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【桜の躍進】 2022/4/5 セレッソ大阪vs柏レイソル

▼ 2022/4/5(火)19時 kickoff
▼ ヨドコウ桜スタジアム
▽ セレッソ大阪 vs 柏レイソル

※試合内容から見たい方は目次のフォーメーションをクリックしてください

試合前情報

個の強さを持つレイソル

柏レイソルは現在6位。そこまで上位チームとは戦っていない印象。基本布陣は3-5-2(3-1-4-2)。前線のメンバーに個が強い選手が揃っており、外国人選手の調子もかなり良さそう。ボール保持ではサイドからの攻撃が主流だが、個の強さや小屋松のポジショニングで変化をつけてくる。あと戸嶋祥郎(としまさちろう)のシャツインは素敵

守備時は、前からハメにくるプレスが特徴的で、セレッソと似たような戦い方をしている印象。守り抜く時は最終ラインを5枚にするので、相手が前からきた時にいかにかいくぐれるか

前節のセレッソ

ルヴァン杯で大分トリニータ相手に6-1の大勝のあと、メンバーを変えても同じ戦い方で首位川崎フロンターレを撃破。FWのタスクが多いが、それをやり切り、ボランチも連動。最終ラインにヨニッチが入ったことで、ハイプレスの前線に合わせてハイラインをうまくしけたパーフェクトな試合。フロンターレ相手にこの勝利はチームに自信とさらなる強さをもたらすはず

小菊監督が望むフェアな競争が、これまでセレッソに足りなかったチーム内競争を良い循環で生んでいる。以下、小菊監督のインタビュー

――先発メンバーの入れ替えが激しい。
 「選手を正当に評価することを最も大事にしている。過去の実績や年齢は関係ない。同じスタートラインからの競争を求め、状態の良い選手を起用すると決めている。丸橋祐介、山中亮輔が左サイドバックで素晴らしい競争を見せ、前線の 上門知樹、山田寛人らの争いも激しい」
――ベンチ外だった選手を次戦で先発させたことも。
 「誰が出ても機能するチームを作るという信念の下、紅白戦などでも主力組、控え組をはっきり分けず、メンバーを意図的に交ぜて練習している。緊張感を生み出せているとの手応えがある」
 4/2 読売新聞オンライン  「緊張感生む選手起用」

フォーメーション

セレッソ4-4-2 柏レイソル3-4-2-1

■セレッソ大阪
スタメンは前節川崎戦と全く同じ。ベンチメンバーではメンデスに代わって北野颯太が入った。正直9人くらい変えてくると思ってただけに意外だった。ただ、連戦が始まったばかりで、気温の低いナイトゲーム、負けられないリーグ戦、というところでの選択だったのだろう
(試合後どうしても勝ちたかったと言っていた)

Q:前節から先発を変えなかったことは、前節の勢いを大切にした?
「そうですね。全員がいい準備をしてくれていた中で、いくつかのパターンはありましたが、川崎戦の試合内容、結果も踏まえ、また、あの試合では交代枠も全部使うことができたので、この2日間のトレーニングも疲労を見せずに活気あるトレーニングができました。メディカルスタッフ、フィジカルコーチからの情報も含めて、そのままの流れを継続しました」
試合後の小菊監督インタビュー

余談だが、小菊監督はメディアのインタビューで答えている内容の8割くらいの精度でスタメン予想が可能(山田・ヨニッチは先発と日刊スポーツで記事あり)

■柏レイソル
同じくレイソルも磐田戦と同じスタメン。ネルシーニョ監督ならやりかねないな、とも思ってたのでこちらは正解。ドウグラスは情報が見つからないが怪我?細谷は良くも悪くも自分でいく選手なので、それがどちらに転ぶか注目していた

前半

やりたいことができないセレッソ

中2日の決戦ながら絶対に負けられないという気持ちで、両チーム勢いのある試合の入り方をするが、前半途中からセレッソの思うような試合展開にさせてもらえなかった。特に柏の(セレッソ対策なのかどうかはわからないが)ハイプレスのかわし方が巧みだった

