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いま・ここに埋もれてしまうもの

こんにちは。
この週末は、wisdom 2.0という二日間のオンラインのイベントに参加していました。テクノロジーが様々な進化を遂げる時代に、マインドフルネスをベースとして、様々な分野の方が人類のwisdom、叡智をどのように生かすのかというお話をされていました。マインドフルネスにも、色々な展開があるということを知る機会になりました。

その後、ふと思ったことがありました。マインドフルネスという言葉、本当によく聞かれる言葉になったと思いますが、「いま・ここ」だけでは埋もれてしまうものが沢山あるのではないかということでした。これから録画で配信されることを待っているセッションもあるのですが、とても印象に残るセッションがありました。ロンダ・マギーさんというサンフランシスコ大学の法学の先生と、宮川愛さんというシスコシステムズの人事本部長の方の対談でした。

法律の専門家のロンダ先生が、どうしてマインドフルネスなのだろうと思っていたところ、自己紹介の中でお話がありました。社会における正義を理解する上で、アメリカの奴隷制度についての歴史、アメリカの負の歴史を講義されている中で、黒人系である先生は、ご自身も本当に苦しくなられたのだそうでした。それは、講義を受ける生徒の方もそうだったそうです。そこで、マインドフルネスの瞑想を取り入れられるようになったということでした。なぜ苦しくなるのか、それを少し自分から離してみてみること、そのことによって、先生は様々な人種に関わる先入観について、歴史的に抱えてきたものをしっかりとみることをされるようになったそうです。

宮川さんも、とても個人的な体験を話してくださったことが印象的でした。若くして人事のトップになられた時、他の部門のトップの方々はどなたもだいぶ年長で、しばらくご自身の見地から話せなくなってしまうという時期があったのだそうです。きっと、アメリカ本社の人事の中では、そこまで若いとは思われなかったのかもしれませんが、日本ではリーダーの年齢が海外よりも年長なので、かなりプレッシャーもあったのではないかと思います。それがある時、ご自身が講演会に参加して、とても若い演者の方のお話が始まるときに「この若い方のお話から、学ぶことがあるのだろうか」と思っている自分に気がついたのだそうです。自分の中の、年齢や経験に関する先入観に気が付いた瞬間だったそうです。「若い人に学ぶことがあるのだろうか」ということを、ご自身にも投影していることに気がついたのだそうでした。ご自身が、ご自身を苦しめていたことに気が付いたのだそうです。

このお二人のお話を伺って、マインドフルに起きていることを捉えることの意味を、改めて考えさせられました。自分が自分を枠にはめている、その枠がなんなのかをしっかりとみること、それもマインドフルネスの大切な要素であると思います。マインドフルネスを「いま・ここ」だけにとどめてしまうと、埋もれてしまうかもしれません。「いま・ここ」にいられなくなる理由はなんなのか、気持ちが落ち着かないときには、しっかり見つめることで、わかってくることもあるかもしれません。

本日のお題:今日、なにかイラッとしたことはありましたか。それは、なぜ起きたのでしょう。ご自身が前提としていたことはなんだったのでしょうか。


ポイント:こういう振り返りをすると、イラッとしたご自身を責めてしまう方もいらっしゃるかもしれません。起きてしまったことは、起きてしまったこととして、ご自身のクセとか、傾向にちょっと気がついてみると思ってはいかがでしょうか。

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