ryo_kameda

昭和46年生まれ。田舎の自営業者。

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最近の記事

本当のクオリアが何なのか、教えてくれよ。

1.クオリアという謎への招待1.1 「ばか」とクオリア 「ばか」という言葉を聞いて、あなたはどのような感情を抱くだろうか。怒り、悲しみ、恥ずかしさ、あるいは軽蔑や侮辱の念だろうか。おそらく、その感情は人によって、そして状況によって大きく異なるはずだ。 例えば、見知らぬ人から突然「ばか」と罵倒された時と、恋人が甘えるように「ばか」とつぶやいた時とでは、感じ方は大きく違うだろう。前者では怒りや不快感が募るかもしれない。一方、後者では微笑ましさや愛おしさを感じるかもしれない。

    • データからアートへ:創造性は組み合わせの妙

      先日、Twitterでひとつの投稿を目にした。主旨はこうだ。 ・AIの創造性は幻想である。 ・AIは学習データの組み合わせでアウトプットを生成しているだけ。 ・データは有限なので、いずれパターンは収束してしまう。 ・AIの創造性とは、性能の低さゆえに生じるハルシネーション。 ・AIの性能が上がると、より最適な回答を出力するようになる。 ・その結果、出力のバリエーションは逆に減る。 なるほど。確かに一理あるようにも思える。 一般に、創造性というと「0から1を生み出す能力」

      • 四月馬鹿の話

        エイプリールフール、だそうです。 ということで、ぼくのウソをお聞き下さい。 「馬鹿」って言葉の由来をご存知でしょうか。 Wikipediaをみると、現在7つほどの説が掲載されています。 かつて、ここにぼくの説も載っていた、というよりも、ぼくの言葉がそのまま語源とされていたことがありました。 1995年より少し前、だったと思います。正確な日時は記憶していませんが、ともかく、当時はまだインターネットよりも、パソコン通信でのやり取りが主流でした。そんなパソコン通信上でのやりとり

        • 成田悠輔に悪意の一票を

          まずはじめに断っておきたいのですが、このテキストは成田悠輔の擁護を目的としたものです。その試みが上手くいったかどうかはさておき、それを目指して書きました。ですので、それを承知でお読み下さい。 本稿では、以下の流れで成田悠輔の発言について考察します。 「集団自決」発言の不適切さ 発言の真意は高齢化問題ではなく世代交代にある 著書を踏まえれば、成田の真の関心は22世紀の民主主義のあり方にある 本質や真意とは関係なく言葉の表層に惑わされる人々の反応は、成田の主張する「無意

        本当のクオリアが何なのか、教えてくれよ。

          読書感想文「ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう」

          意識はアナログ 知識はデジタル「まえがき」を半分くらい読んで、「おもしろそう」「これなら読めそう」と。ところが、かなり難解。「まえがき」の最後に「哲学の本をまったく読んだことがない人には、この本の内容も、十分難しく感じられるだろう。」と書いてあった。 早々に投げ出すことを決めます。それでも最後くらいは読んでみよう。 ん? 「意識経験にかんする物理的な知識をどれだけ獲得しても、実際に意識経験を持たなければ知りえないことがある」(第7章第2節) そんなことはないだろう、とい

          読書感想文「ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう」

          「外れくじ」の重み ― 障がい者に押しつけられた不自由

          車椅子ユーザーの方が「イオンシネマで不適切な対応を受けた」としてSNSで告発。結果、イオンシネマは謝罪に追い込まれる、ということがありました。しかし、この一連の出来事に対するネットの反応が酷い。 投稿者への中傷が溢れかえっているのです。「車椅子ユーザーが過剰な要求をしている」「従業員に負担をかけすぎだ」など、一見もっともらしい意見も、よく読めば障がい者への無理解と偏見に満ちています。 しかもそのほとんどが、投稿者個人の資質や言動を問題視しています。 今年1月に起きた羽田

          「外れくじ」の重み ― 障がい者に押しつけられた不自由

          息子との幸福度バトル ~勝利の先に見えたもの~

          うちの息子ときたら、私にそっくりで議論好き。大学生になった息子は、春休みで帰省中なんだが、今日も、いつものように議論を吹っ掛けてきやがった。 息子の主張はこうだ。人生のピークを迎えたら、そのまま死んじまいたいらしい。でも、いつがピークなのかわからない。だから、麻薬で幸福度をマックスにして、そのタイミングで さよなら人生 ってわけ。あと、失敗や衰えが怖いから、早めに逃げ出したいとかなんとか言ってたっけ。 さあ、論争スタート。 人生は株式相場じゃない。毎日の幸福度を決算する

          息子との幸福度バトル ~勝利の先に見えたもの~

          新しい駒ヶ根のリーダーズ

          写真が出回っちゃったので、もう隠し通せません。はい、駒ヶ根市長選、私の一票は剛也に行きます。理由?単純明快、彼は私の友人だからです。 ただ、アンビバレントな思いは友情にはつきもの。実際、剛也と私の間には、様々な面で大きな隔たりがあります。 剛也はコンサバだけれど、私はリベラル。 彼は大衆主義で、ぼくはエリート主義。 アイツはジュビロ、オレはエスパルス。 要するに、私たちは正反対。でも、そういう違いを越えても、剛也に投票します。なぜか?そう、友人だからです。 彼が当選しよ

          新しい駒ヶ根のリーダーズ

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          イギリスでスナップ撮影

          イギリスでスナップ撮影

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          イギリスはメシマズ国?

