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【スタッフブログ②】Springを振り返って。 「eスポーツの熱気」に触れた3ヶ月。

こんにちは!スタッフのハルです。SpringシーズンもRush Gamingの応援、声援、本当に本当にありがとうございました!

と、かっこよく書いてみましたが、2月からeスポーツに初めて触れた私にとっては、今シーズンが生まれて初めて応援したプロ対抗戦でした!

このシーズンは私のなかで、きっと、ずっと、印象に残るSpringシーズンだと思います。プロ対抗戦の選手の皆さんに、改めて「ありがとう」という気持ちでいっぱいな、このSpringシーズンを応援して感じたこと。

それは「eスポーツって、熱い!」ということです。

今シーズン、伝えたいことは、もう山のようにあるのですが、私が感じた「彼らの熱気」に絞って、ぎゅぎゅっと、お伝えできたらと思います。

「プロ対抗戦」は毎年行われているもの、じゃないんだ。

私は「eスポーツの大会は毎年行われているもの」だと思っていたのですが、この「プロ対抗戦」という試合自体が特別なのだと、Gorouのインタビュー同席時に感じました。

公式大会の開催は2018年のWorld War Ⅱ(WWⅡ)作品以来、実に3年ぶり。そんな試合の開催に「おお!やっときたか!って感じで」と話すGorouは、目を輝かせ、少年のような無邪気な笑顔を見せていました。

ただ、Rush Gamingというチームで見てみると今シーズンの開幕は、またしても突然の出来事から始まるシーズンでした。

高校生のSiriusが大学進路を含めた大きな決断をし、加入したのも束の間。昨年の年末のことでした。

選手としても1人のプレイヤーとしても人気なVebra選手が休止を発表。

きっと多くの方が、驚かれたのではないでしょうか。

ゲームとの出会いから運命的なものを感じさせるVebra選手の笑顔やプレイヤーとしての素質、そして100日連続で生配信をする体力やエネルギー。彼の休止発表がファンにとって、何よりチームにとって大きな衝撃が走ったことは、言うまでもありません。

しかし、残酷なことに、時間は待ってはくれません。

チームメンバーは今シーズンを乗り越える仲間として、現在ストリーマー活動をしているメンバーにも声をかけたものの、選手としての厳しさと大変さを知っているからこそ「もう選手はできない」と断られることもあったと言います。

そんな苦労を経て、今やチームに欠かせない選手となったCurrent選手を含めたロスター4人の正式決定はプロ対抗戦直前。18日前の、2月10日のことでした。

チーム競技であるCall of Duty(CoD)というゲームは、4人のプレイヤーによる連携が要になります。メンバーの半数がRush Gamingへの加入も、プロ対抗戦への出場も、初めてという、まさに0からチームを作り上げるシーズンでした。

久しぶりの、初めての、優勝。

だからこそ、Sirius、Currentの加入後初めて、そしてプロ対抗戦直前となる2月22日の「Rush Battle Tournament Ⅱ」での優勝は、今でも忘れられません。

選手一人ひとりの性格が表れた喜びや、ファンからの祝福の声とWinRedの個人配信での止まらないスーパーチャット。夜通し、ファンからのコメントが届き、そのスーパーチャットの総計は世界ランキングに入るほどの盛り上がりでした。

そして何より、加入して間もないCurrentにとって結果を残せた安心感とそれまでのプレッシャーは計り知れないものがあったのではないか、と思いました。

試合終わりのインタビューで「最初どえらい緊張していて(笑)。 来週のプロ対抗戦までに改善して、対抗戦でも勝っていきたいです」と、既に修正点を話すところは彼らしさが、にじみ出ています。

Currentのメンバーシップが始まったり、Gorouが22歳の誕生日を迎え「幸せな一年にしたいですね、できるように頑張ります」と交流戦終わりに話したり、チームとしてまとまっていった1週間でした。

もちろん、浮き足立つことなくサーチアナリストとして関わったGreedZzの「このままじゃだめ」というアドバイスやコーチであるNQCの「もっとやれ。限界までやれ」という声を胸に、自信を持ってプロ対抗戦に臨みました。

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(REDCLIFFの皆様からの応援メッセージには、メンバーもスタッフも一同全員が驚きました。本当にありがとうございます!!)


