20201016 最近買ったアルバムの話

最近つってもここ3か月くらい。

LoveLive! Sunshine!! Takami Chika First Solo Concert Album ~One More Sunshine Story~ / 高海千歌

我らがAqoursのリーダー高海千歌のソロアルバムにして、Aqoursのソロアルバムシリーズの第1段。

Aqoursでは普段落ちサビの女王として、非常に攻撃力と包容力を同時に持ち合わせたソロを披露する伊波さんas千歌だけあって、けっこう楽しみであった。
個人的には千歌の歌声ともキャラクターともフィット率が高くて、「Wake up, Challenger!!」がけっこう気に入った。

あとこの手のCDで毎回感心するけど、千歌の歌声は基本が可愛らしいものなので「Deep Resonance」みたいな曲は歌うのすげぇ大変だと思うのだけど、
「かっこいい高海千歌」がちゃんとそこにあって役者ってすごいなぁ……となった。


くつひも / 斉藤朱夏

もうちょっと前にYouTubeで聴いた「パパパ」がシンプルに良くて単曲だけ買ってたのだけど、ミニアルバムまで手を出したことで、ついにAqoursキャストのアーティスト活動にまで手を出してしまった。

キャラクターとキャストとして歌声の違いはあるものだけどそこに類似性がないわけじゃないし、渡辺曜の歌が好きなのでそりゃ斉藤朱夏の歌を好きにならないわけがないのである。

表題曲の「くつひも」を始めとして、普通にいい曲が多くてびっくらこいた。
ストレートなメロディと素直な歌詞が斉藤朱夏というシンガーの真っ直ぐな歌声によくマッチしていて、ダイレクトに突き刺さってくる。
斉藤さんとしっかり話し合ったというハヤシケイさんが全曲の作詞をしていることもあって、彼女の等身大の人間性というか、そういうものがよく反映されているような気がする。

個人的なベストトラックは1曲目の「ことばの魔法」と6曲目の「ヒーローになりたかった」の2曲。
「ベスト」とは?

このアルバムを買って飯でも食いながらと気軽に聴き始めようとしたら、いきなり想像してなかったバラードでの不意打ち、しかもわかりやすくも強いメッセージ性を持ったTHEいい曲感がすごくて咄嗟に聴くのをやめた「ことばの魔法」
あとでちゃんと聴きながら1曲目にしてちょっと泣いた。

「ヒーローになりたかった」は、ヒーローに憧れた女の子と「大人になること」の歌。
自分はひねくれた子供だったので、昔はアンパンマンとかライダーとか戦隊とか水戸黄門みたいなヒーローがマジで死ぬほど嫌いだったのだけど、さすがに今は楽しみ方もちょっとはわかる。
まぁそれはそれとして、子供をヒーローにする魔法は大人になることで少しずつ弱くなって、でもヒーローらしく他人に弱音が吐けないところだけは残っていく。
主人公は結局この曲の中では変わらないまま終わるので、斉藤朱夏のミニアルバムの最後を飾る曲としては少し寂しい曲だなと思う。
ただ個人的にはポップな曲調の中の哀愁が好きなのと、ブレイクからボーカルとドラムのリフが重なってサビに入るという編曲が好きなのでベスト。

ただ、狙ってるかはわからないけど、6曲目の「ヒーローになりたかった」が終わってループ再生でことばの魔法」が流れると、ちょっとだけヒーローの女の子が救われるように感じる。


Curtain raise / 逢田梨香子

なんか単純に良さそうだったので買った。

聴いた第一印象としては、アルバムとしての完成度や統一感がすごいなと思った。

1曲目にして表題曲の「Curtain raise」がインストで始まるという点で、なんとなく制作陣のそういう気概を感じたように思う。
声優さんのアーティストデビューって、音楽よりもその声優さんの声を聴くのが第一目的だっていうファンはわりといるものだと思っているのだけど、そのCDの1曲目にその声優さんの声がないインストゥルメンタルを持ってくるというのは、よく知らんけど結構なチャレンジじゃないだろうか。
そして2曲目「Mirror Mirror」へダークに繋がっていく。

