2019年4月統一地方選と差別・ヘイトスピーチについて

日本の差別が凄まじい勢いで社会に浸透している。量的にも、質的にも、悪化の一途をたどっている。

それを示すのが、2019年4月の地方統一選だ。この選挙で信じがたいほど酷い多数の差別がみられたのである。この選挙には、

・選挙を通じてヘイトスピーチを拡散する人物

・当選するために差別を活用する人物

・かつて酷い差別を繰り返したことがある人物

・差別政策をつくり、差別を煽動するために議員になろうとする人物

などが非常に多く見られた。つまり極右が政治に大挙進出している。

私たちARICが調査した結果、その数は10や20にとどまらない。軽く見積もって40数名を超える極右が選挙に立候補していることがわかったのである。

しかも落選したものも多いが、当選した者もかなり多いのである

選挙は最も公正さが問われる民主主義的手続きであるはずだ。絶対に不正や差別が起きてはならないはずの選挙で差別が蔓延してしまっている。この酷い実態を、何回かに分けてレポートしていきたい(記録も込めて)。

今回は、日本第一党の立候補者について。

日本第一党から12名の立候補者が出ている。全員が落選した。

日本第一党は「外国人に対する生活保護を廃止します」をはじめ、公然と排外主義を掲げる極右政党である。日本第一党の党首は元在特会会長の桜井誠であり、最高顧問は瀬戸弘幸というヒトラー礼賛本を書いた筋金入りのネオナチ活動家である。

簡単に日本第一党の成立経緯を書いておく。同党は2016年、在特会(在日特権を許さない市民の会)の創設者である桜井誠(本名、高田誠)が、在特会会長を引退したあとに立ち上げた政党である。当時在特会は、2013年以降のカウンター(非暴力直接行動で直接ヘイトスピーチ街宣をやめさせる活動)や反ヘイトスピーチの世論に押されたのに加え、組織内部の内紛、そして自らが犯したヘイトスピーチ/クライムに対する提訴問題、そして組織内部での金銭トラブルなどにより、従来通りの活動が困難になっていた。桜井誠はこれを好機とし、泥船と化した在特会を捨て去り、ヘイト街宣(と学習会)中心の活動から、合法的な選挙活動を通じて差別を煽動する新しい活動にシフトしたのだった

さて、2019年4月の地方統一選で立候補したのは下記の面々である。

中村和弘(日本第一党,神奈川県相模原市南区市議選)
井上晃佑(日本第一党,神奈川県相模原市緑区市議選)
古澤慎吾(日本第一党,神奈川県相模原市中央区市議選)
西山たけし(日本第一党,京都府京都市左京区市議選)
桑鶴和則(日本第一党,福岡県北九州市八幡西区県議選)
大木慶一(日本第一党党員(公認は受けていない様子),東京都中野区議選)
岡村幹雄(日本第一党,東京都八王子市議選)
朝倉しんのすけ(日本第一党,東京都調布市議選)
大村小太郎(日本第一党,東京都練馬区議選)
堀切笹美(日本第一党、日本国民党推薦,東京都新宿区議選)
大木しんいち(日本第一党,東京都国分寺市議選)
村上利一(日本第一党,大阪府八尾市議選)
小林宏助(日本第一党,大阪府藤井寺市議選)

かれらがかつてどのような差別、ヘイトスピーチ、人権侵害を行ってきたのか。記録も込めてここに公開しておこう。

(分析は次回にまわします)

中村和弘(日本第一党,神奈川県相模原市南区市議選)

2019年4月4日、相模原市相模大野駅前にて、反差別の横断幕を掲げたカウンターに対して日本第一党の運動員が複数で詰め寄り、罵倒を行っている。中村和弘氏も運動員と一緒にカウンターに対して詰め寄り、拡声器で以下のように威嚇し圧迫を加えた。

中村氏は下記のような移民排斥の主張をしている。

井上晃佑(日本第一党,神奈川県相模原市緑区市議選)

2019/2/24 相模原市での街宣。
19:32〜 外国人生活保護に反対する演説をおこなっている。
「生活保護の対象は日本人だけと憲法に明記されている」などという趣旨のデマを流布している。(20:45)
21:05〜 「外国人の人たちで生活保護を打ち切られて亡くなった事例は一回も聞いたことがない」などと発言しているがデマ。

21:48〜 中国人に対するヘイトスピーチがはじまる。

2018年10月3日橋本駅での街宣。

→00:30〜 外国人生活保護廃止を訴える演説
→4:32〜 外国人参政権への反対
→22:40〜 ヘイトスピーチ規制法への反対
→39:20〜 外国人に対する国民健康保険適用への反対


古澤慎吾(日本第一党,神奈川県相模原市中央区市議選)


西山たけし(日本第一党,京都府京都市左京区市議選)



桑鶴和則(日本第一党,福岡県北九州市八幡西区県議選)


大木慶一(日本第一党党員(公認は受けていない様子),東京都中野区議選)


岡村幹雄(日本第一党,東京都八王子市議選)


朝倉しんのすけ(日本第一党,東京都調布市議選)


大村小太郎(日本第一党,東京都練馬区議選)


堀切笹美(日本第一党、日本国民党推薦,東京都新宿区議選)

中国人増加が梅毒増加の原因だという非常に悪質なデマを繰り返す鈴木信行葛飾区議と非常に懇意です。


大木しんいち(日本第一党,東京都国分寺市議選)



村上利一(日本第一党,大阪府八尾市議選)


小林宏助(日本第一党,大阪府藤井寺市議選)




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