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ひとつひとつのぼる

ひとつひとつのぼる

思えば遠くへ来たもんだ。

頑是ない歌

思えば遠く来たもんだ
十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた
汽笛の湯気ゆげは今いづこ

雲の間に月はいて
それな汽笛を耳にすると
竦然しょうぜんとして身をすくめ
月はその時空にいた

それから何年経ったことか
汽笛の湯気を茫然ぼうぜんと
眼で追いかなしくなっていた
あの頃の俺はいまいづこ

今では女房子供持ち
思えば遠く来たもんだ
此この先まだまだ何時いつまでか
生きてゆくのであろうけど

生きてゆくのであろうけど
遠く経て来た日や夜よるの
あんまりこんなにこいしゅうては
なんだか自信が持てないよ

さりとて生きてゆく限り
結局我ン張る僕の性質さが
と思えばなんだか我ながら
いたわしいよなものですよ

考えてみればそれはまあ
結局我ン張るのだとして
昔恋しい時もあり そして
どうにかやってはゆくのでしょう

考えてみれば簡単だ
畢竟ひっきょう意志の問題だ
なんとかやるより仕方もない
やりさえすればよいのだと

思うけれどもそれもそれ
十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた
汽笛の湯気や今いづこ

頑是ない歌 中原中也

ちょうど1年前、この道を通った夜。

ちょうど一年前、ボクは後楽園ホールに居た。

船木誠勝vsケンドー・カシン

このシングルを目当てに、
このシングルのために来た。
船木誠勝とケンドー・カシンのシングル。
この話は『悪魔仮面』で

この日の第二試合は

ジャガー横田 雪妃真矢vs安納サオリ 青木いつ希

ジャガー横田 雪妃真矢vs安納サオリ 青木いつ希
のスペシャルタッグマッチだった。

なんの気なしに観ていていた試合であったが、
気になった選手がいた。
正確にはもともと興味のある選手だったので、
はじめて観ることが出来て、より気になった。

そんな感じで、その週末は横浜武道館へNOAHを観に行って、
拳王vsケンドー・カシンのGHCナショナル選手権を観に行くことになる。

それからDDTやまっするを観ることが連なる2021年であった。
大晦日は日本武道館でももいろ歌合戦、電流爆破。
セコンドにはケンドー・カシン
青木真也の表現を観た。

2022年1月3日

20220103新春興行
竹下幸之介vs青木真也

目当てはこの試合だ。

赤井沙希 勝俣瞬馬vs高梨将弘 雪妃真矢

あの日気になった選手は2022年からフリーランスになって、
この日初戦を迎えた。

気になっていた選手がDDTに定期参戦になって、正直嬉しかったし、
観れるチャンスが増えること、
次の1/7新宿FACE大会でも観れることをとても楽しみに思ったし、
ラッキーだと思った。

この日のチケットも手に入れることが出来ていて、
楽しみにしていた。

1月3日心機一転、DDTにも定期参戦することが決まり、
ボクは楽しみにしていた選手はその週のはじめの雰囲気と大きく違っていた。

DDTへの想い、赤井沙希への嫉妬を爆発させ、
シングルマッチへ対戦要求をすることとなる。

舞台はDDT旗揚げ25周年記念大会興行、両国国技館に決まった。

ボクはその場で両国のチケットを取ってしまった。
カードが全く決まっていないといっても等しい状況で
メインは1月3日青木真也選手に勝ったKO-D無差別級王者竹下幸之介選手と遠藤哲哉選手とのKO-D無差別級選手権試合が決まっていたが、
あまり胸が躍るものではなかった。

しかし、DDTへの想い、赤井沙希への嫉妬を爆発させた感情と
シングルマッチが決まったことが
ボクの気持ちを揺さぶったのだ。

参戦決定の歓迎ムードから一転、DDTを紅一点彩りを与え牽引してきた赤井沙希選手へ反旗を翻し対抗心と嫉妬心をぶつけた彼女に冷ややかさを感じるくらいであった。
ボクは嬉しさや喜びの感情があったが、多くのDDTのファンはそうではなかったのかもしれない。

その日の興行終了後、その選手は売店にひとり立っていた。
フリーランスの選手で身体ひとつで乗り込んできて、さらに寂しさやDDTファンの冷たさを感じるようであった。
その日、ボクは声をかける勇気がなかった。
気になっていたし、気になってしまったけれども、
声をかけずに帰ってしまった。
とても、後悔した。

今日はあの日のここでの後悔から一歩前進、ちょっと成長できた。

20220302

感情を揺さぶるのは勝った負けたじゃない。
お互いの存在を賭けたぶつかり合いなのだ

3月20日がより楽しみなのである。

この話はこんなところで

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