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TEAM SHACHI TOUR 2021 ~東名阪でオトす!!~東京公演の感想


6月14日(月)に新木場USEN STUDIO COASTで「TEAM SHACHI TOUR 2021 ~東名阪でオトす!!~」が行われた。

このライブはもともと5月4日(祝)に予定されていたが、緊急事態宣言に伴い延期されたものだ。

タイトルの「オトす!!」とは、初めてTEAM SHACHIを見る人に好きになってもらい、10月24日(日)に予定されている横浜パシフィコでの大箱ライブにきてもらおうという趣旨だ。そのため、2部制のワンマイライブの前にはビギナーズライブと称された招待制のフリーライブも行われた。

平日の昼間だったこともあり、残念ながら僕は招待・参加が叶わなかった。予定通りGWに行われていたら…と思うと残念だが、4月末の急な緊急事態宣言によって延期を余儀なくされた中で、振替公演が平日となってしまったのは致し方ないことだと思う。混乱の中、代替の配信に振替公演にと様々な調整をして頂いたスタッフの方々に感謝したい。

ざっくりとした感想

最初にざっくりとした感想を書くと、1部2部ともに、ただただひたすらに楽しいライブだった。以下に詳しく書いていくが、結局のところ感想は全て「楽しかった」に集約される。

今回の席

これまで参加した2回のライブはともに後方の席だった。今回は1部は6列、2部も10列と比較的ステージに近い席だったため、ライブの数日前から楽しみでしょうがなかった。

実際に近くでパフォーマンスを見ると、メンバー・ブラス民ともに表情が良くわかり、振り付けも細かいところまで見ることができて感激した。後ろからでも楽しかったけれども、前で見ると楽しさの質が少し違うと感じた。

セットリスト

今回のセットリストは以下の通りだ。( / で区切っている曲は[1部/2部]を意味している。)

00. OVERTURE~ORCA
01. AWAKE(後)
02. こだま(後)/ ROSE FIGHTERS(後)
03. わたしフィーバー(後)/ Rock Away(後)
04. いけいけハリウッド(前)
05. いいくらし(前)
06. SURVIVOR SURVIVOR(後)
07. アイドンケア(前)/ Rocket Queen feat. MCU(後)
08. 耳をすませば(前)/ もーちょっと走れ!!!(前)
09. よろしく人類(前)/ カラカラ(前)
10. かなた(後)
11. HONEY(後)
12. BURNING FESTIVAL(前)/ こだま(後)
13. そこそこプレミアム(前)/ J.A.N.A.I.C.A.(前)
14. DREAMER(後)/ トリプルセブン(前)
15. START(前)/ DREAMER(後)
16. Rocket Queen feat. MCU(後)/ JIBUNGOTO(後)
<アンコール>
17. 抱きしめてアンセム(前)/ You!(後)
18. Today(後)
※ / で区切ってあるものは(1部/2部)

全18曲中、1部は改名前の曲が9曲、2部は改名前の曲が6曲。
個人的には11曲がライブ会場では初めて見る曲だった。

1部と2部で半数ほどの曲が異なり、OVERTUREも含めると合わせて27種類もの曲が披露された。メンバー・スタッフがいかに力を入れてセットリストを作りトレーニングしてきたか想像に難くない。

今回のライブでは「そこそこプレミアム」をやると予想してたので、1部の13曲目に「そこそこプレミアム」のイントロ前のフォーメーションを見たときには、伏線回収されたような気分に勝手に浸っていた。

個人的には「ちぐはぐ・ランナーズ・ハイ」が一番聴きたかった曲だったのだが今回も聴けなかったのが残念だった。はやく聴きたいな…。

また両部とも「MAMA」をやらなかったのは少し驚いた。「オトす!!」パワーのある曲だと思うので名阪では披露されるのではないかと思う。

今回のセットリストは大きく4つのパート+アンコールで構成されていた。
※パートのタイトルは筆者が勝手につけたものです。

①「This is TEAM SHACHIを表現しつつ最速でフロアをアゲる」パート
②「体を揺らせば楽しいじゃん!」パート
③「聴かせる」パート
④「踊る」パート
⑤アンコール