頭が真っ白になったDay2。成長しているはずなのに、結果が見えない現実に「何も考えられなかった」。

Day2の3月14日。

プロ対抗戦のDay1を2勝1敗と悪くない結果で進んでいた、この日。
「Rushに何があったのか!! 」と話す、実況の声が耳を離れませんでした。

序盤、王者Libalent Vertex相手に、完璧な動きと連携で一気に100点台まで乗り切ったハードポイント。

にもかかわらず。

結果は150-250という大差での、大敗。

動揺を隠せないまま、この試合を0-3で落とし、4時間後、全く同じGarrisonマップのハードポイントでREJECT相手にも、168-250という大差をつけられ、同じ負け方をしました。

「ここからじゃ」というGorouの投稿も虚しく、2敗。試合の勝ち負け以上に、その負け方が悲惨なものでした。

非難轟々、帰ってきた選手たちの大会終わりの配信は、悔しさがにじみでていました。

試合の日、当たり前にチームのユニフォームをきて、身なりを整えて。メンタルコーチングにも、何時間にも及ぶ毎日のミーティングにも、取り組んでいるのに。

「結果が見えやすいゲームだけど、結果にすぐに結びつく世界ではない」

そんな当たり前なことを突きつけられた瞬間でした。選手のなかではCurrentが一番ショックを強く受けている印象で、実際、翌日から2日ほど熱を出し、チーム練習は一時中断となりました。

その時を振り返ってCurrentは「REJECT戦の後の配信、何も浮かばんかった、もう全部泣きそうだった。Rushで俺が一番悔しかった。もう、下向いてた。REJECT強かったな。終わってから3時間くらいの記憶ないわ」と、心境を赤裸々に伝えていました。

「(試合では)ガチで動きがバグるし、余計なことを考えちゃう。俺らは勝ちたいから、練習量は負けへんし。待って。思い出して今も泣きそう。今の100倍くらい練習せな。eスポーツを教えられるほど、まだ知らないし、自分が今も学んでるわ。少なくとも2倍は練習します。大会で負けて泣きそうなの初めてや」

ぽっかり、穴があいたように、私もしばらく何もできませんでした。コーチのNQCも「あの結果を見た時に、本当に感情が【無】になって何もかもやる気がなくなった」と話していました。

でも、彼らは立ち止まっていませんでした。

(NQCの配信より)「帰り道、通話に入ったら声を荒げながら必死に反省会してました。チームリーダーのGorouが声を荒げながら【負けたくねえ】って意識がすごい伝わってきて。深夜2時くらいまで飯も食べずに『何がいけないのか』ずっと反省会をしていて。eスポーツ、アツいわ」。

全員が、萎えずにちゃんとミーティングをしていたなんて。

「(Day2の敗因は)個人としての弱さやチームとしての弱さじゃなく、チームとしての考え方の弱さだった気がする。最強のRushを楽しみにしてて」と、選手を誰よりも近くで見ているNQCに言われたら。

彼らの成長が、より楽しみに感じました。


「即効性がなくても、結果が見えなくても」。生活リズムの改善でチームが変化。

この日を境に、チームで2つ、大きな変化がありました。

1つ目は「スマホを手放すこと」。Rush Gamingは選手だけでなく、発信をするストリーマーが多く在籍し、さまざまな注目も集めています。

Siriusが「(公式インタビューで3人の選手から)気になる選手として挙げられて嬉しかったんですけど、逆に緊張する」と話していたり、Currentが「アマチュアと大会の雰囲気が違って、結局はメンタル(勝負)なんですよ」と話すように、そんな注目が選手にとってはプレッシャーにも感じられることもありました。

だからこそ、集中して取り組める環境づくりの第一歩として、スマホを手放し、「プレイへの集中」を徹底しました。

そしてもう1つが、彼ら自身が「自分たちの生活」と「メンタル」にもっともっと、意識を向けるようになっていったということ。

筆頭は、リーダーのGorou。「問題視したのはDay3前から。ゲームを上手くなるためにゲームの時間を削る決断をしました。不健康代表の俺がいいます、健康大事です! 」と話すように、普段の生活の睡眠や運動習慣に目を向け始めました。