そもそもセレッソの戦い方は、まずはFWの運動量、次にFWのプレスバック
ということで下の過去記事でも「交代策」のところで書いていたが、中2日でFWのスタメン連続起用はきつい。そもそもFWは今シーズンあまりスタメン固定がなかった上に、あの川崎フロンターレ戦で走り切ったあとの好調な柏、とかなりハードなことは想像できたはず

ちなみに中原もさすがに出ずっぱりなのでミッドウィークは休ませて欲しかった(西尾も含め選手自身が出たいと言っているのかもしれないが)

柏レイソルの完成度

レイソルはチーム完成度が非常に高かった。攻撃面では、カップ戦含め、ほぼ同じメンバーで戦っているので連携がとれていることも一枚上手だった。
特に、①ボールを持った時の球離れの良さ、②勝負するところの判断/1vs1で抜き切る技術が素晴らしかった。失点シーンはまさにそこが詰まっていた

また守備時も寄せの速さが光る。ヨニッチに対してあんなに寄せるチームはあまり見たことがない。矢印という表現をしたが、上から見ると柏の選手がすごい勢いで寄せてくる上に、同じタイミングで複数人くるのでボール保持者はかなり焦った判断をせざるを得なかった

特に戸嶋はすごかった。奥埜もすごいが、戸嶋もいろんなシーンで顔を出しチャンスを作り、セレッソの攻撃の芽を潰していた

前半のセレッソ

まずは良かったところ。ジンヒョンのビッグセーブ、ヨニッチの安定感、松田陸が本来の力を取り戻してきた感、山田のシュートへの意識。あと、中原のコーナーキックの精度も良い

細かいところだと乾貴士のスローインのリスタートの早さも目立った。基本セレッソはスローインの逃げ道がほとんどない(相手に取られることが多い)ので、もう少し工夫してほしいが、今日の乾のリスタートは良かった

悪かった点では、とにかく精度が悪い。最前線へのパス、そこへの走り込み、選手同士の受け渡し、攻守のトランジションの遅さ。これは選手の問題ではなく連戦の疲労を考慮しなかった選手選考が原因だろう(セレッソはこれまで連戦はターンオーバーで乗り切っていた)。ただし柏も連戦

諸刃の剣・乾貴士

乾について前から思っていたこと。やはりスペインリーグで、アジア人最多出場記録保持者(166試合)は一味違う。今節もキーパスを送っていたが、一方で気持ちにすごいムラがある。相手のファールに対しては怒ってもいいと思うが(28分に怒っていたのも加藤が足をかけられたから?)、味方のパスがずれた時にはマイナスなリアクションをせずに追いかけてほしい

最近はカードをもらうことも少なくなったが、負けてる時にカードをもらってしまうと、(清武が離脱中の今は特に)セレッソで重要なゲームメーカーがいなくなってしまうので、子供たちが憧れる永遠のサッカー少年としてもっとサッカーを楽しんでほしい。頼みます、桜の8番

少ない手数でやられ失点

24分の失点。このシーン30回くらい見直した
乾のところで奪われてはいるが、加藤が後ろで三丸にかかとを踏まれていたのでファールかな?と思った(その後の奥埜もファール)。それは抜きにしてもお見事なゴール

柏が関わったのは3人だけ。乾を止めた大南、マテウス・サヴィオ、細谷。注意していた少ない手数のカウンターでやられた。このシーンもちろんレイソルの連携と球離れが良かったが、全体的にセレッソの選手は飛び込みすぎ&マークの受け渡しが不注意だった。順番にみていく

  1. まず、原川は急にボールがきたので(QBK/違う)寄せに行った→間違いではない

  2. 大南に対応した山中 → ファールしてでも止めれたんじゃない?
     少なくともFC東京や浦和なら止めていた

  3. 大南について潰した奥埜 → 陸がサヴィオ側にいたので2vs2の状況をつくるためにリトリート(正解)

  4. 間に合わずスライディングした陸 →多分あの場面で足に行くとカード対象(この日の審判なら一発レッドもあり得た)。この時間帯というところと後ろに西尾とヨニッチがいたので無難な判断

  5. 一発で抜かれた西尾 →最近のデータが入っていればリトリートできたのでは?もちろんサヴィオの判断も素晴らしいが、ヨニッチもいて山中も戻ってきていたので2vs2ないし3vs2の状況をつくって欲しかった