桜内梨子として歌うときはまた別として、逢田さんの歌声はどちらかといえばシリアスな響きを持っていて、ポップな曲との相性は決して良いわけじゃないと個人的には思っている。
そのかわり曲のテンポがミディアムであれば、ハードロックでもシンセマシマシのEDMでもなんでもありの謎の万能感があるようにも感じる。

1曲目がピアノとシンセから始まるインストで、
そこから繋がる2曲目が逢田さんの歌声を最高のものとして昇華する曲で、
この流れはアルバムの入り口としてのフックがあまりにも強すぎる。
どういう順序を持ってこのアルバムが作られたのかは知らないけど、個人的にはこの2曲だけでもうもらったもんだと思う。

他の曲もミディアムテンポの曲が多くて、歌い手としての逢田梨香子という人を芯に置いてまとまりのあるアルバムになってるし、
逢田さんのいいところが十二分に出ているんじゃないかと感じられた点で最高のアルバムだなと思った。


盗作 / ヨルシカ

おそらくヨルシカの「作品」を全力で楽しもうとする上ではあまり好ましくない手段だと思うけど、ダウンロード販売で買った。

ただまぁ正直なところ、ヨルシカはサウンド面で好きなところが多くて、たまに個人的にぐっと来るキラーフレーズを見出すことはあるけど基本的にはあんまり歌詞を見ないので、
ストーリーとしての側面が強いこのアルバムはあんまり十二分に楽しめてはいないのかなぁと思う。
個人的にはそれで満足するくらいにはサウンド面での好きが大きいので構わないといえば構わないのだけども。

単曲でいえば個人的には「夜行」がヒットした。
ちょっと物語からはみ出ているような気がするので、単曲として楽しめるところも大きいのだろうけど、サビの流麗なメロディと流れるような歌詞がとても素敵。「夕、夕、夕」の部分とか特に味わい深くていい。


LoveLive! Sunshine!! Sakurauchi Riko First Solo Concert Album ~Pianoforte Monologue~ / 桜内梨子

我らがAqoursの作曲担当、桜内梨子のソロアルバム。

正直に言ってしまえば梨子ソロになった曲の中でこれが特別いい、というフックになるような曲は今のところなかったかなぁというところなのだけど、
反して新ソロ曲の「PURE PHRASE」は今まで出ているすべてのソロ曲の中でもぶっちぎりで好き。

ねえ、出会いって魔法?
会えなかったら 今の私じゃない私
それは淋しい

これが1サビの歌詞で、

ねえ、出会いって魔法!
会えなかったら 今の私じゃない私
それは淋しい

これがラスサビの歌詞。

1サビの「?」だった部分が「!」に置き換わる、それだけでこの曲の中で描かれる梨子ちゃんの成長、とまでは行かずとも、そう言い切れるようになった自信というか、考え方の変遷というか、大きな変化じゃないんだけど確実な一歩というか、
なんとも上手く言えないけど、梨子ちゃんにとっても、2年生のふたりやAqoursとの出会いが大切なもので、とても幸運で、奇跡や運命と呼べるものであることを象徴するようでとても好き。

パラレル いまの僕らでよかった ほかの選択肢だったら
ここで一緒に 笑い合えなかったかも

2年生曲「Marine Border Parasol」の一節。

自分はようりこのオタクだけど、それはそれとして2年生がそもそも大好きなので、この3人が出会えたことを奇跡だとする概念に本当に弱い。
ここに繋がるような一節というのもまた趣深い。好き。

ここまで歌詞の話ばかりだけど、シンプルに曲も好き。
4つ打ちを基本としつつも伸びやかなメロディとピアノとストリングスをあわせたハウス調(たぶん)が梨子ちゃんの歌声にとてもよく合っている。


LoveLive! Sunshine!! Kurosawa Ruby First Solo Concert Album ~RED GEM WINK~ / 黒澤ルビィ

新ソロ曲、タイトルの「コットンキャンディえいえいおー!」の時点でけっこうな印象を与えながら、タイトルに劣らないインパクトのPVがすごかった。
まぁ正直PVは好き嫌い分かれるだろうし自分は「まぁそういうのもあっていいんじゃない?」程度でなんの感情も沸かないのだけど。

