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「もうお前とは出来ない」チーム崩壊寸前の危機を引き起こした”あの事件” Rush Gorou×くるたみ対談記事 〜今だから話せる2年間 前編:BO4〜

趣味はボードゲーム、得意なものはパズル。
好きな事は、「勝つ為に努力すること」。
緻密でロジカルな思考力が持ち味で、そしてRush生粋の負けず嫌い。
そして「頑固者」という、ある種のレッテルを貼られ続けてきたのが、他でもないRush Gorouという人間ではないだろうか。
GreedZzの戦線離脱、Light復帰、Vebra加入、という怒涛の2019年初頭にRushに仲間入りしたGorou。
彼がどのような2年間を過ごしてきたのか。

さて、彼のちょっとした変化に気づいてる人はどれ程いるのだろうか?
ゴロウにとってゲームは、今も昔も、どこまでもどこまでも好きなことだ。
勝つために努力するのが好きだから、
それが他の「普通の人が大切と思う事」よりも好きだから、
やっていること。
きっとそれは今も昔もかわらないだろう。
では、これからは?

良くも悪くも頑固で、絶対に引かなかったBO4シーズン。
そして、活動方針変更前のMWシーズン。
今CWを目前に、くるたみと二人でこれまでを振り返ってもらった。

Gorou選手について簡単におさらい!という方は、こちらの記事を是非参照してもらいたい。

〈聞き手=くるたみ/文=うらら〉

”もうゴロウとは無理” Luke vs Gorou事件 

GAMEクロスインタビューより
ー昔は自分の頑固さをコントロールできなくて、言い合いになってしまうこともありました。「コール オブ デューティ ブラックオプス4」(BO4)の時だとLukeと言い合いの末に喧嘩になってしまって、その後コーチのくるたみさんに「このままだとチームとして続かないよ」と言われ、反省したことも覚えてます。


くるたみ
「あれな。ある日の2v2でやってた練習の後の話し合いでゴロウがなんか投げやりな事言って、それきっかけにLukeがブチ切れた事件な。
そのあとLukeからもうゴロウとは無理っすわってLINEが来て、朝までそれぞれと話して、なんとかその日中に収まったは収まった件だよな。
今あの時のLINE見せよっか?笑 すぐ遡れるし。いつだったかな。」

ゴロウ
「2018、いや2019年くらい?あんま覚えてないな・・」(バツが悪そう)

くるたみ
「あった!2019年2月4日月曜日。

”ゴロウとチームとしてやっていけるか不安になったんですけど…。今日の2v2でも負けまくってるのに危機感なさすぎると思います。本気で勝つならなんか違うと思います。
こっちは2v2で勝つためにナイスとか声かけあってやってるのに、一人だけ乗り気じゃないとか言われるのクソイラつきます”

ってきてる(笑)。それで急いで俺もゴロウに連絡したんだよな」

ゴロウ
「いや、うん・・・」(苦笑)

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くるたみ
「そのあとゴロウと朝3~4時まで話したよな。あの時はLukeも感情的になってて、こんなんなら俺もう練習中発言しません、みたいになってたし。
Lukeはもうゴロウを蹴ってくれくらいの勢いだった。
チームとしてはもうやっていけない、まぁこの話はLukeがどれくらいムカついているのかが大事だわな。

当時のLukeは撃ち合いのスキルあげようぜ、ゴロウはチームの戦略とかの方を上げよう、個人技は個別にやればいいって感じだった。
ここで二人とも結構理解しあえなかったというか。

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Lukeも、ゴロウに対して負の感情が強すぎてどうしようもなくなってたし、これを説得するのは大変だなあと思って、ドキュメントにも書いて整理したんだよなあの時。

↓当時くるたみが話し合いをまとめたドキュメント

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でまあ長々と俺とゴロウで話したことをLukeに伝えたら、とりあえずやっていくことで納得してくれた。
記事だと軽くぶつかって喧嘩して…ってなってるけどLukeは二度とこいつとはやりたくないってレベルにブチ切れてたっていう事件だった。
今はこのことどう思う?」

ゴロウ
「もちろん反省してる。特に例えば交流戦とかだとマイナスな指摘が多くなっちゃって、特に俺にそういう傾向があって、良くなかった。特に言い方面は、投げやりになったのは当たり前だけど良くなかったよなと。」

今だから言える、不安と自信の無さ

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くるたみ
「そうよな。とはいえあの頃良くぶつかってた、チームの動き vs 個人技の練習っていう面では今はどう考えてるわけ? 割とこれからもよく出てきそうなトピックだけど」

