スポーツ通訳は将棋の一手

noteデビューの投稿が有難いことに編集部おすすめに選んでいただき、多くの方々にスキを押してもらいました。そのため2つ目の投稿が非常に書きづらくなってしまいました。笑

そのため気軽に書けるテーマとして、私が職業としてきたスポーツ通訳について知ってもらえたらなと思います。

先を読む事を求められる職業

ある選手の通訳を担当する事が決まった時、「常に先の先を読んで行動して欲しい」と言われた事があります。

当時まだ若かった私はそんな超能力者みたいな事できるか!?と思いましたがその言葉が不思議と今でも心に残り続けています。

スポーツの現場での通訳とは選手または監督と(気持ちは)一心同体となり、相手が思う事を適切に伝える必要があります。そのため将棋の一手のように先を先を読み続け、それを行動で表現したり、または通訳する時に発揮したりすることが求められます。

「三手の読み」の考え方


日本将棋用語辞典によれば、将棋における「三手の読み」とは、

”読みの基本的な考え方で、「自分がこう指す。すると相手はこう指してくる。そこでこちらはこう指す」
というように、三手先まで読んで次の一手を指すこと。故原田泰夫九段の言葉”

日本を代表するプロ棋士である羽生善治氏もTED×TOKYOで三手の読みについて語っています。 

自分がこうする、こうしたいは自分の意志で決まるが、物事の対象は予想しなくてはならない相手の立場に立って相手の価値観で判断しなくてはいけない。

だけど大抵の人は自分の価値観で物事を判断してしまっているのではないでしょうか。私も通訳時代の自分の行動を振り返っても反省すべき点が多くありますが、人の口となり、人の耳となる事が仕事である通訳は相手の立場に立つ事が常に求められます。

この考え方はおそらく将棋だけでなくても、囲碁やチェスや日常的にも色んな場面で必要とされる”能力”なのではないでしょうか。

先生は生徒の価値観で物事を考え、医者は患者の価値観で物事を考える事が必要とされる場面など色んな職業にも置き換える事が出来ると思います。

通訳が得る付加価値とは

近年はプロ野球、Jリーグ、Bリーグ、さらにはメジャーリーグでも日英通訳の募集が一般的に公募される時代となりました。

全体的な海外への留学生の減少、そしてスポーツ通訳のパイが広がった事で公募をしても満足の出来る応募者数が届かなくなってきているようです。さらには長らく未知とされていたスポーツ業界で働く道がより開放されてきた事で通訳という特殊な入り口に頼る必要もなくなったと言えるかもしれません。

ですがスポーツの現場での通訳という仕事を通じて得る事の出来る”能力”は数多く存在します。1つの投稿では全てを語り尽くすことは出来ませんが、どんな仕事にも応用出来る「先を読む力」というのは通訳という仕事を終えてもいずれはなんらかの役には立つのではないかと思います。ただ言語を訳すだけではないそんな職業に興味ある人はぜひチャレンジしてみてください。

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新川 諒

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