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【MLB開幕】2020 St.Louis Cardinals

本日からMLBが開幕となりました。あけましておめでとうございます。

セントルイス・カージナルスのシーズン開幕は明日ということで、今回は今年のカージナルスの戦力を紹介していきます。シカゴ・カブスのダルビッシュ有、シンシナティ・レッズの秋山翔吾のおかげ(?)で日本のメディア露出が増えるであろうカージナルス。自分自身、専門家でも記者でもありませんがこれを見て観戦する際に参考にしていただければ幸いです。

1.戦力のIn&Out(マイナーリーグ選手除く)

In
アダム・ウェインライト…再契約
金廣鉉…KBOからのポスティングで移籍
オースティン・ディーン…マーリンズからのトレードで移籍
マット・ウィータース…再契約
ブラッド・ミラー…FA
Out
マイケル・ワカ…FAでメッツへ
マーセル・オズーナ…FAでブレーブスへ
マイク・マイヤーズ…ウェーバー公示後エンゼルスと契約
ドミニク・レオン…DFA後インディアンスとマイナー契約
アドリス・ガルシア…金銭トレードでレンジャーズへ
ホゼ・マルティネス…トレードでレイズへ
ランディ・アロザレナ…トレードでレイズへ
ブレッド・セシル…リリース

カージナルスがオフに使った金額はMLB最低で積極的な補強とは言えません。ジョン・モゼリアクを始めフロントが若手に期待していることもあり、最小限に留まりました。FAとなったアダム・ウェインライトが再契約はカージナルスファンにとっては嬉しい情報でした。また手薄だった左投手を、日本でも知名度が高い韓国のエース金廣鉉の獲得で補強しました。オープン戦、練習試合では無失点と早くもMLBに適応しています。野手はマーリンズマイナーで頭角を現したオースティン・ディーン、ユーティリティープレイヤーのブラッド・ミラーを獲得しました。

課題の野手陣は去年チーム内でよく打っていたマーセル・オズーナ、ホゼ・マルティネスの放出により更に火力不足が懸念されます。期待の若手は多くハマれば大きいものの、60試合しかないこともあるので打てなければ去年より厳しい戦いとなるでしょう。

2.開幕ロースター発表

本日開幕ロースターが発表され以下の通りとなっています。

https://twitter.com/cardinals/status/1286363328818958336?s=21

トミー・ジョン手術を受けたブレビア、万全では無かったヒックスの両リリーフは今シーズン全休。ブラッド・ミラーは右足首の滑液包炎で故障者リスト入り。ガレーゴスは新型コロナウイルスの影響によるメキシコ出国遅れで調整が間に合わず開幕ロースター入りを果たしていません。アレックス・レイエス、ジェネシス・カブレラの若手投手両名は新型コロナウイルス陽性だったため調整が遅れています。

開幕ロースターは若いメンバーが目立つと個人的に思います。去年メジャーデビューしたヘルスリーやフェルナンデスやキズナー、トーマスやソーサに加えトレードで加入したディーンやマイナーからコディ・ウィットリーが開幕ロースター入りを果たしました。

3.投手陣

3.1 先発投手

先発ローテーション
ジャック・フラハティ(右)
アダム・ウェインライト(右)
ダコタ・ハドソン(右)
マイルズ・マイコラス(右)
カルロス・マルティネス(右)

先発ローテーションはこの5人となりました。そこにポンセデレオンやゴンバーといった先発、リリーフ両方こなせる投手がサブで控えるでしょう。

ローテーションは全員右投手ですがサイ・ヤング賞候補であるフラハティ、去年復活したベテランエースのウェインライト、MLB屈指のグラウンドボーラーで去年チーム最多勝のハドソン、日米で実績を残したマイコラス、フラハティ台頭前のエースであるマルティネスと役者が揃っています。特に去年クローザーだったマルティネスはオフやSTでの熱心な先発調整の結果、オープン戦や練習試合で好成績を残しました。個人的にはこのTSUNAMIの先発復帰はとても嬉しく、狙えるならタイトルを狙って欲しいとも思います。

3.2 リリーフ陣

ジョン・ガント(右)
アンドリュー・ミラー(左)
タイラー・ウェブ(左)
ライアン・ヘルスリー(右)
ダニエル・ポンセデレオン(右)
オースティン・ゴンバー(左)
ジュニアー・フェルナンデス(右)
コディ・ウィットリー(右)
金廣鉉(左)

左右、投球スタイル、若手からベテランまでバリエーション豊富となっているリリーフ陣。マルティネスが先発ローテーションに加わったため金廣鉉をクローザーにするとシルト監督が発表しました。金廣鉉の韓国でのセーブはレギュラーシーズンでは無く2010年と2018年のポストシーズンでそれぞれ1度ずつ、計2回のセーブのみです。ですがシルト監督は金廣鉉の左右両打者に対してのゴロ率の高さ、四球の少なさ、そして彼がこれまで経験した数々のレベルの高いシチュエーションでの経験値を評価しクローザーに抜擢しました。抜擢後初の試合となった昨日のロイヤルズとの練習試合では、3点リードの9回に登板し三者連続三振を奪い能力の高さを見せつけました。ガレーゴス復帰後もクローザーをするかは不明ですがクローザーに相応しい働きをするでしょう。

ブレビア、ヒックスが今シーズン全休により勝ちパターンの継投も去年と変わるものとなります。恐らくヘルスリー→ミラー→金廣鉉の継投になると思います。そこに去年64試合登板したガントや65試合登板したウェブが加わることでリリーフに更なる厚みが出ます。またジュニアー・フェルナンデスやウィットリーは若く才能ある投手のため今年フルシーズン経験し、未来のカージナルスブルペンを担って欲しいです。

