『文章教室』第1回にチャレンジ (るう)

■ ■結城浩先生の『文章教室』 

■ 最近ちまたでブームの数学文章作法 基礎編(結城浩)ですが,その練習編といもうべき文章教室もwebで公開されています.

この紹介文は単純作業に心を込めての彩郎さんが詳しいです(大絶賛!).まさに『数学文章作法 練習問題編』!結城浩先生の『文章教室』がすごい。

■ さらに彩郎さんが1題目の回答をUPしたら,『文章教室』を『数学文章作法 練習問題編』として使う。
なんとわれらが師匠?の倉下先生までチャレンジしてるではないですか!『文章教室』第1回にチャレンジ | 倉下忠憲 | note

これはやるっきゃない!というわけで.やってみた(まだお二人の回答は見てないよん☆)

■■■やってみた 

『文章教室』第1回 :テーマ 「文を短くしましょう」

■ 問題: 次の文章を、読みやすい文章に書き換えてください。

  知識を持っていて文章を書けるような人は、 教えるような文章を書くのがよくて、 自分の知識を他の人に伝えるような文章を書くのがよいが、 それは、 自分の知識を誇る目的ではないし、 自分の能力を誇るためでもなくて、 自分の知識や能力を使って、 他の人を助けるために書く文章だ。

***   (できれば,私や,ほかのかたの答えを読む前に,試してみてください.  HPには問題をとくための基礎情報が書かれています ) ***

■ まずは構文の解釈 (るうの回答,のまえに)

前回の書評でも構文解析をおこないましたが,英語でも,日本語でも,まずは文章の構文を考えるのが好きです.(そうしないと上手く理解できない)

なので,まずは,文章を理解するためには,「区切って,並べて」みます.私は,こう理解しました.

知識を持っていて文章を書けるような人は、(主語)

教えるような文章を書くのがよく (メイン述語)
て(並列の接続詞。ただしわかりにくい)、
自分の知識を他の人に伝えるような文章を書くのがよい(メイン述語の言い換え)

が、(これは不適切な接続詞)
それは、 (言い換えの前置詞.”ソレコレ”はあいまいになりがち)
自分の知識を誇る目的ではないし、 (間違った目的の例)
自分の能力を誇るためでもなくて、 (間違った目的の言い換え)

自分の知識や能力を使って、 他の人を助けるために書く文章だ。
(メイン目的)

この文章は,「が,(反意)」で繋いでいるのに「だ(肯定)」で終わるので不適切な構文です.
これは,本題の構造が不適切なのではなく,「繋ぎことばの ”が”」がおかしい(すなわち,文章は肯定のままつながる)と判断しました.

■ ■なので,るうの回答はこうなった。

知識を持っていて文章を書けるような人は、教えるような文章を書くのがよい。
すなわち、自分の知識を他の人に伝えるような文章を書くのがよい。
文章を書く目的は、自分の知識を誇るためであってはいけない。
ましてや自分の能力を誇るためであってもいけない。
文章とは、 自分の知識や能力を使って、 他の人を助けるために書くべきだ。


■ この構造を解説すると以下のごとくです。

知識を持っていて文章を書けるような人は(メイン主語)、教えるような文章を書くのがよい(メイン述語)。
すなわち(述語の言い換え)、自分の知識を他の人に伝えるような文章を書くのがよい(韻を踏んで同じ内容と理解させる)。
文章を書く目的は(以下の例えをまとめるわかりやすい並列の上層概念.「その目的」でも十分通じるけど敢えてくどく.)、
自分の知識を誇るためであってはいけない。 (間違った目的の例)
ましてや、(言い換えの接続語.ちょっと後者につよい優越関係がつくけどそこは大目にみる)自分の能力を誇るためで(間違った目的の言い換え)であってもいけない。
文章とは(肯定に差し戻すために主語を手前にもってきた.人によっては賛否あると思う.)、 自分の知識や能力を使って、 他の人を助けるために書くべきだ。(メイン目的)

 私個人だったらここまでくどくは書かないと思う.けど,「わかりやすく」「短く」だったらこのくらい.



■■■さて,みんなの回答をみるよ!

■ わわわ,すごいバリエーションだ!
元の文にこだわりすぎなくても良かったのか!

そして「原文に忠実ならば」こう、「でも私ならこう書く」と2つ作れば良かったのか!なるほどーー.

「である」調から「ですます」調に直した人も多かったのね.

■「柴田純一さん」の解答が一番近かったかな.「ましてや」という表現(これはちょっと自分でも思いきってみた)を同じように使ってらした.

自分の知識を文章で表現しようとする人は、それを他の人に教える ように書くのがよいでしょう。つまり、自分の知識を他の人に伝え るように書くのです。しかしそれは、自分の知識を誇るのが目的で はありません。ましてや、自分の能力を誇るためでもありません。 自分の知識や能力を使って、他の人を助けるために書くのです。(原文を生かしたVer)

■「山羊さん」の解答 もちょっと似ていた

ステップ1:短文への分解
知識を持っていて文章をかけるような人は、教えるような文章を書くのがよい。 自分の知識を他の人に伝える文章を書くのがよい。 そのような文章は、自分の知識を誇る目的で書く文章ではない。 自分の能力を誇るために書く文章でもない。 自分の知識や能力を使って、他の人を助けるために書く文章だ。


■前述のおふたり(+α)は...

彩郎さんの回答は(その1)は,すんごいこなれてて感動.特に後半が.私のは最後の「文章とは」が余計かも.(ちなみに書き直しバージョンより最初のが好き)

倉下さんのは,『文を短く』は「1文ずつを短く区切る」ではなく「全体として短く簡潔に」と理解されたんだ(私は前者だと思った.).やっぱり,_手直しバージョンで_コレ”(_)”を使われたのは,いかにも倉下文章らしいな、と思いました(^_^).

そしてこんな回答も → Twitter / finalvent

■んで,もいっかい私らしく(のびのびと)書いたらこうなった.

あなたの持っている知識を文章に書きあらわそうとするならば教えるような文章を目指すといいでしょう。
つまり、自分の知識を他の人に伝えるような文章です。
文章とは、自分の知識を誇るために書くものではありません。
ましてや、自分の能力を誇るためであってもいけません。
なぜなら、文章とは自分の知識や能力を使って、 他の人を助けるためのものであるべきだからです。

■やってみた感想

面白いです!
結城先生の回答も素敵ですが,読者の回答(そうきたか!)と,結城先生の添削が絶妙です.

やはり,説明文では,「それは」とかの指示語はあんまり使いたくないな(私のブログでは意図的によくタメとして使うけど)

最初すごく辛かったのですが,「基本に忠実な回答」と「私なりのアレンジ」があるとそれがまた面白い
彩郎さんのペースについて行けるか心配ですが,またチャレンジしたいと思います.

2回目がありますように!では!

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