順番に見ていこう。

「This is TEAM SHACHIを表現しつつ最速でフロアをアゲる」パート(1~3曲目)

まず、今回のライブで素晴らしかったのは、何といっても最初の3曲だ。

目覚めの曲である「AWAKE」から始まり、1部は「こだま」「わたしフィーバー」、2部は「ROSE FIGHTERS」「Rock Away」と改名後の曲で畳み掛けた。

ライブを初めて見た人に対してThis is TEAM SHACHIを表現しつつ、フロアの熱量を最速で上げることに見事に成功、最初の3曲だけでも一つのライブかと思うほどだった。

個人的には1曲目に「AWAKE」がきたのは予想外だった。

それは、先日公開されたドキュメント映像に写り込んでいた、今回のライブの打ち合わせ資料を見ていたからだ。

2021-06-14感想_1

字が読み取りづらいが以下のように書いてある。

2.AWAKEをキラーソングにする為に山を作る

運営スタッフさんこれは意図的ですかね?すっかり騙されてしまいました。(いい意味で。)

思い返してみると「AWAKE」をキラーソングにするために山を作るというのは、5月16日のライブですでに実践されていた。ということは、上記の資料は今回のライブが延期する前のもので、緊急事態宣言に伴う延期を受けてセットリストを調整したのかもしれない。「AWAKE」を山に持ってくるのは「AWAKE」がリリースされて最初のライブ(5月16日のライブ)、今回はそうでないということだろう。

ともかく1曲目から「AWAKE」がきて、一気に気持ちが盛り上がったし、これは楽しいライブになるということを確信した。

※余談ですが「AWAKE」の「take it off! take it off!」のところ、何度聞いても「適当!適当!」って聞こえませんか。

続いて、1部は「こだま」「わたしフィーバー」、2部は「ROSE FIGHTERS」「Rock Away」が披露され、どれもめちゃくちゃ楽しかったのだが、ここでは「Rock Away」を取り上げたい。

最高に楽しかった「Rock Away」

この曲は2019年に日高央(THE STARBEMS)がロックフェスのアンセムとして提供した曲だ。

僕が初めて「Rock Away」を聴いたのは2020年7月の配信ライブZEROだった。当時、唯一知っていた「Rocket Queen feat. MCU」目当てで、外出中にスマホで音声だけ聴いていたように記憶している。

「Rock Away」は掛け声やブラスが特徴的ですぐに「Green Day」の「King For a Day」を連想した。特に間奏のコールアンドレスポンスの部分は以下のライブ映像にそっくりだ。

だけど「ライブでやったら楽しそう。でも、「Hey! Ho! Hey! Let's go!」っていってる割にはパンクな匂いはほとんどしないな。」というのが最初の感想で、何となく好きになれきれない曲だった。

※「Rock Away」の歌詞「Hey! Ho! Hey! Let's go!」は70年代パンクを代表するアメリカのバンド「Ramones」の「Blitzkrieg Bop」に出てくる歌詞「Hey, ho, let’s go」のパロディだ。Ramones「Blitzkrieg Bop」

ところが、ライブで初めて体験した「Rock Away」は最高に楽しかった。声は出せないものの、ステージとフロアのインタラクティブな一体感が強烈に感じられる。ブラスもめちゃくちゃカッコ良い。

インタビューを読んでも分かる通り「Rock Away」はそもそもパンクとして作られた曲ではないのだから、先入観はさっさと排しておくべきだったと反省している。

「Rock Away」最高だ!ありがとう日高さん!

こんなふうに、音源を聴いていてもあまりピンとこなかった楽曲がライブに行くと、好きになることがある。僕にとっては「Rock Away」以外にも「わたしフィーバー」「JUMP MAN」あたりがそうだった。

ちなみに「Rock Away」ではスタンドマイクも使用された。そして、スタンドマイクが使用される曲といえば、そう「ちぐはぐ・ランナーズ・ハイ」だ。スタンドマイクの登場により抱かれた淡い望みは、間奏前にスタッフにスタンドマイクを渡す様子を見て失われた。

②「体を揺らせば楽しいじゃん!」パート(4~7曲目)