降旗さんもどっかで電波ソング歌いたいみたいなこと言ってたような気がするし、00年代の電波ソングを彷彿とするぶっ飛び方をしつつ、

ダイスキなもの みんなで食べたいな
世界がえがおになれたらいいな

みたいなルビィらしい優しいフレーズがところどころにあって良いなと思った。


ルビィソロで好きだったのは「Aqours☆HEROES」

全員曲で1年生がわりと掛け声担当になってるのが関係あるかは知らんが、ルビィの声ってけっこう飛び道具的な強さがあるので、こういう掛け声多めの曲でルビィの声は輝くなぁと思う。
バックドロップシンデレラのアサヒキャナコさんみたいな感じ。

あとサビの「悩みを」「迷いも」「願いは」「想いは」のところの歌い方がめちゃくちゃいい。
なんだろ、最後の1音の終わりが若干下がってるんだろうか。なんかいい。


TOKIMEKI Runners / 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

ようやく買った虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会1stアルバム。

ラブライブ!フェスとか2ndライブ2日目でやってたのもあってこれまで虹ヶ咲をちゃんと追ってこなかった自分にとっては一番馴染み深い曲たちで、
一応手の内的なものはわかってるので、買った意味としては虹ヶ咲をここからちゃんと追っていくための第一歩としての買い物。

だけのつもりだったのだけど、
もともと天王寺さんの「ドキピポ☆エモーション」がライブで見ていると好きで、その理由は田中さんのパフォーマンスの高さ補正が大きいのだとわりと思っていたのだけど、
なんてことはない話で、実は単純に曲がめちゃくちゃ好きだった。
それをあの田中さんのパフォーマンスで見たらそりゃ好きになるわ!って感じ。

この単純に曲が好きっていうのがまたけっこうな高いところで好きで、
ラブライブ!シリーズで今まで聴いてきた楽曲の中でもかなり上のところに食い込んできた。
はっきり言ってもともとEDMよりバンドサウンドのほうが圧倒的に好きなのに純然たるテクノポップがここに来て自分の中に食い込んできた。
それだけこの曲良い!ってなった。

テクノポップの地形効果でりなりーの歌声がめちゃくちゃ良くなるし、逆にりなりーの歌声が曲の良さも引き出しているような奇跡的なシナジーの高さ、
歌詞のワードがいちいち気持ちの良いハマり方をするし、それでいてりなりーにすごく寄り添っていて可愛い歌詞だし、
1拍目で止まって2拍目でどーんってなる自分が好きなやつもあるし、
サビと(いつか素顔を~のとこ)、サビB(ワクワク止まらない~のとこ)、みたいな、最近これめちゃくちゃ好きだって気づいた構成もあるし、
なんか本当に何もかもが良い。

1stアルバムからこんな最強の曲出されて、これから買うであろう2nd以降のアルバムで良さを見出だせるだろうかってちょっと不安になってる。
いやたぶん見出すんだけど。そういうのわりと得意だし。


関係ないけど「ビビビのビーム」だったのね。
電子的なイメージってのもあってパ行がけっこう印象的に使われる歌詞だし、なんか通信の流れだから歌詞読むまでずっと「ピピピのピー」だと思ってた。
最後は「ピピピのピース」だからニアミスっちゃニアミスなんだけども。


Patrick Vegee / UNISON SQUARE GARDEN

15周年の2019年をお祝いな感じのMODE MOOD MODEで過ごしたロックバンドが通常営業に戻って最初のアルバム。
一聴ではわからないので繰り返し聴くという贅沢な暇つぶしがなんとも楽しかった。
このアルバムの発売は世情によってけっこう遅れたらしいのだけど、世情がどうであれ変わらずに良いものを聴かせてくれる。

通常営業に戻ったというだけあって、個人的には「あまりにいつもどおりのUNISON SQUARE GARDEN」だったなぁと思う。
「CIDER ROAD」や「Catcher In The Spy」みたいなコンセプトや方向性がはっきりしているわけではなくて、アルバム全体を通してストーリーを持っているわけでもないけど、曲と曲の繋げ方というただ一本でアルバムを最初から最後まで通して聴く意味を持たせてくる。

