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就職活動と一緒に行いたい、自分の学生生活の振り返り

メルカリ取締役社長兼最高執行責任者(COO) 小泉文明氏の就職への考え

 今や知らない人がいない「メルカリ」。その取締役社長兼最高執行責任者の小泉さんの就職に対する考えの記事が、NIKKEI STYLEに掲載されています。とても、わかりやすく、そして示唆の多い内容です。現在就職活動を行っている学生さんには、ぜひ読んで欲しいです。その親御さんにも、また読んで欲しい記事です。

 この中で「原体験」という言葉が出てくる。今回は、少しこの「原体験」という言葉を考え、人生100年時代の就職活動とは何かを少し考えてみます。

小泉さんの記事には、学業よりもサークル、興味についての指摘が多い

 学生時代を振り返ると、何を学んだかということはとても重要です。私の場合は、「数学」が専攻で、もちろん数学を今でも活用しています。これは、学業を行う学生にとっては、基本で、基盤です。数学と直接結びつかない仕事では、私のビジネスでの論理には、数学が活用されています。

 ところで、この「就職するなら業界1位 勝ち癖ある組織で学ぶ」の記事では、学業のことはほぼ出てきません。代わりに、サークル活動の体験や、学生時代の興味について言及されています。

小泉文明氏は、学生時代から組織をまとめる経験、ネットビジネスの経験があったという。

 とあるように、学業以外の経験、これが原体験になっているようなのです。これは、どういうことでしょうか。

学生時代には、実に多くの経験をする。その整理が重要だ

 そこで、話を「原体験」に戻します。「原体験」とは、大辞林によれば、「記憶の底にいつまでも残り、その人が何らかの形でこだわり続けることになる幼少期の体験。」とあります。

 人生100年時代、幼少期はいつまでなのでしょうか。このことは、ここでの議論を行わないことにして、この「原体験」を考えます。大学時代には、原体験を、実に多く行うのではないでしょうか。学業、サークル、趣味、友人との語らい、様々なことを大学で行います。大学時代とは、ある意味、自由に時間が使えるため、本当に多くのことを経験するのです。

大学は、自ら学ぶ場。それも「原体験」

 もちろん、勉強も原体験です。しかし、ひょっとしたら専攻の学問の内容よりも、その勉強の仕方が、原体験になるかもしれません。

 高校と大学では、勉強の方法が異なります。高校までは、先生の指導が中心で、受け身の勉強が多かったはずです。教科書を読み、練習問題を解き、テストで良い点を目指す。しかし大学では、先生は勉強のアドバイスを行い、自ら主体的に勉強を行い、自ら研究を行う力を身に着けます。その学問の裏にある、本質的な原理や、背景を考えながら、教科書を読む。その教科書も、読んだだけではわからないことが多く、自ら考え、調べながら、教科書を読み進め、考える。この勉強の方法も、重要な学びで、「原体験」になるかもしれません。

 「就職するなら業界1位 勝ち癖ある組織で学ぶ」の小泉さんのように、サークル活動や、没頭したことの中にも「原体験」はあるでしょう。このように大学時代は、社会人になる直前の、「原体験」を多く経験できる貴重な時間なのです。

大学時代をきちんと振り返る。それが重要。

 就職活動では、どの企業に入社するか。どのような仕事を手にするかが、重要なテーマになります。しかし、人生100年時代。学生が22歳で就職して、仮に65歳が定年とすると、43年の社会人生活が待っています。果たして、同じ会社に43年いられるのでしょうか。

 大学卒業直前の就職活動は、最初の就職活動に過ぎないのかもしれません。もしそうだとしたら、会社の選定や、職業の選定は、この就職活動以外にも考えることが出てくるかもしれません。

 そこで重要なのは、自分の「原体験」の整理です。自分が大学で経験したことは、何か?自分が「こだわることは何か?」。そこも重要なのです。就職とは、就職先という相手も重要です。が、自分がどのような社会人になるかという、自分の再確認も重要です。

 人生の道を創るのは自分です。そのためにも、大学時代をきちんと振り返る。このことは、就職活動時に重要な、別な活動なのです。

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