見出し画像

一人旅は自分をさらけ出すための荒療治

一人旅をしたい理由は色々ある。

自由で気ままな旅ができる、これが一番。
しかしながら、その裏に隠れてもう一つ、理由がある。それは、自分をさらけ出すために一人旅は最適であるということ。

人と一緒にいるのは嫌いじゃない。このnote(「二人旅のススメ」)でも書いたけれど、誰かと旅をするのは楽しい。気心の知れた恋人や家族、友達と楽しい時間を共有できるなんて最高じゃないか。

でもこの居心地のよい環境が、自分の外の世界への好奇心という本能を霞ませる。居心地良いゾーンの外へ出るのが、最大級に億劫になるのだ。暖かい毛布の外には出たくない。

誰かといたって積極的に知らない人とコミュニケーションは可能なのだけど、なかなかそうもいかない。自分がやりたい好奇心と冒険心丸出しのプランだって、提案すればいいのだけどこれもそうは簡単にいかない。

心地よさで満たされているもんだから、「まあいっか」が先立つ。

でも自分のテリトリーの外に出てみると、新たな出会いや発見があって、それが人生を豊かにすることを知っている。だからやっぱり外にも出たい。

そうすると私の場合、自分自身を外に押し出すための手段として、一人旅。これが一番効くのだ。

一人でいると、楽しい時を共にする仲間が側にいない空虚感を埋めるため、積極的にそれを満たしてくれるものを求めて外に出て行こうとする。人とのコミュニケーションも、足を伸ばす場所も、冒険の嗅覚が鋭くなってアンテナが高くなる。

自分のやりたいことは何か、話したいことは何か、自分の知った誰かと一緒にいる時よりも、もっとずっと本当の欲望に近いところまで自分の声を聞きに行ける。それに従って、自由に行動もできる。

一人だからこそ、手に入れられる出会いと、実現できる計画がある。

もしあの時誰かと一緒にいたら、
マレーシアからタイまでの鉄道の旅で一緒の列車に乗った青年仲良くならなかったし、
岩手の居酒屋でおじさんたちと一緒にお酒を酌み交わさなかったし、
バリで朝日を見るために5時半に起きて野犬に怯えながらビーチまでダッシュしなかった。

自由と外への好奇心との掛け算で、一人旅は最大の効力を発揮する。
ありのままの自分と欲望をさらけ出すため、一人旅は最大かつ最高の旅の手段だ。





いただいたサポートは、小躍りしながらオランダで魚を手に入れるための資金にさせていただきます。ありがとうございます!