ゴロウ
「まぁ、今も昔もチーム戦略や戦術、さらに個人技ってどっちも大事だって当たり前だけど思ってはいるんだよね。でも今思うと当時は、自分自身がチームの動きとかそういうのに自信がないし余裕がなくて、正しい事ができてるのか考えられてるのか不安ではあった。それで結果的に練習中にチームとしてどうとうか、何が正しいのかとか指摘したり、気になったりしてたんだと思う。」

くるたみ
「最初自信なかったんだ。自信満々なやつだと思われてそうだけどな(笑)

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ゴロウ
「まあ最初はね(笑)」

くるたみ
「てかあの頃ってゴロウが入ったばっかりでそのあとすぐにVebraも入ったころだったよな。ゴロウが入った頃に立て続けに他にも色々な問題が重なってて、ゴロウは正直自分で頑張れ、っていうか放置されていたのも俺的には反省してる。あの時の心境ってどんな感じだったの?」

ゴロウ
「正直やらなきゃいけないことが多すぎて自分の心境も何もなかった。GreedZzさんの脱退とLightさん加入による強化プラン、そこから新メンバー探してVebraが参加して今度はVebraを育てて初海外大会。初めての海外大会は思っていたより相手も強かった。当時俺が思ってた3倍は強かった(笑)。日本とはレベルが違いすぎると心の底から感じた。」

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くるたみ
「みんな海外との差は痛烈に感じて帰ってきた後だからな、この2月の事件。あと思い出してみると、ゴロウは自分の意見を通そうとするけど、最初の頃は自分の意見ってあんまり持ってこなかったような気がしてて。でもゴロウが自分のやりたいことをちゃんと言うようになったのって、ストーリー君と話すようになってからな気がする。」

ゴロウ
「俺自身の反省のやり方が、試合のミスを持ってくることが多いのは、まぁ結構そう。まぁそれ自体は間違ってるとは思わないけど、当時はそれしかなかったなとは思うし、良くなかったなと思ってる。」

くるたみ
良かったところとか、出来てる事を言うのも大事だよな。あとは、改善案の仮説を出すとか。気軽に意見言える空気も大事だしな。今もそのへんうち弱いから、意識しないとな(笑)」

アメリカ人コーチとのマンツーマンを繰り返して得た自信と行動の変化

ゴロウ
「そうね。それに当時、シーズンの中盤からVebraにはサーチの指揮官とかやらせてたけど、正直、最初の方って俺何してたかよくわからないよね・・(苦笑) まぁそれで周りからは、それで練習中は指摘ばっかり言う、個人技よりもチームの動きについてばっかり、みたいな(苦笑)」

くるたみ
「でもストーリーくん(アメリカ人コーチ)と話すようになってから、変わったよな。ストーリーくんと1対1で話して、途中からはただ意見もらうんじゃなくて、一緒に作っているような感じになってた。振り返りを一緒にやるようになってから、徐々に全体が見れるようになっていた気がする。」

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ゴロウ
「その当時意識してた視点は二つあって、俺自身の動き方と、チーム全体の動き方。ストーリー君と話しながら振り返りを繰り返す事を始めてから、試合の考え方がどこで間違ってて、どこが間違ってないのか、っていう判断に自信がついた気がする。」

くるたみ
「これからもまぁ意見の食い違いとかは結構出てくると思うし、ルーク事件以外でも、BO4時代はべブラと言い争いになって2時間とか終わらない議論してた事もあった。耳が痛いかもだけど、MWの時だって似たような事はあったし、頑固なせいで損してきたこともあるけど、そこは今後どうなの。」


ゴロウ
「そうね。まぁ、こういうと反省してないように聞こえるかもだけど、意見の食い違い自体は悪い事だと思ってない。今でも。
お互いちゃんと意見を出し合えるのが大事だし、お互い違う意見が出てきて、食い違うのって普通だと思う。
ただ、自分の悪い癖として人の意見とか否定しがちな悪い癖があるのは自覚してる。
だからそれを気をつけないといけないってのは結構思ってるし、反省してる。
今シーズンは特に、自分が相手の意見を潰さないようにも気をつけて、お互いちゃんと意見を整理して、一個一個ちゃんと具体的に議論できるようなチームにしたい。」

(前半終わり)

MWシーズンからCW編
〜プロ格闘ゲームシーンとの出会いと、プロキャリアへの意識変化〜
へ続く

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