          一週間ほど、イギリスを旅してきた。 イギリスと言えば「メシマズ国」と言われる。 渡英前はずいぶん心配した。一週間とは言え、食べるものなかったらヤダな、と。 結論から言うと、おいしくないものもあるけれど、全体的には結構おいしい。日本の方がおいしいと思うが、それは「ホームアドバンテージ(慣れの問題)」と言われれば、まあそうかも、と思える程度の差だ。 個別に見ていこう。 ハッシュドポテトがおいしい。私が生まれて初めてハッシュドポテトを食べたのは、日本のマクドナルドの「朝マック」

          イギリスはメシマズ国?

          Thank you for waiting.(←旅行中に覚えた)

          2023年12月8日から14日まで、イギリスに行ってきた。10月から、娘が留学中なのだ。 帰宅後、インフルエンザで一週間寝込む。 記憶がだいぶ薄れてしまった。 12月7日は木曜日。平日なので、職場は通常営業。18時閉店で19時出発、というのは、無理のない予定だ。が、こんな日に限って、閉店が19時にずれ込む。少し慌てるけれど、それでもかなり余裕を持った計画ではある。 本当に慌てることになるのは、中央自動車道を運転中。「通行止め」の表示。夜間通行止めが本日まで、とのこと。知らな

          Thank you for waiting.(←旅行中に覚えた)

          読書感想文「失踪の社会学」

          読書感想文 「失踪の社会学」/中森弘樹/慶應義塾大学出版会 親密性と責任 本書ではまず、現代社会は自由であり不自由である、というパラドックスを指摘する。そして、その不自由さの原因は「親密なる者への責任」にあると結論づけられる。 私たちは日常生活において、責任という言葉を深く考えずに使いがちだ。 この本では、責任とは何であるかが丁寧に説明される。 責任という言葉の説明が、本書の最大のテーマというわけではないが、私としては、責任を「行為-因果モデル」「傷つきやすさを避けるモ

          読書感想文「失踪の社会学」

          彼こそが、力士。

          白鵬が引退。 朝から泣けてくる。 写真は5年前。 5年前も「すでにピークは過ぎた」と言われていて、そこから5年後、6場所休場明けの先場所が全勝優勝。 ものすごい気迫。あれにも涙が出た。 相撲とは元来、神事である。 大相撲が神事かは微妙ではあるけれど、少なくとも、その起源は神事だ。 神事としての相撲は、何を奉納しているのか? それは、勝ち星。 白鵬が、これまでのどの力士よりも崇め奉られるべきなのは、これまでにもっとも多くの勝ち星を奉納しているからだ。 しかし、とにかくクソ

          彼こそが、力士。

          さようなら、全てのエイガヒヒョウ。

          映画(に限らないようだが)批評が、嫌がられるそうだ。 とりわけ、辛口な批評は嫌われる。絶賛以外の批評は目にしたくない人が増えているんだとか。 ぼくは他人の批評を読むことが好きだ。 「なるほど、そういう視点があるのか」とか「この人は分かってないなぁ」とか思いながら読む。その批評が、賞賛であるか批判であるかは関係がない。 でも、自分の好きな作品が貶されるのが嫌だ、という気持ちも分からなくもない。そういう人はおそらく、観た映画の数が少ないのだ。100本、200本と観るにつれ、1

          さようなら、全てのエイガヒヒョウ。

          偏差値40の父親が娘を東大に合格させたたったひとつの方法

          鳶が鷹を生む娘が大学に合格した。東京大学。 父親のぼくは、城西大卒。 母親(つまりぼくの奥さん)は、日本女子大学を卒業。 城西大学をググってみると、偏差値は37.5。ぼくが入学したときは、もうちょっと高かった気もするんだけど。本女は55ですか。 そんなワケで、まさか娘が東大を受験することになるとは思っていなかったし、東大を目指すような準備をした憶えもない。 ぼくの勝手な希望としては、都立大学に進学して欲しかった。 都立大に行って宮台ゼミに入り、宮台をギャフンと言わせる。そ

          偏差値40の父親が娘を東大に合格させたたったひとつの方法

          推薦図書

          三作の本を紹介したい。 いずれも友人から紹介してもらったんだけど。 この三作の共通点。それは、推薦人にビル・ゲイツが名を連ねていること。 ぼくも推薦するよ。 ◆ 唐突に、まっちゃんからメッセージをもらう。いままでもらったことないのに。 「この本あうかも!」 「FACT FULNESS(ファクトフルネス)」/ハンス・ロスリング/日経BP社 早速買って来る。 机の上に置いてあったのを、娘がめざとく見付ける。 「この本どうしたの?」 「まっちゃんが紹介してくれた」 「

          推薦図書