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旅の休息地

実家に帰るとき、なるべく夜ご飯は家で食べたい。

実家から自分の家に戻る前日の夜に予定を入れないのも、最後の日は家でご飯を食べたいから。

18年間毎日食べた続けた味は、いくつになってもほっとして、また次の日も、その次の日も食べたくなる。日本を離れて遠い国で暮らすようになった今はなおさら。

長旅を経て実家に帰って一番幸せで安らぐ瞬間は、わたしのため、家族のために作ってくれたご飯が出てくるとき。そしてそれをみんなで囲むとき。自分が自分でいられる場所で食べるご飯ほどおいしいものはない。

今は一緒に食卓を囲む家族の数も増えて、もうあの頃のように4人だけで食事を共にすることは一生ないのだろうけど、こうやって幸せな時を共にできる仲間が増えたのは、きっと素晴らしいことなのだ。

人生という長い旅の中での休息地。それは、食べ慣れた味を食べる幸せと、それを共有できる人が集まる場所なのかもしれない。




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