. 私の推しは悪役令嬢。

上のレベル99のほうの悪役令嬢を読んで、転生系をもう少し読んでみようと思い、自分にとって間口となりうる百合要素のある作品を探していて見つけた漫画。

こっちの悪役令嬢は絵に描いたような悪役令嬢の金髪ツインテドリルお嬢様「クレア=フランソワ」で、主人公はヒロインの「レイ=テイラー」に転生するけど、噂のトラックというワープ装置もなく、ゲームをしてて気づいたら転生していたというレベルで話が早い。
戦う要素はないが、やりこみすぎて攻略要素が基本的に頭に入っているという意味では強くてニューゲームかもしれない。

クレアは悪役令嬢でありレイをいじめる立場にはあるけど心底から悪い娘ではなく、主人公もそれをわかっているから推しになっているのだと思うし、レイはいじめられるのもまた喜びに変えるタイプの性格で、とことんまでクレアに愛を伝え続ける。

いじめ描写があると言っても主人公のレイがどこまでもポジティブなのと、
先述のとおりクレアも心底から悪い娘ではなく程度は弁えているのでさほど重苦しくもならず、
冷静に見れば本来の攻略対象のメンズやふたりの関係込みでちょっとドロついた人間関係でもあるのだけど、やっぱり主人公のポジティブさもあり基本的に明るい調子で話が進んでいく。
なのでこれも気楽に読む作品としてはとてもいいかなぁと思う。
自分個人としてもファンタジー的な世界観の百合はあんまり読んでこなかったので、その点でも楽しんでいる。

クレアは攻略対象のひとりに片想いしていたり、主人公もあくまでクレアに対しては「推し」なので、明確にふたりの間の恋愛感情が描かれている段階ではないけど、
クレアがレイに少しずつ心を開いてきているところもあるので、そういうところに発展する展開がこの先あるのかな。
百合が恋愛感情である必要はないと思うが、発展するならそれはそれで良いことなので期待しつつ追っていきたい作品。


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05. もし、恋が見えたなら

百合。

人の恋愛感情が矢印で見えるという特殊能力を持っている主人公、春野鳴は昔から恋愛絡みで面倒なことに巻き込まれたり人間関係が上手く行かなかったりしてきたせいで恋愛というもの自体についてよく思っておらず、
全寮制の高校に入学して新しい人生を歩み出そう、と思っていたところに、
自分に矢印を向ける幼馴染と再会し、クラスメイトに一目惚れされ、その3人が寮で同じ部屋だったりする話。

いきなり特殊能力の設定が出てくるし、それを利用した表現もあるのだけど、その点を含めても内容はわりとオーソドックスな三角関係百合漫画だと思う。

主人公は恋愛は懲り懲りで「友達」が欲しくて、
ふたりは主人公のことが好きという下心がありながら「友達」でいるという危うさの上にある関係がとても良い。オタクはこういうの好きなのじゃ。

主人公は最初はずっと「友達」でいることを求めていて、少しでも恋愛が絡めば拒否しようとする自分勝手なところもあり、
とはいえそういう自分の態度も悪かったと反省するなどして、自分も恋愛について拒絶するばかりでなく踏み出してみようと考えたところで1巻が終わる。

ここからどう話が展開するのかはわからないけど、とりあえずこれも先が楽しみ。


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EX. にじよん

聖書。

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