一旦メンバーがはけ、ブラスによる短いフレーズが奏でられると、サングラスをかけたメンバーが登場し「いけいけハリウッド」が披露された。他の人の感想でもよく見かけたが、坂本遥奈のダンスの躍動感が凄かったし、サングラスが外れかけた咲良菜緒はチャーミングだった。

1部ではここから「いいくらし」→「SURVIVOR SURVIVOR」→「アイドンケア」と続く。

「いいくらし」は2014年、「SURVIVOR SURVIVOR」は2020年、「アイドンケア」は2014年と過去の曲で新しい曲を挟む構成になっていたのだが、これがまた最高に良かった。

「いいくらし」はPVでは見ていたが、ライブは初めてだった。EDMとブラスの音、メンバーとブラス民を含めた10人のフォーメーションがうまく融合し、もともとのちょっと不思議なダンスナンバーの雰囲気を保ちつつ、美しくカッコ良い雰囲気も出ていた。振りコピは最初はいまいちよくわからなかったのだが、数席前のタフ民の振りコピが完璧で、真似しているうちにだんだんできるようになった。

「SURVIVOR SURVIVOR」はもともとカッコ良い好きな曲だったが、2021年2月のライブでのバンド編成のパフォーマンスを見てさらに好きになった。今回はバンドではなかったが、爆音スピーカーから出る重低音に体を揺らせと命令されているようだった。個人的にはライブで聴いて最も魅力が増す曲だ。

「アイドンケア」は、かなたツアーの映像で見ていたためある程度見ていたがライブは初めてだった。先輩グループから振りを拝借している曲だという情報は知っていたが、どこがその振りなのかも元ネタがどんな振りなのかも全くわからない。でも歌詞にある通り「細かいことはアイドンケア〜」で適当に体を動かして楽しんだ。

3曲通じて、声が出せなくても、振りコピがわらなくても、単に体揺らせば楽しいじゃん、と感じられる最高のパートだった。

「聴かせる」パート(8~11曲目)

MCを挟んでゆったりした曲のパートへ。

8曲目は1部は「耳をすませば」、2部では「もーちょっと走れ!!!」だった。僕は両曲ともライブでは初めてだったが「耳をすませば」は昨年おうち時間LIVEのアーカイブで見たことがあった。「もーちょっと走れ」は最初期の曲で披露されたのは相当に久しぶりだったらしい。フロアからは(声にならない声で)どよめきが起こった。

M9は1部では「よろしく人類」、2部では「カラカラ」だった。

「よろしく人類」の前の曲が終わり、照明が暗くなる中、秋本帆華と咲良菜緒が向き合うシルエットが見え「よろしく人類」が歌われることを期待させると、「ハロー、ハロー」と歌声とともに、ピアノ(だったか記憶が定かではないが)でアレンジされたしっとりとしたオケが流れる。これが実に美しく冒頭から感動してしまった。

「カラカラ」はほとんどソロ曲といってもいいほど大黒柚姫のパートが多い曲だ。2020年にZEROでピアノ伴奏とともに披露された場面が思い起こされる。2部は衣装が異空間ツアーのものだったこともあり、映像でしか見れなかったZEROを目の前で見ていたらこんなふうだったのかもしれないと思わせるような場面が何回かあった。「カラカラ」と次の「かなた」が特にそう感じられた。

10曲目は「かなた」。今回は比較的前の席で見ることができたため、ダンスの細かさ、美しさが非常によく見えた。「かなた」の非常に複雑なダンスを踊りながら歌うメンバーの凄さを改めて実感する。

「かなた」は改名後の曲の中で最も万能、全方位の人が楽しめる曲だと思う。キラキラしたサウンド・ギター・ブラス・流れるようなダンス・大黒柚姫のハモリ・メンバーとブラス民計10人によるフォーメーションダンス・サウンドの強弱のなど要素が盛りだくさんだ。

ライブによって表情を変え、時にはアコースティック、時にはバンドアレンジがされたよりラウドな曲へと表情を変える。

「かなた」はラウドでポップなTEAM SHACHIの曲と、そうでない曲をグラデーションをかけるようにして繋ぐ橋のような役割を担っていると思う。「かなた」があるからセットリストに自然なメリハリを産むことができる。

