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新卒3年目のスポーツブランドの中の人が #RWC2019 に向けたPJTを終えて感じたこと

はじめに

こんにちは。りょうへいです。今回は、RWC2019に向けたプロジェクトを進めてきたスポーツブランドの中の人として、大会を終えて感じたことを大きく下記の2種類に分けてまとめていきたいと思います。

・印象的だったこと(いくつか)
・一番強く感じたこと

(ウェールズラグビーのブランドフィルム:今回のPJTにおいて一番重要な動画です。スポーツが文化として根付くとはこういうことかと強く感じさせてくれます。)

印象的だったこと

1.『昨年10月以降のウェールズ代表ライセンスアイテム/カントリープライドのMDプラン/アロケーションプラン作成及び営業との連携』

MD(商品企画)の人たちってすごいなーと感じました。組織変更で担当が何回か変わっていますが、どの皆さんにもそのときそのときで大変お世話になりました。頭が上がりません。社内で色んな人に協力してもらっていますが、MDの皆さんにはほんとに感謝したいです。

2.『昨年10月以降のウェールズラグビー協会/UA英国支社との一連のやりとり(素材連携/情報連携)』

海外との連携は本当に大変でした。ちゃんとキャッチボールができるとすぐに「こいついいやつだな」と思ってしまいますし、返信が遅かったり、訊きたいことにまっすぐ答えてくれなかったりするとすぐ「なんであいつ返してこねーんだよ、社会人としてなってねーな」と思ってしまいます。(それでもまたちゃんと返してくれると「こいついいやつだな」と思ってしまいます。。自分がメンヘラみたい。。)

でも、基本的にはリスペクト持って接してくれるし、皆さん協力的でした。特に今回一番やりとりしているWRUのRhys Williamsさんはほんとに人格者でした。さすが元ウェールズ代表で、協会のBusiness Development Managerしてるだけあるなと思いました。この人はほんとに尊敬です。

あと、英語はちゃんと使えるようにならなくちゃいけないと思いました。ここはこちらが彼らに迷惑をかけているところです。引き続き頑張ります。

3.『7月ラグビーウェールズ交流プログラムin大分/熊本での物販』

営業の部署の人間が行った3月の「第2回ラグビーウェールズ交流プログラムin北九州」に関するその人の報告書に対してコメントをしたところ、

「議論はいくらでもできるので、現場に立って売ってみてください」

と言われました。もともと入社当初からあまり営業にもいったことがなく、営業の部署でもないので、これだけ「現場に立つことが重要だ」と言われている会社で、ほとんど現場に立ったことがないのは個人的にも引け目に感じていた部分でした。個人的には、営業には最大限のリスペクトを持ちつつ、注意を払って行動してきたつもりでしたが、ついに突っ込まれたのです。

そこで7月のラグビーウェールズ交流プログラムin大分/熊本の際には、きちんと現場に売りに行こうと決意しました。そうして7月、そのコメントを私に書いた人と物販に行きました。なんとなく想像していましたが、それを超えていかに商品を買ってもらうことが難しいか、ウェールズ代表が知られていないかが強くわかりました。この経験はその後のプランニングにも活かされていますし、消化/在庫の数字を追う意識と直営店/量販店の店舗スタッフとコミュニケーションをとる意識、その後も物販に行って商品を売りに行く意識につながっています。

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(交流プログラムの一環であるラグビークリニックの集合写真です。この赤いTシャツを作成したことも一体感の醸成につながりました。)

4.『7/7からのウェールズ代表ライセンスアイテムの展開/マーケティングキャンペーン開始』

PJTを進めていく上で本当に多くの人に動いてもらっているなーと感じました。このPJTをやるようになって、社内のいろんな部署の人と話すようになりましたし、普段社内で物事がどう動いているのかわかるようになりました。特に最初のアクティベーションを開始した7/7が近づくにつれて実感しました。皆さんの協力がないとPJTは進まないです。ほんとに感謝したいです。

5.『7月以降アディダスの完璧なマーケティングを見て衝撃を受ける』

詳細は別のnoteにまとめましたのでそちらをご覧ください。

当初からアディダスのオールブラックスを活用した一連のマーケティングはウォッチしていこうと思っていました。世界のスポーツ史上最も強いチームを活用してアディダスがどんな取り組みをするのか気になっていたからです。

