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カージナルスアレナドは誕生するのか

あけましておめでとうございます(もう2月)
完全に投稿頻度が年1回ペースになりつつありますRyoです。それでもnoteを読んでくださりありがとうございます。

今回のテーマは『セントルイス・カージナルスのノーラン・アレナドは実現するのか』です。昨オフからアレナドのトレード話が出ていますがこのトレード相手にカージナルスが候補にあり、しかも可能性が高い球団です。

このnoteのタイトルの写真はアレナドのカージナルスユニのコラ(@stlcardinalscenterさんのInstagramより)ですがかなり似合ってます。実力的には申し分ないアレナドがカージナルスに来るのは大変嬉しいですが、昨オフから話が出てるだけで実現するかは分からない状況です。そのためこのnoteは1カージナルスファンの妄言に近いですが、カージナルスアレナドは有り得るのかを記していきます。

1.ロッキーズとカージナルスの現在

このアレナドトレードが昨オフから話題になっていますが、カージナルス関係なく2019年にはアレナドのトレードの可能性を報じる記事が出ていました(Jason Catania, Thomas Harrigan and Andrew Simo , "6 Arenado trade proposals that could work")。

アレナドは2019年2月にロッキーズと8年総額2億6000万ドルの契約を結びました。この契約の中には全球団へのトレード拒否権と2021年終了後に契約破棄が出来るオプトアウトが含まれています。超大型契約であることに違いはなく、その契約に見合うような活躍をアレナドは2019年にしました。しかしチームは2019年は71勝91敗、2020年は26勝34敗で両年共に地区4位。このためアレナドのトレードはロッキーズの再建への足がかりになる一歩になりうると考えられます。

一方のカージナルスは2019年は地区優勝、2020年は地区2位と両年ともにポストシーズンに進出。しかしトップレベルのディフェンス力に対してオフェンスは全体下位レベルの貧打。この貧打の影響でここ2年のポストシーズンではワールドシリーズに進出していません。加えて正サードであったマット・カーペンターの年齢による成績低下でサードが弱点になりつつあります。サードの穴を埋め、かつチームの貧打を改善出来るアレナドはカージナルスにとってマッチする選手であり、何度も去年からロッキーズと話し合っていることが報じられています。実現すれば再建に足を踏み入れつつあるロッキーズと、貧打とサード問題を解消したいカージナルスの両球団の思惑が一致するようなトレードになります。

2.アレナド獲得のメリットデメリット

デメリットは無い最高のトレードと断言します。

というのは冗談ですがメリットの方が大きいトレードであることは間違いありません。考えられるデメリットは金銭面の圧迫と超打高環境のクアーズからの移籍による成績低下ですが、最悪のトレードにはならないでしょう。

金銭面に関してはカージナルスのモゼリアク野球部門社長が今オフは新型コロナウイルス感染爆発の影響による収入減からあまり金を使わないオフになると言っています。事実1月29日までにカージナルスが行ったことはベテランエースのウェインライトとの再契約くらいです。アレナドをトレードで獲得する場合はファウラーやカーペンターといった高年俸の選手をトレードパッケージに入れ、少しでも負担を軽減すると思われます(MLB.jp、『【MLB】カージナルスとロッキーズがアレナードのトレードを交渉中』)。

次に成績面のデメリットです。アレナドのロッキーズは、標高1600mにあり気圧が低く空気抵抗が少ない超打高球場のクアーズ・フィールドを本拠地としています。アレナドが打撃も超一流の成績を残しているのは本拠地の恩恵もあります。実際にアレナドのホームとアウェイの成績を比べてみると差があることが分かります(上ホーム、下アウェイ、fangraphsより)

年によってはアウェイで打率.250近く、OPSが.700台もあります。しかし確かにクアーズの恩恵を受けているとはいえアウェイでもしっかり成績を残しており、クアーズ専用打者とは思えません。K%が20%を超えているのは2018年のアウェイのみですし、他の打撃成績も悪くはありません。やや投高気味のカージナルス本拠地ブッシュ・スタジアムに移籍しても一流打者として活躍してくれると思います。