11曲目は「HONEY」だった。聴かせるパートの締めという位置付けはおそらくツアーを通じてのこの曲の位置付けだろう。個人的な「HONEY」の好きなところは歌い出しだ。イントロからブラスと重低音のブラスがなっているところへ、咲良菜緒の高音のボーカルが一気に入ってくる。この瞬間が最高に気持ちよく、歌が始まった瞬間に最高の気持ちにさせてくれた。

「踊る」パート(12~16曲目)

短いMCとともに、「踊る準備はできているか?」と煽りとともにライブは後半戦を迎える。

後半戦は1部と2部でセトリが大きく異なったため別々に述べていく。

「踊る」パートの1部

1部の12曲目は「BURNING FESTIVAL」。パートのはじめは、だれでもわかりやすくノレる曲を選んでくる。試合巧者ぶりがよくわかる選曲だ。

M13は「そこそこプレミアム」だった。両曲とも披露は久しぶりとのことで、驚きと喜びで沸く様子が周りから伝わってきた。

マニフェストとしての「そこそこプレミアム」

今回のライブで必ず披露されると予想していたのがこの「そこそこプレミアム」だ。

「そこそこプレミアム」はベストアルバムの人気曲ランキングでも3位に入る人気曲だ。「俺の藤井2016」では先輩グループである私立恵比寿中学に土をつけるほどライブで盛り上がる曲でもある。

TEAM SHACHIは改名後初ライブの2018年10月24日、「そこそこプレミアム」のサビの歌詞に含まれる「そこそこしゃちほこプレミアム!」の部分を「そこそこしゃち(ピー音)プレミアム!」とアレンジして歌った。これは「チームしゃちほこ」の要素は封印していく、改名前の人気曲に頼らないというメッセージであり「しゃちほこ」は口にしないという暗黙の宣言だと受け取られた。

(もちろん、運営の意図はそうでなかったかもしれない。というかそうでないと思う。単にブラスアレンジとの相性が良い曲を優先しただけだと思っている。また、受け取る側もそう受け取った人ばかりではないだろう。)

その後もこの歌詞はライブごとにアレンジがなされたようだが(ZERO直前のコメンタリーによる。)、最近は披露されていなかった。

「TEAM SHACHI」が改名前の人気曲も積極的に取り入れ、「チームしゃちほこ」との融合を宣言するのであれば、改名前と改名後の分離もっとも象徴している「そこそこプレミアム」をオリジナル歌詞での披露する必要があったのだ。

5月16日のゼップ羽田のライブでは、「乙女受験戦争」「恋人はスナイパー」など、初期の人気曲を解禁し、歌詞に「しゃちほこ」と入っている箇所もオリジナル通り歌うことで、それまで封印してきた「チームしゃちほこ」時代の曲を積極的に取り入れていくことを表明した。

そして、この東名阪ツアーの初日で「そこそこプレミアム」を披露し、「TEAM SHACHI」と「チームしゃちほこ」との融合を高らかに宣言する。そんなストーリーだったら、10月24日の「はちゃめちゃパシフィコ」への期待はグッと高まる。

※同等のパワーのある「乙女受験戦争」と「恋人はスナイパー」はすでに5月16日に東京で披露されたため、同じく東京で行われる今回のライブではやはり「そこそこプレミアム」を披露すべきなのだ。ツアーの大阪・名古屋ではひょっとすると「乙女受験戦争」「恋人はスナイパー」の披露もあり得るとのではないだろうか。

そして、それは実際に行われた。1部だけであったが、はっきりと「そこそこしゃちほこプレミアム!」と何回も繰り返した。「しゃちほこって言っていんだ!過去を捨てる必要なんてなかったんだ!」と思った人は多いのではないだろうか。

豊洲の決意を思い起こさせた「DREAMER」と「START」

14曲目は「DREAMER」、15曲目は「START」だった。

この2曲は2021年2月20日のライブでアンコールの1曲目に披露された曲だった。2021年2月20日の豊洲PITのライブは、メンバー・ブラス民のコロナウィルス感染というアクシデントを乗り越え、10月のパシフィコでのライブ、その先の武道館への挑戦の想いをメンバーと観客で誓い合ったライブであった。そして、挑戦への思いを述べたMCのすぐ後に披露されたのがこの「DREAMER」「START」だった。

