新手のデート①

恒例の大腸内視鏡検査。

潰瘍性大腸炎を患い、もう10年目。

二十歳からお世話になってる、小さな町医者先生から、より専門的な大学病院の先生に変わっての内視鏡検査。

その先生、私と同世代ぐらいで、しかも髪型がアフロ。

先生とは1年ぐらい診察してもらってるから、初めましてじゃないんだけど。

「僕、まだ腸の中見てないんだよねー。そろそろ見たいんだけど、どうするー?いつやるー?」

ノリが軽い。ディズニーランドいつ行くー?の感じのノリ。

「じゃあ、この日で」

即決したら

「え、もうやるの?ちょ、ちょっと待って、僕の心の準備がぁっ!」

えっと、ちょっと待ってねと、黒い手帖を出して慌ててた。

なんだろう、この風景。楽しい。

先生は内視鏡のプロだから、別に何てことないんだろし

私も内視鏡は3回目だから、別に何てことないんだけど

はじめて、でしょ。

お互い笑いながら話してたけど、最後は、ちゃんと威厳のある冷たい病院の先生に戻ってた。

なぁんだ、つまんないの。

でも、そんなアフロヘアで、真面目な顔されても、

こっちは笑いこらえるの、たいへん。