  6. 1vs2の対応をしたヨニッチ → 完全に中を切ってジンヒョンと1vs1の状況を作り出せばわからなかったが、ここまで全員が後手の対応を踏んでいる上に1vs2なので無理ゲー

  7. 細谷を追いかける山中 →しっかりとここまで戻ってきているが、誰も相手を遅らせることができずにいたので間に合わず

  8. ジンヒョン → これは流石に止められない

こんなにきれいにやられたのは久しぶり。前からの守備の意識が高すぎて狙い通りのカウンターを受けてしまった

後半

変化をつけた後半

後半開始から北野を投入したセレッソ。ボール非保持では意識的に前から出ていき、ボール保持では柏と同じように逆サイドを使うようになってから息を吹き返し、狙った攻撃もできるようになってきた

地味ではあるが、山中や松田陸の相手が前から来た時のリスク回避(安全にキーパーへ逃げる)も良かった

空気を変えるジェアン

61分。乾にかえてジェアン・パトリッキを投入。最近のセレッソには少なかった、出てきたら怖い選手(横浜のアンデルソン・ロペス、川崎のレアンドロ・ダミアンなど)になり得そう。
63分、山中の1本のパスからいきなりスピードでチャンスを創出し、アシスト未遂をするなど、助っ人外国人としての勢いをチームにもたらした

ただ、山中との守備連携はあまり取れていないところもあり、「その場面で靴紐結ぶ?」って笑うタイミングもつくっちゃうのがご愛嬌

試合の運び方

後半は、相手がどこに密集しているか、場面場面の判断が求められる非常に難しいゲーム。セレッソはチャンスを作るも仕留めきれず、チームとしては1点リードの柏がシンプルなプレーを選択し、積極的に時間を使っていた

柏はセットすると5-4-1のブロックをしいていたので、その中でもフィニッシュまで持っていく精度とアイデアが欲しかった。それはゲームメーカーの乾が抜けたこともあるが、パトリッキとFW2人がどういう形でフィニッシュを目指すかがあまり見えなかったことも要因か

試合終了

チーム力の差で惜敗

シンプルな感想、ボール保持のレイソルの判断が良かった。とにかく、①ボールを持った時の球離れの良さ、②勝負するところの判断/1vs1で抜き切る技術、これに尽きる

セレッソは負けはしたが、チームとしての完成度は徐々に高まっているためそこまで悲観する内容でもない。どちらかというとチームマネジメント的な問題で、この段階でまだまだ課題があることが発見できたのは良かった

ただ、コーナーキックが8本もあったのにあまり得点機会はなかったのはもったいなかった。セレッソの選手の能力は非常に高いので、チーム戦術だけでなく、そこのストロングを活かしたゴールへの手段をもっと増やして欲しい

▼現在のセレッソの選手で思いつくゴールまでの攻撃の手段(怪我人除く)は以下の表
上門、山中の個人技も活かして欲しいし、フリーキックの回数を増やすために被ファールを狙いに行ってもいいと思う

実行は試合でよく見るか、の判断基準(出場機会が少ないことも含む)

実力8割、運2割

川崎戦の時も書こうか悩んだが、いつも以上に主観的なことを述べさせてもらうと、サッカーは割と運要素のあるゲームだと思っている

実力7~9割?残りは運。天候、審判、怪我人、ポストのどちらに当たるか、ディフレクション、そういった運要素を踏まえて、勝ち試合でも落とすことはある

レイソルにもチャンスはあったが、50分の山田のゴール(オフサイド)、63分のパトリッキの仕掛け、その後の西尾のヘディング、など1本でも入っていれば流れは変わっていたかもしれない(もちろん川崎戦もマルシーニョが決めていればわからなかった)

運も味方につけつつ、いかに実力の部分で勝率を高めていくか

とはいえ、やりたいことは以前に比べて見えてきた。なんの因果か、次はロティーナ監督就任疑惑の神戸。連戦が続いた中、どういったメンバーで行くのか
まだまだ4月連戦が楽しみなセレッソを応援したい

ご覧いただきありがとうございました。勝っても負けても引き分けても、あくまでも前向きに。セレッソの良かったところと悪かったところについて書いてみます

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