でも今回はその曲間の繋がりが一層強かったなぁと思う。強かったというかわかりやすかったというか。
どんなバンドでも、シングル曲がオリジナルアルバムに入るとアルバム全体とのコンセプトからわりと外れがちでわりと浮きがちだと思うんだけど、シングル曲がなんの違和感もなくアルバムの流れの中に溶け込んでいた。

UNISON SQUARE GARDENのアルバムの最初のほうの曲に必ずある「○枚目」という宣言ないしそう聴こえる言葉遊びが今回は1曲目の「Hatch I need」のラスト「I need hatch」というフレーズの終わりから2曲目の「マーメイドスキャンダラス」の歌い出し「マーメイドの~」に繋がって「8枚目」になってたり、
3曲目の「スロウカーヴは打てない(that made me crazy)」「Catch up, latency」「つまりレイテンシーを埋めています」というフレーズから繋がったり。
「Phantom Joke」「春が来てぼくら」へも前曲の最後の歌詞から続くものだし、それ以外のところにも同じように仕込まれていたり、なんともまぁ小粋な遊びだと思う。

歌詞で曲間の繋がりを出すのはとてもわかりやすい手段で、わかりやすいということは下手にやればむしろうすら寒くなるものだと思っているが、
このバンドが好きで、こういうことをやるバンドだということを知ってるという補正もあるだろうけど、この仕掛けは自分によく響いた。


単曲なら「摂食ビジランテ」「世界はファンシー」を個人的ベストに挙げたい。

普段が早くて複雑なことをやる人たちで、それこそ「世界はファンシー」のような曲が多いバンドだから、逆張りというわけじゃないけど「摂食ビジランテ」のような比較的スローでシンプルな曲はやけにかっこよく聴こえる。
そうでもなくても自分はこういうオンとオフ、山と谷、メリとハリ、明と暗がはっきりしている曲がめちゃくちゃ好きで。
ユニゾンなら「WINDOW開ける」、その点に関して少しパンチは弱いけど「own civilization (nano-mile met)」
ポルノグラフィティの「東京ランドスケープ」とか。
なのでこの曲が好きになるのはもはや確定事項だった。

「世界はファンシー」は早い・細かい・難しい・展開多い・早口、
ザ・UNISON SQUARE GARDENって感じの曲。
言葉数はめちゃくちゃ多いのに3分台、それでいて間奏もイントロもちゃんとあるしメロディが破綻してるわけでもないし、この曲は四次元ポケットなんじゃないかと思う。
この曲の情報量だけで並のバンドのミニアルバム1枚くらいに匹敵すると思う。
先行でMVが公開されたときからずっと好きで、UNISON SQUARE GARDENで好きな曲のトップに君臨するのではないかと思っている。


ブルーフィルム -Revival- / cali≠gari

異能派音楽集団。まだ名乗ってんのかなこれ。

Revivalとあるとおり「ブルーフィルム」というアルバムは20年前に発売していて、それのリメイク? 再録? リアレンジ? まぁわからんけどどれかだろ。

そもそもの「ブルーフィルム」というアルバム自体が名盤だし、
特に桜井青と石井秀仁という随分と両極端な方向を向いた制作陣のいるcali≠gariの幅広さがよくわかるアルバムだったなぁと思う。
んでそれのリバイバルということで、年季の入ったcali≠gariが再度この曲たちを演奏して良いものにならないわけがなく、単純な音の良さもさることながらアレンジ面も的確なブラッシュアップがされていると思う。
なんだろ、そんなんしたらそりゃいい曲になりますやん!みたいな。

ただ、20年前のブルーフィルムは前ボーカルが失踪して今の石井が加入して初めてのアルバムということもあり、元のブルーフィルムにあったどこか漂う青臭さも好きだったので、
正味な話をすると絶対的にこのリバイバルが好きだったとは言えないけど、でも悔しいことにやっぱいい曲揃いだった。

昔の良いものを今風にこねくり回そうって流れをちょっと世の中に感じていて、正直それは好きじゃないのだけど、cali≠gariのこのリバイバルはやる意味もあったし聴く意味もあったんじゃないかと思う。

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