4.野手陣

予想オーダー
1. 二 コルテン・ウォン(左)
2. 三 トミー・エドマン(両)
3. 一 ポール・ゴールドシュミット(右)
4. 遊 ポール・デヨング(右)
5. DH マット・カーペンター(左)
6. 捕 ヤディアー・モリーナ(右)
7. 右 デクスター・ファウラー(両)
8. 左 タイラー・オニール(右)
9. 中 ハリソン・ベイダー(右)

個人的な2020カージナルスの開幕予想オーダーです。紅白戦ではこのオーダーが2度あったためこれ、もしくはこれに近いオーダーが多くなると予想します。守備は去年MLBトップクラスの力を見せつけたので全く心配は無いです。

今年はナ・リーグもDHが使用可能となり、ここにはカーペンターが入る可能性が高いです。去年はキャリアワーストの成績で今年35歳になるカーペンターですが、STや練習試合の様子を見ると今年はやるのではないかと言われています。自分もカーペンターはカージナルス勝利のキーマンの1人と考えています。

個人的なもう1人のキーマンは今年27歳となるショートのデヨングです。去年は30HRを打ちMLBトップクラスの守備を見せながら、打率は.233と安定感に欠けました。更なる飛躍の年となる今年はオープン戦で12試合、打率.467、5HR、OPS1.471(出塁率.471、長打率1.000)の好成績を残しています。デヨングはメジャーデビューの2017年に108試合、打率.285、25HR、OPS.857(出塁率.325、長打率.532)という成績を残しており、守備に加え打撃の才能も優れているというのが分かります。オープン戦や練習試合の調子を維持し、飛躍の1年になれば攻守共にMLBNo.1ショートになり得る力を持っています。年齢的にも油が乗った時期になるので未来のカージナルスの新たな核となるような活躍に期待です。

オズーナやホゼマルの放出で外野の層は薄くなりました。オズーナが抜けた穴は真のマッチョマンであるオニール(↓)や去年試合数少ないながら好成績を残した走攻守揃ったトーマス、新加入のディーンの若手が埋めることに期待したいです。MLBトップクラスの守備を見せるベイダーも若く、これからの選手のため課題である打撃を改善しデヨングと共に攻守共にMLBトッププレーヤーとなって欲しいです。

全体プロスペクト17位、球団プロスペクト1位のディラン・カールソンは開幕ロースター入りは果たせませんでした。今年22歳となる両打ちのカールソンは打撃や選球眼に優れ今年のオープン戦では13試合、打率.313、0HR、OPS.919(出塁率.450、長打率.469)の好成績を残しました。夏季キャンプにも参加しロイヤルズとの練習試合にも出場しましたが、球団が彼の他の外野手がどのような働きをするか見たいため開幕ロースターには入りませんでした。もし彼らのうち誰かが怪我、不調ならば昇格がありえます。

カールソン自身は開幕ロースター入りしなかったことに対し、"I'm disappointed"とコメントしており自信があった事が分かります。その後"I know this is a business"と続いていることからカールソンにservice time(サービスタイム)の問題もあったのではないか?という声もあります。

サービスタイムは選手が25人ロースターに登録されている期間のことで172日分を1年とし、これが6年分になればFAとなる資格が与えられます。今年はシーズンが66日のため61日以上の登録でサービスタイムを得ることが出来ます。あえてメジャーデビューを遅らせることでサービスタイムが取得出来ず球団が保有を伸ばすということもでき、カブスのブライアントやブルージェイズのゲレーロJrに適用されました。しかしヒックスやエドマンの早期昇格を見てもカージナルスはサービスタイムによるFA取得の遅れは適用してきませんでした。外野の層が薄くカールソンが今年順調だったにも関わらずカールソンが開幕ロースター入りをしていないのは球団がカールソンの能力は本物と捉え、FA取得を遅らせた可能性もあります。カールソンはこれからスプリングフィールドでマイナーリーグの選手のキャンプに合流し、昇格の機会を待ちますがいつになるかは不明です。

終わりに

今年のナ・リーグ中地区はCINの大型補強により去年以上の激戦が予想されます。プレーオフ進出チーム数が拡大しているとはいえこの激戦区でカージナルスは勝ち続ける必要があります。投手は揃ってますが60試合と試合数が少ないため未知数な部分が多い野手はハマれば勝ちが見込めますが、去年並だと中々厳しい戦いとなるでしょう。日本メディアへの露出が増えるであろう今シーズンですがナ・リーグ中地区を制し、日本のファンにその古豪っぷりを見せつけて欲しいです。

ソース

As Cardinals finalize opening roster, Carlson 'disappointed' he's not on it but 'confident my time will come'、https://www.stltoday.com/sports/baseball/professional/birdland/as-cardinals-finalize-opening-roster-prospect-carlson-disappointed-hes-not-on-it-but-confident-my/article_248112de-352d-5203-8e0f-f22df1f698dd.amp.html?__twitter_impression=true

Inside MLB's 2020 season plan to play through a pandemic -- and where it could go wrong、https://www.espn.com/mlb/story/_/id/29362126/inside-mlb-2020-season-plan-play-pandemic-where-go-wrong

Martínez earns spot in Cardinals' rotation、https://www.mlb.com/news/carlos-martinez-earns-spot-in-cardinals-rotation


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