ウェールズ代表より少し早く、7/1にオールブラックスはジャージを発表し、アディダスのマーケティングはそれを機にスタートしました。山本耀司デザインのジャパンインスピレーションなジャージ、オールブラックスライセンスアイテムの適切なMDプラン、デザインの凝ったカントリープライド、特集ページの世界観、統一されたクリエイティブ、ソーシャルメディアでの発信、イベントを絡めた販促キャンペーン、直営店でもWS先でも統一された売り場と販促物、、、現在の木梨憲武を中心としたアーティスティックなクリエイティブ/イベント、ハッシュタグまで凝ったソーシャルでの発信、直営店でのノベルティ・WS先での豪華景品を絡めた販促キャンペーン、伊勢丹でのPOPUPストア、、、挙げだしたらきりがありません。本当に隙がなく、統一感がある取り組みをされています。

確かに、ウェールズ代表とオールブラックスの世界におけるインパクト/日本における知名度を考えたら、アディダスがここまでするのも納得ですし、内ではウェールズ代表を中心としたRWC2019よりも、5年ぶりにセ・リーグを制したジャイアンツに力を入れた方がいいことは納得ですが、、、如何せん悔しいですね。アディダスはすごいです、尊敬します。

6. 『7月〜9月のキャンペーン施策実施を経て』

PJTにおけるプランは常に変化させながら実行していくものだということがよくわかりました。プランは固めて、実行して、おしまいじゃない。状況は刻一刻と変化していく。やることも、関わる人も、走りながら変化していく。そうあるべきなんだなと感じました。今後も目的達成に向けて、その場その場の状況に合わせて臨機応変に動けるように意識していきます。

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(9/16に北九州にて行われたウェールズ代表の公開練習の様子です。15,000人もの人々が集まりました。北九州の自治体の皆さんの努力の結果生まれた素晴らしい光景です。)

一番強く感じたこと

結論はこの一言に集約されます。

『マーケティングは商売=ビジネスそのものであり、一人ではできない』

世の中では『マーケティング=商売』とか、『マーケティング=ビジネスそのもの』とか言われていて、ビジネス界のマーケティングのプロたちも同じことを言っていると思います。自分でも確かに、大学時代に勉強したり、本や記事を読んだりして、マーケティングはいわゆるプロモーションに限らない事業活動全体のことだと頭ではわかっているものの、このPJTに取り組む前は実感がありませんでした。

それが、PJTを進めていくにつれて、これらの考え方が正しいということを強く感じるようになりました。今回のPJTは、RWC2019というスポーツの一大モーメントに合わせて、自社のブランド価値向上や売上増加につなげるために企画/実施しているものですが、その目的を達成するためには、商品を作って、人々に発信して、ブランド価値を向上させること/売ることが必要です。様々な粒度のプランを立て、予算を組み、スケジュールを組み、実行し、検証しながら進めていかなければなりません。まさに、マーケティングは『商売=ビジネスそのもの=事業活動全体』です。

そして、PJTを進めていくうちに、もう一つ重要なことを感じました。それはマーケティングは一人ではできないということです。上記のことを実行していくためには、商品企画/開発・生産/営業/カスタマーサービス/リテール/Ecom/デジタル/クリエイティブ/ソーシャルメディア/スポーツマーケティング/PRなど社内の様々な部署の、上は役員から下は一担当まで、あらゆる人の協力を得なければなりません。また、それだけではなく、今回でいえばウェールズラグビー協会/UA英国支社/北九州市をはじめとした各自治体/英国大使館のウェールズ政府/在留ウェールズコミュニティなどの社外/海外のステークホルダーとも連携していく必要があります。

このように多様な人たちの協力を得て初めて、商品を作って、人々に発信して、ブランド価値を向上させること/売ることができ、目的に向かって進んでいくことができます。当たり前と言えば当たり前ですが、それを実体験として強く感じることできたことはとても良かったです。

おわりに

RWC2019は終わりましたが、まだPJTは終わっていません。振り返りがあります。改善すべき課題はたくさんありましたし、今後に向けてやることはたくさんありますが、多くの人の協力に感謝してこれからも取り組んでいきます。引き続きよろしくお願いします。

(光栄なことにアンダーアーマー公式noteでも取り上げてもらいました。よければこちらもご覧ください。)


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