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オールインワンゲルは危険?乳液・クリームの違い

こんにちは!
元美容・健康メーカー社員で美容アドバイザー・パーソナルトレーナーのrutaです。

今回はオールインワンゲルとはどんなものなのか。乳液やクリームなどとどう違うのかについて見ていきます。

◇そもそもオールインワンゲルってどんなもの?

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そもそもゲルとは、人間の水分に一番近いとも言われ、液体と固体の中間的な性質をもった状態のことをいいます。

化粧水の後に使われる乳液や保湿クリームも最近はゲル状のものも多くなっていますが、以前は固体(油分の多い形状)がメインでした。

ではなぜゲルが増えてきたのでしょうか。
それは「ゲル化剤」の普及によるものです。

化粧品に使われるゲル化剤は「合成樹脂」で、高分子のポリマーが使われます。
例えば、カルボマーを使えば、透明性の高いゲルや粘性の高いものから低いものまで色々なゲルを作ることができます。
そして、ゲル化することにより、保湿効果を高めることもできるのです。

つまりオールインワンゲルは、ゲル化によって保湿効果も高めたスキンケア商品と言えます。
他にもゲル化剤は合成の高分子だけでなく、天然系の高分子なども登場し、ゲル化した化粧品自体も進化してきました。
こうしたゲル化技術の進歩が、オールインワンゲル商品が増えてきた背景にあるんですね。

◇ポリマーは危険?

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ただ、高分子ポリマーについては、ネガティブな捉え方をされることも多くあります。
皮膚を覆ってしまうので皮膚呼吸ができないので危険と言われたり、「合成」のものが多いので、そのイメージが先行していることがあります。

でも実際は化粧品で使うポリマーは袋やラップなどに使われるものとはまったく違うものなんです。
高分子ポリマーといっても、オールインワンゲルに使う高分子ポリマーは3次元の立体構造になっており、空間があります。
なので、仮に皮膚を覆ったとしても、隙間がないくらい覆うということはありません。

化粧品の成分で〇〇不使用などあたかも良くないもの、肌に悪いもののように表現されるものもおおいですが、実はほとんどの人にとっては無害でメリットのある成分ということも多い場合があります。
例えば防腐剤のパラベンやシャンプーのシリコンなど。
こういったケースはメーカーなど販売側のマーケティングや情報操作・印象操作であることが多いのです。
オールインワンゲルで使う高分子ポリマーも同じで、皮膚に悪影響を与える可能性は非常に低いんです。

また、オールインワンゲルに配合するポリマーは多くても数%以内で全体の比率としては少なく、量としてもポリマーが肌を覆いつくすなんてことはないんです。
そもそもポリマーは化粧水やオールインワンゲル以外でも粘性を調整するために化粧品に使われること自体よくあるものです。
基本的に安全性は高いものなんですね。

◇皮膚呼吸できない?


皮膚は、少量の酸素と二酸化炭素の交換がおこなわれていますが、「呼吸」と言うほどのものではありません。
当たり前ですが、お風呂で湯船につかって皮膚呼吸ができなくて死亡したなんて聞かないでしょう。
そもそも人は肺呼吸で生きる哺乳類です。
皮膚呼吸を全く行っていないわけでありませんが、肺呼吸で取り入れる酸素の量と比べればわずか6%程度です。
そのため、影響はとても少なく、仮に皮膚呼吸が妨げられても肌ダメージを受けることなんてありません。

また、肌の常在菌に悪影響を与えるという人もいますが、そもそもポリマーの配合率は低いので表皮常在菌に大きく影響しません。
また、化粧品で使う高分子ポリマーは安定性の高い物質で、表皮常在菌によって分解されたり、栄養を与えるなんてこともないのです。
つまり、「高分子ポリマーを配合しているから危険」とは言えないのです。
正しい情報・知識を持ってより良いスキンケアを行いましょう。

