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言葉を編んでいく感覚

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以前まで『言葉を手にしていく感覚』というブログを書いていました。 http://ryohsblogtakk.blogspot.jp/ それを引き継ぐ形で、今後はこちらに私的な文… もっと読む
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記事一覧

適切なタイミングで、適切に一度死ぬこと。そして転生する

適切なタイミングで、適切に一度死ぬこと。そして転生する

生産としてのビジネス、作品としての本、趣味としてのポーカーツイッターで呟いたら、幻冬舎の箕輪さん、NewsPicksパブリッシングの井上さん、GOの三浦さんらが反応してくれた。

と、箕輪さんが投げかけてくれた言葉は、僕がケニアで暮らしの実験を始めてから、もやもやとしていた所在を見事に言語化してくれたように思う。

僕がケニアで晴耕雨読の生活を送っている間に、日本の出版、ひいてはメディア環境全般が

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努力の宛先

努力の宛先

アフリカでポーカー生活もいよいよ3年目に入ってもうかれこれ3年近く、ケニア・ナイロビをベースに、ダラダラとポーカーで生活費を稼ぎながら、読書をして暮らしている。

ポーカーは趣味として最適な道具であるものの、その活動を生活に基軸に据えると、無視しがたい精神的な矛盾を来たすのもまた事実である。

ポーカーは、テーブル上のプレイヤー間で行われる金のゼロサムゲーム的な奪い合いである。それ以上でも以下でも

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ポーカーで食っていくには「能力」よりも「資質」が求められるのでは?という抽象論

ポーカーで食っていくには「能力」よりも「資質」が求められるのでは?という抽象論

ケニアでポーカーだけをして暮らすようになってから、早いものでもう1年半ほどが経とうとしている。

いま一度、立ち止まり、薄氷の上を歩きながらも、ここまで“ポーカーだけで”サバイブできた要因を振り返ってみたい(※なお、このnoteは家に居候させてもらっている起業家の河野さんとの対話から着想されたものであり、言語化したものであることを付記しておく)。

今回のnoteは、ポーカーの具体論にも突っ込んだ

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【予告】有料マガジン『世界を相対化する技術』を始めます

【予告】有料マガジン『世界を相対化する技術』を始めます

今日から日記を書き始めます。毎日書きます。

初回の配信は来週の今日【4月11日】を予定しております。

月に4回(それぞれ一週間分の日記を溜めたもの)を公開する月刊マガジン『世界を相対化する技術』です。

マガジン名は昨年末に公開した6.5万字からなる長大なnoteのタイトルを踏襲しようと思います。

このnoteでは、ぼくの生誕から、ケニアに至る現在までを、私小説のようにアメリカやアイスランド

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“速読”よりも大切なこと

“速読”よりも大切なこと

読書は「こなすもの」ではなく「味わうもの」なぜだか、インスタ経由で「読書」に関する質問を寄せられることが多い。

まず、多いのが「なんでそんなに速くたくさんの本を読めるんですか?」というもの。

まあ、まずぼくがケニアでネオニート的な暮らしをしているので、読書に充てられる絶対量が多いのは間違いなくあるだろう。

一方で、強く思うのは「そもそも、本を速く読む必要なんてあるんだっけ」ということだ。

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動作としての「読む」と「走る」

動作としての「読む」と「走る」

この二週間、動作として「読む」と「走る」しかしていない。

ポーカーが負け込みすぎて、しばし休息することにしたのだ。
今月が始まってから15連勝と、いままでにない破竹の勢いで勝ちまくっていたのだけれど、ある日を境に、1週間連続で負け込む事態に反転。

ピュアにポーカーを楽しむ気持ちも枯渇しそうになりそうだったので、いったん完全に稼働を止めてみることにした。

そんなわけで、やることと言えば「読む」

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なぜか焼肉系のYouTubeチャンネルにどハマりしている件

なぜか焼肉系のYouTubeチャンネルにどハマりしている件

岡田斗司夫さんが予測する2028年の世界像岡田斗司夫さんの『ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く』を読んだ。

