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プラモデル製作記 MPC 1/72 F-86D

MPCの「1/72 F-86D Sabre」を作りました。
「F-86D」は、初期のジェット戦闘機「F-86 セイバー」の派生型の一つで、機首にレーダーを備えた全天候戦闘機です。黒いレドームが犬の鼻のように見えることから「セイバードッグ」とも呼ばれていました。
米軍から供与された機体が航空自衛隊にも配備されていたため、現在でも日本各地で展示されている機体を見ることができます。

MPC F-86D Sabre

さて、今回のキットのメーカーは「MPC」。型番は「1-4101」でしょうか。箱には「78-4101-202」、デカールには「18-4101-006」と振られています。
私もこのキットを手にしていなければ、このメーカーは知りませんでした。調べると「Model Products Corporation」の略で、アメリカのメーカー。車のプラモデルが中心で、1/72の航空機はAIRFIXのOEMだそうです。確かに検索するとAIRFIXの箱で中身が同じものが引っかかります。箱絵はオリジナルのようです。
「未チェックの為特価品」とあり、リサイクル店で安いものを見つけて「1/72のセイバードッグだ珍しい」くらいの感覚で買ったのですが、どこかの模型店の長期在庫かコレクション品が中古として売られたのではと思います。

ちなみに、1/72のF-86Dのキットはハセガワから2023年10月中に航空自衛隊デカールで定番品が出ていますので、これから作りたい方はこちらのキットがいいかと思います。

成形色はシルバーで、そのまま組んでもそれらしくなるようになっています。作っていて、気になったのはバリの多さ。ちょっと反りもあるようで、古さを考えると仕方ないかと思います。胴体裏に刻印がありました。1975年だそうです。

1975年の刻印

このあたりの年代だと、通常の接着剤で固めてから削るのが正しいのかなという気がします。モールドはシンプルな凸ながらも意外にも繊細なので、なるべくパテを使わずに活かしたいところ。
これは製作途中のシンプルなコックピット周り。お盆にご先祖様が乗ってそうな形状でどこかユーモラスです。

ユーモラスなコックピット周り

完成写真はこちら。

完成写真

背景は「紙模型工房」様の「背景支援」を使用しております。

F-86Dの唯一の武装「マイティ・マウス (Mk4 FFAR) ロケットパック」は格納状態と展開状態の選択式のため、エアブレーキともども展開状態にしました。エアブレーキが展開状態だと、胴体の国籍マークのデカールが一部かかっているため切り取る必要があります。
このキットに限らずF-86Dは機首におもりが必要です。1/72で5gほどです、お忘れなきよう。
このキットで一番酷かったのは機首インテークで、そのまま組むと胴体とインテークパーツが重なって二重になるので、これだけはパテで埋めて整形し直しました。あと脚周りがあっさりで、棒一本で貧弱ですね。(脚カバーが購入時すでに片方紛失していたので、パテで複製しています)
あと何か足りないと思いきや、主翼のピトー管が付いてないことを完成後に気付きました。

インテークはパテで修正
あっさりとした説明書の塗装指示

キットのデカールは一種類、コーションマークもないシンプルなものです。説明書もあっさりで「Ethan Allen Air Base所属のカラフルな機体」としか情報が書かれていません。機体番号(23666/FU-666)と合わせて調べると「F-86D-40 52-3666」のようです。

  • アメリカ空軍 第37迎撃戦闘飛行隊 (37th FIS) 52-3666

飛行機のプラモデルを作るとき、実機の写真があると塗装も捗るのですが、朝鮮戦争あたりは情報が古くてカラー写真もほとんど無く、この機体のイラストしか出てきません。それも説明書の塗装指示がイラストとは異なる塗り分けという…

鮮やかな赤い塗装はキャラクターレッドを使用し、主翼のラインは航空自衛隊機を参考にマスキングして塗装しました。一応「それらしく」はなったと思います。機体後方、デカール下まで塗ってしまったのは間違いです。タンクの塗装は省略しました。

箱と合わせて

デカールはさすがに古く、黄ばみこそないものの、そのまま使用するとボロボロになると予想し、あらかじめトップコートを吹いて保護膜を作ってから貼り付けました。
今回はなんとかなりましたが、作業中破れないかヒヤヒヤものでした。

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