◇界面活性剤


オールインワンゲルだけでなく、化粧品は化粧水や美容液、乳液、クリームなどは水溶性または脂溶性の保湿成分やエイジングケア成分などに、水、油、界面活性剤などを混ぜて作られます。
界面活性剤は「乳化作用」を持っているため、油分を持った化粧品にはほぼ必ず使われます。

最近ではインターネットやSNSの普及で口コミ文化によって、石油系の刺激の強い界面活性剤ではなく、植物性の刺激の低いものが使われることが増えています。
※石油系だから必ず刺激が強いとも言い切れないのですが。
オールインワン化粧品も同じで、ゲル化剤を加えるか界面活性剤を使うか、または量をコントロールして両方使うかが違うだけです。

◇オールインワンゲルと乳液・クリームの違い

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化粧水・乳液・ゲル・クリームなどのカテゴリは水溶性成分と油溶性成分の比率とゲル化剤をどれだけ使うかで決まるということなんです。

水溶性成分が80%以上なら化粧水、油溶性成分の割合を高めていくと、美容液、乳液、クリームというように変わっていくんですね。

ゲルだからと言って、「たった1つで、化粧水、美容液、乳液、保湿クリームのすべての役割を果たす」と言うのは少し言い過ぎで個人的には使う人の肌質や季節、年齢や性別、商品の保湿力などによっても変えるべきだと考えています。

そもそも、化粧品のカテゴリ自体あいまいで定義があるわけではなく、どんな成分を配合していても、ゲル化することによって、「オールインワンゲル」という呼び名で販売されていることもあるのです。

つまり、化粧品メーカーが、勝手に決めているんですね。
もちろんさらさらした化粧水状のものを「保湿クリーム」ということはありませんが(^-^;

◇化粧水もオールインワン?

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化粧水は、水溶性成分の割合が多いので、水分を与えるのには最適です。
そして、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲン、オイルなどの保湿成分を配合すれば、水分を保持できます。

さらに、ビタミンC誘導体やレチノール、EGF、フラーレン、アスタキサンチン、プラセンタなどのエイジングケア化粧品成分を加えると、アンチエイジング効果も期待できます。
そうすると「オールインワン化粧水」になりますね。

つまり、ゲルだけでなく、化粧水、美容液、乳液、クリームなどの形状に関係なく、機能を持っていれば「オールインワン」と言えてしまうということです。
化粧品の形態については、法の範囲なら作る側が自由に決めているんです。

基礎化粧品の成分や成り立ちを考えれば、化粧水+美容液+乳液+保湿クリームなどすべての形態のものの特徴や効果を100%合体させたものは作れません。

ただ、ゲルという形態は水溶性の成分も使用性の成分も抱えることができ、それぞれのすべての良さを発揮するわけではいけれど、バランスの取れた便利で使いやすいものであることは間違いありません。
個人的におすすめするのは化粧水で有効成分の通り道を作り、オールインワンゲルや乳液などで有効成分と保湿効果を発揮しやすくしてあげるという使い方をおすすめしています。

つまり保湿のためのスキンケア商品で日常的に使うのは基本的に2つでいいということです。
あまり多くのものを使用するのは肌に摩擦を与えることにもなりますし、面倒で続かない、費用も時間もかかるのであまり現実的ではないと思います。

もちろん乾燥肌の方や肌荒れの状況、季節などによってプラスアルファのケアをする必要がある場合もあります。

それぞれの特徴とご自身の肌の状況を知ったうえで、良いものを賢く使って美肌を実現し、保っていきましょう!

【まとめ】
・オールインワンゲルの安全性は高く、水溶性の成分も油溶性の成分もバランスよく取り入れられる
・オールインワンというのは機能のことで形状に関わらず使われる
・ゲルは人間の水分に近く、優れたスキンケア

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私の記事ではこういった化粧品・スキンケアなどの美容に関すること。ダイエット・ボディメイクなど、美容・健康メーカーを辞めた今だからこそ言えることなどを書いていきますので、良かったら今後も見ていっていただけると嬉しいです。

スキンケアやアパレル製品の開発をしたいと思っています。