今回のライブでは衣装が豊洲PITのライブと同じ衣装だったこともあり、豊洲PITのライブでの決意表明と熱い気持ちを起こさせるグッとくるパートだった。

「START」では拳を上げる振りがたくさんあるのだが、ブラス民が楽器を持ちながらも振り上げてくれる拳が実に力強く、TEAMとしての一体感を感じられた。

最後16曲目はだれもが盛り上がれる、最も優しい上げ曲「Rocket Queen feat. MCU」で1部の本編は幕を閉じた。

「踊る」パートの2部

2部の12曲目は「 こだま」。ベースの音がめちゃくちゃかっこよく、TEAM SHACHIの全曲の中でもトップクラスに好きだ。2部では最初のパートで披露されなかったため、「こだま」はないと思っていただけに、冒頭のスキャットが始まったとき、心が飛び跳ねた。最高に楽しかった。

13曲目は「 J.A.N.A.I.C.A.」だった。これも意外な選曲で、イントロが流れたときフロアが驚いている雰囲気がわかった。曲調・歌詞・振りとお祭り感にあふれた楽しい曲で、ライブで聴くのは初めてだったがとても楽しかった。

周りが座ったことに驚いた「トリプルセブン」

14曲目は「トリプルセブン」だった。

これもまた意外な選曲で、イントロが流れたときフロアが驚いていた。2部では意外な選曲が多かったが、その中でも「トリプルセブン」はフロアが驚き喜んでいるように感じられた。

この曲のサビ後半では、メンバーに合わせてしゃがむ振りコピがある。僕は初めて聴く曲だったため、しゃがむ振りのことを知らず、サビの後半で周りのほぼ全員が急に座り出してめちゃくちゃビックリした。

15曲目はTEAM SHACHIの代名詞でもある曲「DREAMER」M16は昨年末にリリースした、イントロのブラスやサビのラウドな音が気持ちいい「JIBUNGOTO」で2部の本編は幕を閉じた。

⑤アンコール(17~18曲目)

1部のアンコール1曲目は突然のイントロの音ともにメンバーカラーの衣装で登場し「抱きしめてアンセム」が披露された。振りコピが楽しく、観客がステージを見ていない曲と言われているが、僕もアンセムを聴くのは3回目、少し余裕も出てきたので、ところどころメンバーのパフォーマンスもしっかり見ることができた。

2部のアンコール1曲目は「You!」だった。これは正直意外な選曲だった「You!」はミドルテンポのロックナンバーで振りコピも楽しい好きな曲だったので嬉しい誤算だった。

だが、そんなことよりもこの曲のイントロがかかったときに感じたのは「そういえば、瀬戸口さん来てるのかな…。きっと来てるよな。」ということだった。

瀬戸口さんとは、メンバーの大黒柚姫が毎週月曜日の21:00から行なっている「柚姫の部屋」という配信番組のMC的存在である。天然な大黒さんと、キレのあるツッコミを入れる瀬戸口さんのコンビが面白い番組だ。その瀬戸口さんがどこかで推し曲は「You!」だと言っていたのを思い出したのだ。

ライブがあったのは6月14日(月)、2部のアンコールは20:00頃だったろうか。通常であればあと1時間で配信が始まるタイミングで番組の開始を想起させる選曲。もしかしたら狙った?と思ってしまうほどだった。

そして、ライブ終了からたった1時間ほど後「柚姫の部屋」は配信された。ライブの直後に演者が生で感想戦をしてくれるとはなんという贅沢だろう。ビギナーズライブも含め3部のライブ、計40曲以上のパフォーマンスを行い、終演後すぐに生配信でその日の感想を行った大黒柚姫には驚嘆と感謝の念を禁じ得ない。