1:30以降は液晶を見ないこと。何年ぶりかのお風呂に就寝30分前までに浸かり、2:30に寝て8:30に起きること。9:00から30分は散歩をすること。

元々、3〜4時間しか寝られなかったというGorouが7時間の睡眠を続け、改善した生活リズムを今もずっと継続していることは、「プロ選手」としての強さを感じさせます。

「ちょっとなんかやるか〜」が増えたというGorouは、2月22日から始まったヨガにも必ず毎回参加し、この時期から個別レッスンも追加。

そんな変化は、普段のミーティングにも表れています。

今シーズンから取り入れたメンタルコーチングに全員が参加して、「ノートをとる」という取り組み自体苦手だった彼らが、それを当たり前に過ごすように変わってきていること。

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さらにGorouは、他3人の話しやすい環境づくりのために、4人のミーティングを自分と他3人で分けることを提案しました。

ほかにもGorouは、監督の「1日の練習の自己評価を練習後に5点満点で聞こうぜ!」という提案をすぐに取り入れました。その日から欠かさず、点数と理由を選手全員に聞き続け、毎回全員の話をノートにメモし続けました

長く監督としてチームを見守る、くるたみは「WinRed、Currentがノート取ってるなんて未だに信じらんない(笑)」と話しつつも、「Gorouがやってるから、みんなも感化されて行動する、いいサイクルが来ているなと思う」と、改めて成長を実感していました。

「24時間、チームが強くなるために時間を使っている。誰に聞いても『Gorouが一番頑張ってる』っていうと思う。顔つきも良くなったよね、今の方がかっこいいもん。即効性がなくても、結果が見えなくても、いいなって自分が思えて発信できてる。めちゃくちゃいい循環だよ」と太鼓判をおしていました。

「Currentが変われば、Rushは勝てる」NQCの信頼を受け、強気に。

そうして臨んだDay3。

2日目よりも相手に手が届く負け方をしたからこそ、より「悔しさ」をにじませましたが、連携やプレイは以前よりも格段にチームとしてのまとまりが出ていました。

そして何より、「Currentつよ」という小さなコメントが目に留まりました。

コーチのNQCはCurrentのプレイを「Day1、Day2の間、ずっとbotみたいな動きをしていて『相手の動き見るのはいいけど、それで硬くなるのはだめ。強気にならないと。Currentが変わればRushは勝てる』って何度も言った」と話していました。

そんなNQCが「Day3からCurrentが急に強気な動きになっていることは、見ている人もわかってると思う」と褒めていたこと。

Current自身も、「トライアウトに入ってから1ヶ月半、やり方全部が良くなくて、チームで色々考えたあの時を乗り越えて上手くなったって考えると無駄なことは何もない」「最近、Rushに入ってよかったって思ってる」とシーズン終わりに笑顔を見せていたこと。

最終戦でGorouのPS5が壊れて走れないトラブルはあっても、晴れやかに帰ってきた選手たちを見て、「ああ、本当にCurrentが加入して、この4人がチームでよかったなあ」と心の底から感じました。

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唯一プロチームとして参加した大会で「勝つことよりも、見ている人に楽しいと思ってもらえる試合を」

今シーズンの終わり、Rush GamingはANOTHER TOURNAMENT BOCW in SPRINGで優勝を収めました。

プロチーム唯一の参加となった大会終わり、リーダーのGorouは「見ている人に楽しんでもらえるようにしたいなと思って、ちょっと面白いピックを意識してみました」「試合の面白さをもっと伝えていけるように」と話していました。

自分たちの勝つことはもちろん、見ている人に楽しんでもらえるように。

これは、今までの試合で聞くことがなかった言葉でした。

そんな、チームの変化をたった2週間ごとに感じたことは、間違いなく毎日積み重ねとその継続があるからだと感じます。

WinRedは変わらず配信で「Summerは笑顔で締めくくりたいので、その分、勝てるように頑張りたいです。俺もグランドファイナル行きてえ、みんなで行きてえ。俺行きてえよ」とBot撃ちを最低1000体、繰り返す。そんな日々の努力を惜しみません。

だからこそ、Gorou、WinRed、Sirius、Currentと。チーム全員で迎える、6月13日のSummerシーズンの幕開けが、今からもう、楽しみで仕方ありません。

(後述:今のチームの目標は「脱いい子ちゃん」?! 現在の取り組みは、またの機会で!)

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