去年のアレナドの成績は怪我の影響もあり、これまでの年と比べると落ちました。ただ同じサード(候補)のカージナルスのカーペンターとエドマンの2020年成績と比べると

アレナド…48試合、182打数、打率.253、8HR、26打点、OPS.738(出塁率.303、長打率.434)

カーペンター…50試合、140打数、打率.186、4HR、24打点、OPS.640(出塁率.325、長打率.314)

エドマン…55試合、204打数、打率.250、5HR、26打点、OPS.685(出塁率.317、長打率.368)

本拠地の差があるとはいえサードの穴を解消してくれるのは間違いありません。万全のアレナドであれば更に活躍してカージナルスの貧打を解消してくれるでしょう。加えて8年連続ゴールドグラブ賞、8年で積み上げたDRSは120と彼の鉄壁の守備はカージナルスの強みであるディフェンスを更に強化させます。もし打撃が振るわなくてもより強固なディフェンスが築かれます。

以上のことからアレナド獲得はカージナルスにとって大きな補強となり、チームの勝利数アップに期待できます。ファーストはゴールドシュミット、サードはアレナドと元WBCアメリカ代表優勝コンビが強豪カージナルスで見れるのは激アツですし集客力アップにも繋がります。また今年で30歳と急激な劣化は考えにくい年齢です。過去にはロッキーズからアスレチックスを経てカージナルスに強打者のマット・ホリデイが移籍していますが、カージナルスに移籍した時の年齢が29歳とアレナドと近いです。ホリデイはカージナルスに約7年在籍しその期間は主力打者として活躍しました。アレナドがカージナルスに来る場合、ホリデイクラス以上の働きが期待出来ます。

メリット
・チームの問題である貧打と正サード不足の解消→ワールドシリーズ、ワールドチャンピオンに近くなる
・スーパースター獲得による集客力アップ

デメリット
・超大型契約による金銭的な問題
→トレードパッケージに高年俸の選手を入れる、またはカージナルスの高年俸選手の契約が切れる2021年オフを待つ
・クアーズからの移籍による成績低下
→アウェイでも打っている年がある。また、ホリデイやラメイヒューといったクアーズから移籍しながらも好成績を残す選手もいるためアレナドもこうなる可能性がある

3.考えられるトレードパッケージ

気になるのはいざトレードとなった時にカージナルス側が誰を出すかということです。前述のMLB.jpの記事では高年俸の選手+プロスペクト達という可能性を指摘していました。年俸や相手がアレナドという点を考えてもこの案だと自分も思います。去年の記事(Jon Paul Morosi, "Names discussed in Cards' Arenado bid (source)")にはロッキーズ側が上記のパッケージを主張していました。そのため、トレードを実現するならロッキーズのこの要求にカージナルス側が応える形になるでしょう。

カージナルスのプロスペクトの中で現在MLB全体ランキング100位以内なのはディラン・カールソン(13位、外野)、マシュー・リベラトーレ(37位、左投手)、ノーラン・ゴーマン(38位、サード)です。パッケージの中にはこの3人の内の誰かは入るでしょう。ただカールソンは去年メジャーデビュー。昇格直後こそは不振だったものの再昇格後はメジャーのレベルに適応し、ワイルドカードシリーズでは4番を任されました。カージナルスは外野の層が厚くない事を考えるとカールソンの放出はしないだろうと思います。となると完成度高い左腕となるリベラトーレか、荒削りながらトップクラスのパワーを持つゴーマンのどちらかが含まれるのではないかと思います。

現在カージナルスの球団内プロスペクトランキングには10位以内にジョーダン・ウォーカー(6位、サード)、メイスン・ウィン(7位、ショート/右投手)、ティンク・ヘンス(10位、右投手)の2020年高卒ドラフト組がいます。3人とも高卒で球団プロスペクトランキング上位とまだ未完成ながら将来性高い選手です。そのためトレードパッケージ内に入ることも有り得ます。

