働くワンオペ育児、脱却への道

以前、チームラボで働くウルトラ忙しい夫が3ヶ月半ぶりに帰ってきた!と書いたけれど、夫の忙しさは相変わらず。

久しぶりに家に帰ってきたその週末も、さっそく土曜は大阪へ、日曜は佐賀への出張が入ったため、九州・武雄「御船山楽園 かみさまがすまう森」に急遽かつ弾丸で私たちも行くことに。

夫は大阪から、私と娘は東京から、昼前に福岡空港で落ち合い、車で佐賀へ。夫は13時から17時頃までMTGやら視察やら仕事をし、私たちはその間、武雄図書館で過ごした。御船山楽園に戻って一息ついて、展示を一緒に見に行こうと思ったら夫はトラブルで呼び出し。仕方がないので、娘とふたりで庭園のなかの作品を鑑賞。途中で夫と合流するも、私たちには気づかないような、映像のズレや音の小ささなど、バグを発見しては、夫は娘を抱きかかえながら、手持ちのスマホで調整していった。

多くの人で賑わい、自然とデジタルが響き合う美しいその場所は、夫にとっては仕事場なのだ。

翌日、夫は東京で10時からのMTGに参加するため、朝5時にはひとり宿を出ていった。なんという目まぐるしさ!(笑) それでも夫は、息をするように飄々と、淡々と、仕事をしている。残された私たちは、ふたりで旅の続きを楽しんだ。

今やっているプロジェクトは埼玉なので、近い!と油断をしていたら、結局ここ最近1週間ほど、帰って来ていない。


先日、女性経営者の友人ふたりとランチをしていたとき、その状況を「仕方ない」と口走っていた自分にハッとした。というのも、生後7ヶ月の子どもがいる友人のひとりは、夫と平等に家事育児をするため、生後2週間で断乳し、生後2ヶ月で保育園に預け、すぐに仕事へ復帰。

復帰後は、会社員の夫と保育園の送り迎え含め、家事育児をする日を平等に分けていて、夫の担当日は、彼女は会食にでかけたり、夜中まで仕事をしていたり。土曜も夫が担当日なので、1日中仕事をしているそう。ちなみに日曜日は家族で過ごす日。その日にもし個人の予定を入れた場合は、予定を入れた人が子どもを連れていく。

そこまでしても女性である自分のほうが家事育児の比重が大きくなることや、会食に行くと「育児放棄じゃない?」と言われることに怒りを覚えていた。生後数ヶ月の子どもがいて、男性がどれだけ働いていても、飲み会に行っていても、遊んでいても、「育児放棄」とは言われないだろうから、これだけ女性が働くことが当たり前になっても、まだまだ、家事育児は女性がするものという意識が強いのだろう。

ちなみに我が家も、子どもが生まれる前は、生活費ほか家に入れるお金も折半で、家事もほぼイーブン。お互い得意なことをやり、自分でできることは自分でやっていた。家に友人を招くことも多く、料理や皿洗いを当たり前のようにやっている夫を見て、家事を一切やらない夫に嘆いていた私の友人は、自分の夫を「旧式」、私の夫を「最先端」と呼んでいた。

でも……。子どもが産まれて、年齢的にも会社の立ち位置としても働き盛りのピーク(と信じたい)を迎えた夫はさらに仕事に邁進(出会った頃から忙しかったけれど)。もうすぐ35歳を迎える夫は、多くのプロジェクトにアサインされ、自分のチームを持ち、自らプレイヤーでありながらも、後輩も育てていかないといけない立場に。仕事が一番(かはわからないけれど)面白くて大変で、がんばりどきに、子育てというのは重なってくるのだ。少しだけ若い31歳の私だってそれは、同じ。

私自身は、仕事も育児も自分のやりたいことをあきらめないために、フリーランスという働き方を選び、試行錯誤を繰り返している真っ最中。

今は9時〜17時まで娘を保育園に預けて働き、ご飯を食べてお風呂に入って、20時頃には娘を寝かしつけながら一緒に寝て、ひとり夜中の3時頃に起きるという生活をしている。それでも7時間は眠れるのだ。この夜中の3時から娘が目覚める7時頃までが私のゴールデンタイム。ここで集中して仕事をしたり、おやつを食べながら(!)読書や考えごとをする。「自分の時間」を確保しないと、子育ては乗り切れない。

(ここ最近は、日中に人と会ったり取材をしたりしていると移動も含めてあっという間にタイムリミットが来るので、この時間に原稿を書いていることが多い。読みたい本は山積みに……)

夜飲みに行けない代わりに、ランチタイムに人に会う。土日は昼から飲む。どうしても行きたいイベントには、娘も連れていき、抱っこ紐で寝かせる(このスタイルでイベントに登壇したこともある)。食べたいものは食べ、買いたいものは買う。できる限り、子育て中の”我慢”を減らしてストレスを最小限にするために、自分の小さな欲に従い、満たせるものは満たしていく。