表題になっているYouTubeの趨勢、もっといえばコンテンツプラットフォームの行方に割かれているのはせいぜい1〜2章ほどで、全体としてはAIを中心としたテクノロジーの進化によって社会はどう変わるのか、といったライトな未来予測本になっている。

2018年に発行されている

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10代で知りたかったお金の話を教えてくれる5冊

10代で知りたかったお金の話を教えてくれる5冊

広く言われるように、日本ではファイナンシャル・リテラシーに関する適切な公教育が行われていないため、資本主義とは何か、お金(貨幣)とは何か、お金をどうやって稼ぐか(あるいは運用するか)などに関する知識・価値観が人によってまちまちである。

今回のnoteでは「お金をどうやって稼ぐか(あるいは運用するか)」を軸に、5冊ほどの本を紹介できればと思いつつ、包括的に「マネー」を理解しようと思えば、もちろん資

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ちょっとした趣味としての総合格闘技:「ONE X」を終えて

ちょっとした趣味としての総合格闘技:「ONE X」を終えて

同居している河野さんの影響で、総合格闘技に興味を持つようになった。
最近のRIZINもPPVを購入しては、ライブで観戦するようになっている。

で、今回ONEの10周年記念興業「ONE X」があり、日本人選手も多数参戦とのことで、PPVを購入して、ほぼすべての試合を観た。

RIZINを筆頭に最近の総合格闘技は、YouTubeをはじめとしたSNSを活用したマーケティングが当たり前になりつつある。地

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ぼくらは言葉を食べて生きている

ぼくらは言葉を食べて生きている

思考の原型は、だれかの言葉によってできているボリボリと食べ砕き、ゴクゴクと飲み込んでいく。喉ごしよくスルスルと胃におさめられる言葉も、奥歯に引っかかるような言葉も、体に取り込んでいく。その滋味が、栄養が、血液に溶けて、全身に広がっていくのを感じる。

その繰り返しを経て、言葉が濾過されて、思考に至るイメージの断片が残ったり消えたりして、自分だけの言語=思考世界が形成されていく。

上記のnoteに

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自分のことを神だと信じ続ける人生はどう転ぶか

自分のことを神だと信じ続ける人生はどう転ぶか

カニエ・ウェストを21年間追い続けたドキュメンタリーを観た。

裏方のプロデューサーから自身が表舞台にラッパーとして立ち、アメリカを、世界を席巻していくリアルな成り上がりの物語がそこにはある。

けれど、このドキュメンタリーで結果的に主題となるのは、母との絆であり、ドキュメンタリーを撮影している親友との不安定で脆くてでも強固な友情であり、神との対話であり、影響力の怪物に飲み込まれそうになりながらも

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生活のモビリティを上げる

生活のモビリティを上げる

「職に就くのではなく、活動を束ねていく」という生きる上での大前提となるアイデアについて、以前「精神がゆるやかに死にゆくとき」というnoteで触れたことがある。

いまいまは、週7稼働で毎日ポーカーをしているけれど、思い切って金・土の二日(テーブルが盛り上がり、期待値が普段よりも高い)だけプレーする生活に切り替えることを検討している。最低限の生活費をキャッシュゲームで稼ぎつつ、残りの時間をすべて、創

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“期待値を高く見積りすぎない”という人生のコツ

“期待値を高く見積りすぎない”という人生のコツ

自分で会社をやっていたときの教訓をふと思い出す。

他者は変えられないけど、自分は常に変えられる。

だから、過度に他者が変わることを期待するのではなく、まずは自分が良い方向に変わる努力をする。その姿をみて、その他者が変わってくれれば、とささやかに祈る。それくらいしか、できることはない。

人生を賢く生きるコツとして、何事においても期待値を高く見積りすぎないことがあると思う。

韓国でベストセラー

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そもそも“メンタル”って鍛えられないよね、って話

そもそも“メンタル”って鍛えられないよね、って話

筋肉のアナロジーで心を語ることはできない『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』という本に、こんな記述があった。

ここで述べられている三つのポイントを眺めてみると、メンタルの強さを補強する状態の確保、物事の見方に整理されていることに気づく。

トレーニングによって筋肉は強化・肥大化させることが可能なのに対し、心をトレーニングすることは難しい。まして、こ

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