最後に高年俸の選手ですがファウラーかカーペンターになるでしょう。カーペンターは2年総額3900万ドル、ファウラーは5年総額8250万ドルとこの2人でチームのペイロールの約28%を占めています。しかし両選手は成績が落ちつつあり、年齢もベテランの域に入っています。モゼリアクがあまり金を使いたくないことを考えると高年俸の選手をパッケージに入れることで金銭的な負担を抑えるのではないかと思います。

以上から考えられるトレードが起こった場合のパッケージは高年俸のベテラン+2020年ドラフト組含めたトッププロスペクト2人+(トッププロスペクト1人の場合の追加のプロスペクト)の計3、4人くらいになるのではと思います。ですが去年のモロシ氏の記事の中にはダコタ・ハドソンやジャック・フラハティにロッキーズが興味を持っているという記述がありました。フラハティは若きエース候補、ハドソンは全体トップレベルのグラウンドボーラーと若いながらメジャーでの実績もある2人です。ハドソンは去年屈筋腱の怪我で45日ILへ入りシーズン途中で離脱していますが、フラハティやハドソンだけでなく若くしてメジャー経験のある選手もパッケージの中に入る可能性もあります。

4. カージナルスアレナドは誕生するのか

アレナドのトレードに関する話を書いてきました。ここでタイトルでもある『カージナルスアレナドは誕生するのか』、という問いに戻ります。個人的に100%ではありませんが誕生の可能性はあり、非現実的ではないと考えます。

実現するならトレードの可能性が高いですが、FAで獲得するという手段もあります。前述の通り、アレナドの契約には2021年シーズン終了後に契約破棄出来るオプトアウトの権利があります。同時にカージナルスはファウラー、ミラー、球団オプションではありますがカーペンターのチーム内高年俸の選手が2021年シーズン終了後にFAになります。こうなるとカージナルスは資金に余裕ができ、金銭的な問題は解決します。かつアレナドがオプトアウトすればアレナドを獲得しやすくなります。しかし、アレナドとのトレードは当然カージナルス以外の球団も興味を示しています。先に他球団に手を打たれてしまうと獲得の可能性が下がってしまうため、狙うなら今トレードでの方が確率は上がるでしょう。ただしアレナドの契約の中には全球団へのトレード拒否権があるため、まずはアレナドがトレードに合意する必要があります。

現在、トレードの話が出ているだけで実現はしないのではという声もあります。しかし、Twitterを見るとMLB関係者の中でもアレナドのトレード話が再燃しており期待するカージナルスファンも増えている現状です(球団の公式Twitterにアレナド獲得!のリプをするファンがいる程)。個人的にもアレナドの獲得には大賛成ですし、大型補強を行ってワールドチャンピオンになって欲しいです。ただアレナド1人でどうにかなる貧打ではないのも確かなので現有戦力、特に若手の覚醒にも期待したいです。アレナドの動向にも注目していきたいです。

最後にアレナドを獲得し、ウォンとモリーナが戻ってきた場合のカージナルスのオーダー予想です

4.ウォン
9.エドマン/カールソン
3.ゴールドシュミット
5.アレナド
6.デヨング
2.モリーナ
7.オニール
8.カールソン/ベイダー

ユーティリティ…エドマン

ウォンが戻ってこなければセカンドにエドマン、モリーナが戻ってこなければ有望株のキズナーが入ると思われます。このオーダー、若手次第でワールドシリーズいけるのでは?

※1月30日にアレナドトレード決定!!きました!!!

引用
Jason Catania, Thomas Harrigan and Andrew Simo , "6 Arenado trade proposals that could work", https://www.google.co.jp/amp/s/www.mlb.com/amp/news/nolan-arenado-trade-proposals.html

Jon Paul Morosi, "Names discussed in Cards' Arenado bid (source)", https://www.mlb.com/amp/news/nolan-arenado-trade-talk-exchanged-names.html?__twitter_impression=true

MLB.jp、『【MLB】カージナルスとロッキーズがアレナードのトレードを交渉中』、https://news.yahoo.co.jp/articles/c6613edb28d1ec2594793143b37060f75d05d4d6

成績関連…FanGraphs, https://www.fangraphs.com

契約関連…spotrac, https://www.spotrac.com

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