両親も親戚も近くにいないし、夫はウルトラ忙しいけれど、それでも”ワンオペ育児”にならないように、家族を拡張し、”みんなで育てる”スタイルにしたい。だから、周囲にも頼っている。土日はたいてい友だち親子・家族とともに過ごし、娘の誕生日会もHalloweenも、季節の行事は家族だけでなく、合同で行うことが多い。

(夏の終わり、娘の合同誕生日会。この日夫は午前中に京都から帰ってきて、夕方にはセントレアへ。それでもその間、ちゃっかりパスタもつくってくれた)

(先日、学生時代からお世話になっている、東京の実家・密蔵院の和尚とでこちゃん ※友人の両親 の還暦祝い。総勢46人で屋形船で宴!夫は不在)

ほかにも勝手に心の拠り所にしている友だち(とその家族)が何人もいる。「家族」とまではいかなくても、本当にみんな「親戚」みたい。友だちの子どもの成長も嬉しくて、もはや立ち位置は完全に親戚のおばさん。

最近はもともとの友だちだけでなく、近所にもつながりがほしいと、夫の実家から大量に届くみかんを片手に、同じマンションのお隣さんに挨拶に行ってみたり、同じ保育園のママ友に渡して家に誘ってみたり。ファミリー・サポートを利用したことで、昔からこの地域で暮らす60代の女性ともつながりができた。先日、近所でばったり会ったときに、娘の成長を喜んでくれたのが嬉しかった。

そう、ものすごいスピードで変化するこの時期の子どもの成長を一緒に喜んでくれる人がいるというのは、親として本当に嬉しい。保育園に預けてよかったと思うのは、もちろん物理的な働く時間の確保もあるけれど、毎日娘の成長を共有できる大人が増えたこと。

これからも血縁含めた濃いつながりはなくても、ゆるくつながって、たまにでも娘の成長を一緒に喜んでくれる人たちを増やしていきたいなと思う。

……と、仕事に邁進する夫が不在中、ひとり試行錯誤し、どんどんたくましくなっていく私だけれど、冒頭の友人の話を聞いて、少し反省した。このままではまずい。最先端のはず夫は、旧式も旧式、家庭を省みず仕事ばかりして、居場所をなくしてしまう昭和のモーレツ社員のお父さんに成り下がってしまうではないか。娘にはお父さんのことを好きでいてもらいたいし、夫の居場所を家庭になくしたくない。

ということで、冒頭の友人たちに会った直後に夫の1週間不在の知らせをうけた私は、ようやくふつふつと湧いてきた怒りのようなものも含めて(これまで「なんで怒らないの?」と何度も聞かれた)、LINEで思っていることを伝え、夫に「働き方改革」を要請した。と言っても、世に言う働き方改革レベルではなく、もう少し出張と朝帰りを減らして、もう少し土日の休みを増やし、もう少し家族で過ごす時間を増やしたいだけ。4ヶ月以上ほぼ休みなく働く夫の身体も心配だ。

夫自身もさすがに今の家庭不参加と働き方には問題意識を持っているようで、二つ返事だった。もちろん「すぐには難しいけれど」。少し先の未来に、期待したい。

と、夫に少し怒りのようなものを覚えつつあったタイミングで、友人たちとチームラボボーダレスへ。

ああ、やっぱりいい仕事しているなあ。作品自体はもちろん、はしゃぐ子どもたちの姿を見て、感動する大人たちの声を聞いて、夫やつながりのあるチームラボメンバーの顔が浮かんで、涙が出そうになった。寝る間も家族と会う間も惜しんで(泣)、いい仕事してる!!最高なプロフェッショナル集団!(拍手)

4ヶ月以上続く、ほぼ夫不在の日々に正直心が折れそうになっていたけれど、おかげで少し前を向けた。フォロワー基質の私(編集者)は、いい作品に弱い。

好きな仕事に邁進できるのはいいことだし、誰かを喜ばせることができる仕事はすばらしいし、家族としても応援したい。でも、やっぱり、もう少し、ねえ。

ちなみに一緒にボーダレスへ行ったワンオペ育児仲間の友人は、しょっちゅう誰かが家に泊まりに来ているらしく、ふたりの子どもに「ねえ、るりか、今日うち泊まる?」と何度も聞かれた。それも、いいね。

個人と家族の価値観もやり方も、本当に千差万別。夫が帰ってきたら、これからのお互いの働き方と子育てについて建設的な議論をしたいと思う。自分たちの家族のかたちを模索しながら、築いていくぞ。まずは、脱・ワンオペ育児から!

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徳 瑠里香

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