その「柚姫の部屋」は6月21日(月)23:30~に100回目の配信を予定している。見たことがある人もそうでない人も、節目の配信をぜひ見届けてほしい。

最後の曲、18曲目は1部2部ともに「Today」だった。2020年からライブの最後は必ず、秋本帆華の「みんなでこの曲を完成させたい。」というMCとともに「Today」を披露してきた。コロナ禍が収束し、声が出せるようになるまで、決してあきらめないことの表現として「Today」はこれからもライブの締めに歌われるのだろう。咲良菜緒が配信のたびにしばしば言っている「あきらめないからな!」この言葉を、タフ民(TEAM SHACHIのファンの総称)も胸に抱きながら、声を出せる日を願って大きく手を振った。

TEAM SHACHIのライブは疲れさせるライブ

TEAM SHACHIの曲は踊れるものが多く、ライブでは振りコピ(演者の振りつけを真似る。)を楽しんでいる人がたくさんいる。メンバーもTEAM SHACHIのライブは見ている人を疲れさせるライブだと言っている。

そこで、今回のライブでは1部のみ万歩計を装着してライブに参加してみた。結果は11942歩だった。

万歩計

全18曲だったから1曲あたり663歩である。運動不足の方、TEAM SHACHIのライブきたら運動できますよ。

1部と2部で大きく異なったセトリ

今回のライブは「東名阪でオトす」と名付けられてた、ビギナーをファンにするためのライブだった。

しかし、それだけではなくパシフィコ横浜公演に向けて、最近のTEAMとしての課題である「TEAM SHACHIとチームしゃちほこの融合」の実験としての要素も多かったように思う。

改めてセトリを見てみると、1部はビギナーズライブからの流れで見ている人向けに「ビギナーをオトす」ための初心者でもノりやすい曲。2部は昔からのファンにも向けて「TEAM SHACHIとチームしゃちほこの融合」をアピールすることに重点が置かれたセトリになっていたように思える。

例えば1部の「よろしく人類」はブラスの相性が良く僕が初めて聞いた時もTEAM SHACHIの曲だと思ったし、改名前初期の曲だと知った時は驚いた。また、有名な第九のフレーズが引用されていることもあり耳馴染みが良く、印象にも残りやすい。改名前からの選曲も「BURNING FESTIVAL」「START」のような比較的新しく、振りが簡単な曲が選ばれていたように思う。また、ビギナーズライブとの曲被りも2部と比べて1曲少なく、初めてきた人にたくさんの曲を聴いていってほしいという意図が感じられた。

一方で2部は「もーちょっと走れ!!!」「J.A.N.A.I.C.A.」「トリプルセブン」といった、久しぶりに披露した初期曲が多かった。これは5月16日のライブと同様、かつて「チームしゃちほこ」のライブに来たことがあるが現在は離れている人がターゲットになっていたのだろう。

最後のMC

2部最後のMCでは坂本遥奈が「J.A.N.A.I.C.A.」の以下の歌詞を取り上げて、今を楽しんで夢に向かっていくメンバーもタフ民も青春を過ごしていると語った。

やりたいことやりたいだけなのさむしろ誰よりも純粋
一生青春まだまだこれから人生に乾杯だ!
(J.N.A.I.C.A.より)

順番に話をしていくような場面ではなかったので、このMCはアドリブだったのかもしれない。確かに、この日のライブは上記の歌詞の内容そのままのような青春感のあるライブだった。何というべきか、高校時代の運動会で盛り上がっているような感覚、そんな楽しさだった。

TEAM SHACHIはメンバー自身も言っている通り、もう少しで(改名前から数えて)結成10周年、年齢も20代半ばも迎え、狭義での「青春」は当てはまらない時期に来ている。しかし「J.A.N.A.I.C.A.」の歌詞にあるように、坂本遥奈が言ったように、TEAM SHACHIに関わる人が、やりたいことを純粋に追求し、年齢に関係なくキラキラしている、そうやって少しでも長くTEAM SHACHIが続いてくれたら嬉しい。

以上、最初に言ったように感想は楽しかったに終始しているが、本当に楽しいライブだった。このブログを読んだ人がTEAM SHCAHIのライブに足を運ぶきっかけになってもらえたら嬉しく思う。

TEAM SHACHI 横浜パシフィコ公演特設サイト


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