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イスラエルへ行く。ただの旅行で【2】

イスラエルへバカンスしに行った話。前回までの話はこちら→【1】

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私たちが到着したイスラエルの首都テルアビブは思った以上に都会だった。

ビジネスの中心部には高いビルが建ち並び、ビーチ沿いには軒並みホテルリゾート。
そう、テルアビブは地中海に面したビーチリゾートなのだ。滞在した3泊の間ほとんどは、ビーチでゴロゴロして過ごした。危ないかも…と心配していたわりに、街の様子を見て安心し、すっとリラックスモードに切り替わった己に、自分でも驚きである。

水温は高く、海の中も快適だ。相方が「わたしはヒトデ」と言いながら、手足を広げて波打ち際で波をかぶっている姿が異様にウケた。

日が暮れたあとはビーチ沿いを散歩したり、ビーチバーでカクテルを嗜んだりした。蚊に刺されまくったので虫除けスプレーが欲しい旅だった。

ビーチ以外にも、日中は、街中やマーケットも散策した。直射日光を浴びながら歩くのは死ぬほど暑くて、「なんで私たちこんなに頑張って歩いてるんだろう…」と思いつつ、ちょっとカオスでやたら猫がいる街並みと、そこに馴染むヘブライ語を眺めて異国情緒を味わった。

何よりテルアビブでびっくりしたのは、物価の高さと、某ファストフード店である。

物価は、高い。日本と同等か、なんならもっと高い。ちょっといい感じのカフェでパンケーキとエッグベネディクトとドリンクを頼もうもんなら6000円。六本木のおしゃんカフェでするブランチと同じくらいかそれ以上である。
この物価にびびって、貧乏性の私たちは、ルーフトップバーなんかには足を伸ばさなかった。
ちなみに後々わかるが、物価が高いのはテルアビブだけじゃない。イスラエル全体が高い。

もう一つは私の中でのテルアビブのハイライト、某ファストフード店。

その日はファラフェルというひよこ豆のコロッケが挟まったパンを夕食に食べたのだが、相方がどうもそれだけじゃ足りないという。ビーチ沿いの散歩の途中で高級リゾートホテル沿いになぜか佇む某ファストフード店を見つけ、入店することにした。

オーダーしてしばらく待ったが、待てど暮らせど食べ物が出て来ない。周りを見渡すとどうやら他の人々も同じ境遇のようで、待ちあぐねている。一方でカウンターの向こうのスタッフは、忙しそうどころか、スタッフ同士で戯れたり、携帯を見たりしていて、一向に食べ物が出てくる気配がない。

え、なにこれ私のご飯作ってください!って挙手制なの?と思った矢先、トップバッターが「俺の注文全然出て来ないんだけど」とイライラしながら掛け合い始めた。するとようやく作る気になったのか、「しょうがねえな」の雰囲気とともに、ふてぶてしさ満載の態度で彼の注文した食べ物がサーブされた。

私たちもそれに倣って、かれこれ20分前にしたオーダーを作ってもらえるよう、口頭でお願いする。なんだこのシステム、である。「しょうがねぇな」の狭間から、ようやく出てきた某バーガーは、日本のそれよりも高く、クオリティも想像にお任せします…だった。

想像通り(?)のカオスだったが、異国情緒をここでも味わえたので、私の中では良しとした。

そんなこんなで都会とビーチのテルアビブを抜け、私たちはエルサレムへと向かった。

ー続く

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