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「わが投資術 市場は誰に微笑むか」の感想

★5
タワー投資顧問のファンドマネージャーだった清原達郎氏の投資哲学を綴った本。ガチの人が書いた本ということで初心者ながら吸収しまくりたいと思った。

以下メモ。
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第一章
「市場は、あなたの意見が少数意見である限りあなたの味方である。」この意見は非常に面白い。大衆と迎合しない投資を行うことでリスクを減らすことができる。つまり、間違っていても損失を抑えることができるし、正しい時は大きなリターンをもたらす。
「株価に織り込まれていないアイデアを探すことが投資をすることである。」「つまりは常識を疑い、conterintuitiveになり、バイアスを味方につけるべきである。」

「情報収集に金をかける必要はなし」
ただし、会社四季報は有用。
清原氏がプロとして収集するのはCNBC、日経新聞、日経ビジネス、週刊ダイヤモンド、FACTA、選択

「割安小型株はアナリストのカバレッジがほぼゼロだからチャンスは大いにある」これは最近よく言われすぎてることだから割愛。ただし最近の大型株先行をみて、この発言に振り返る人も多いのでは。

第二章
清原氏がヘッジファンドが立ち上げるまでの道のりが書いてある。自分が共感したのが、清原氏が金融業界に入っていく動機だった。
「私みたいなレベルの人間が世間に出て成功するためには大きなばくちを打つしかない。大企業のサラリーマンになって役員、ましては頂点を目指すとか最初から無理だとわかっていましたし、努力の割には成功の確率が低すぎるとおもいました。官僚になっても下っ端でもこき使われて終わりだったと思います。」
「社会で出世を目指すなんて馬鹿げている。お金を貯めて株で勝負してもうけるのが一番だ」
自分と全く同じ。もし株式投資のスキルがあるとして、過去十年のような強気相場に出会えていたとしたら投資をしない選択肢は限りなくアホに近かった。会社で出世やあやふやなスキルを取るために資格勉強を頑張るのはようわからん。

あと野村證券酷すぎて草

第三章
「小型株の多くは基本割安に放置されていて、その中で成長株を見つけて投資できれば爆発的な破壊力になる」

会社の価値の計算法
PERは重要。今後5年間、毎年100円儲ける会社がありその後解散するとすれば会社の価値を500円と考える的な価値。
PBRは役に立たない。解散価値と言われるが本当に解散するならもっと膨大な時間がかかる。会社が持っている固定資産を買ってくれる人が居ると仮定しているところが問題。

ネットキャッシュ=流動資産+投資有価証券*70%-負債
ネットキャッシュ比率=ネットキャッシュ/時価総額

会社が赤字になろうがなるまいが同じ値段で売れる資産がどれほどあるか
流動資産のうち在庫は簿価の70%で評価する

キャッシュニュートラルPER=PER*(1-ネットキャッシュ比率)
※予定金利が0だから楽に計算できる
※大型株で古工場を持つ会社だと一気にネットキャッシュマイナスになる可能性もゼロではないから注意
他の財務構造に依存せずに企業価値を査定する方法に
EV/Ebitda倍率がある

「イメージの悪い業界こそチャンス」
例)まともで自己資本比率が高い中小型不動産 や ニトリ
皆からイメージが悪いからこそチャンスがある

中小型株は「経営者」が9割
趣味が俳句のお坊ちゃま経営者のエピソード草生えた

正のフィードバック作用が働く会社がトレンドとして株価が動く

小型株投資を満喫するには多少間違いがあってもいいから早い段階で買うべき
※マザーズは最悪の市場

コントリアンとして逆張り投資をする
→株を買うと最初は決まって損をすることがあるが、そんなことでくよくよすんな

ベイジアン的発想が重要
→新しい事実を取り入れて、もともとの自分の考えを調整していく
→「決めつけ」は禁物(事前確率0にはするな)

NAV:Net Asset Valueの略。純資産総額は投資信託の貸借対照表(バランスシート)の資産から負債を差し引いた額であり、それを単位口数に換算したのが基準価額

第四、五、六、七章
タワー投資顧問の投資の実例が詳細に記されている

「先物売り・現物買い」の裁定取引がたまってくると、その後必ず反対売買が起きて現物株がう売られますからテクニカル的に「弱気のサイン」となる。
逆に「先物介・現物株空売り」のポジションがたまってくると、その後から売った現物株は買い戻されるので「強気のサイン」となる。

個人投資家には個別株のショートは勧めない
ショートのバスケットはバリュー投資と分散投資の整合性が取れない
→ショート銘柄の「割高さ」だけではなく、出来高急増で表される「過熱感」とショートポジションの買戻しによる株価ピークの形成
→出来高が一番とかになるとうれしい、空売りの機械到来って感じ
※ファンダメンタルズだけではなく、相続税も問題もある

八章
ESG投資はナンセンス、実力ない奴の逃げ
未公開株は決して買うな、法的には問題ないから詐欺の温床
金融商品の取引手数料にも用心

九章
10年単位で起きる破滅的リスク
・核戦争、東海・関東大震災、パンデミック、地球温暖化
日本の内需は縮小するが、経営統合を進めていくスピードが市場の縮小より早ければ株式投資で儲かる可能性はある
日本株はそのうちショーテージになる





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