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プラモデル製作記 ハセガワ 1/72 マクダネル・ダグラス F-4J ファントムII

ハセガワの「1/72 マクダネル・ダグラス F-4J ファントムII」を作りました。型番は「JS-021」です。

当時モノの箱

「F-4 ファントムII」は元はアメリカ海軍向けに開発された「艦上戦闘機」ですが、アメリカ海軍・海兵隊にとどまらずアメリカ空軍でも採用され、また日本をはじめとした西側各国でも数多く運用された「傑作戦闘機」として知られています。
製造時期の違いや運用国の違いなどで様々な「サブタイプ」が存在し、特に日本では航空自衛隊で使用された「F-4EJ」や「RF-4E」、あるいはF-4EJの元となったアメリカ空軍の「F-4E」などが有名かと思いますが、今回製作したものはアメリカ海軍の「F-4J」です。
F-4Jは「ミサイル万能論」が主流だった当時の設計のため機関砲の固定装備を持たず、機首が短いことが特徴です。ファントム好きの方なら「ショートノーズ」で通じるかと思います。

今回のキットは、何気なく飛び込んできた箱絵に惹かれての中古購入です。いわゆる「パケ買い」ですね。最近めっきり見かけなくなったショートノーズファントムの、迫力のある発艦シーンのイラストです。

デカールは劣化が激しそう…

とはいえかなり古いパッケージと黄ばんだデカール、以前製作した「AJ37 ビゲン」と同じ時期のキットで、デカールが使用できない可能性が非常に高いものの、「まあファントムならいいか」とレジに向かいました。(人気のある機体であれば、ちょっと高価ですがデカール単体入手もできますし)

ちなみに現在入手可能な「ハセガワの1/72ファントム」としては、安い価格帯の「F-4EJ ファントムII」「F-4E ファントムII」が、そして少し高めの「F-4EJ改 スーパーファントム」が定番品としてラインナップされています。
人気のある機体のため、限定品もよく出ているシリーズです。(が、ショートノーズの海軍型はハセガワからはあまり登場せず…)

さて、キットに戻ります。
箱を開けてみると昔懐かしの「ハイジョインセメント」が出てきました。もちろん当時モノ、固まっていて使用不可です。

懐かしの接着剤同梱キット

そしてこれまた昔のキットではおなじみの「計器板デカールを台紙ごと切って貼る」仕様。まあ実際コックピットを閉じてしまえば、じっくり見ない限りは目立たなかったりもします。

計器板を台紙ごと貼り付ける仕様

機体の「これでもか」と言わんばかりの凄まじいリベット表現が(実機と比べて正しいかどうかはともかく)とても印象的なので、なるべくこのまま仕上げていきたいと思います。

リベットがびっしり

気になるデカールはというと、

  • 空母「サラトガ」 VF-31所属 (AC-103 / 15730)

  • 空母「コンステレーション」又は「アメリカ」 VF-96所属 (NG-100 / 155800)

とのことで、この頃のキットにしてはコーションマークも比較的豊富でなかなかの力の入れようです。
ただし、やはりほぼ劣化して使用不可だった(試した尾翼デカールがボロボロになった)ため、今回はハイキューパーツの「クリアデカールTH」を使ってデカールの複製と失敗デカールの修復を試みることにしました。

複製したものがこちら。ハガキサイズに収めるためと、白印刷ができないため、VF-31のマークのみにしてみましたが、なかなかよさげです。

複製したデカール

クリアデカールTHはレーザープリンターしか使用できないため、プリンターには「RICOH SP C260L」を使用しました。普通紙設定だとうまくトナーが定着してくれなかったため、厚紙設定で印刷。もうちょっと調整して、赤の彩度を上げてもよかったですね。
問題点としては、やはりこれだけでは「白を出せない」ことでしょうか。
「白トナー」は高価ですし、「白ベースデカール」と使い分けて、うまく使いこなしてみたいところです。

貼り付け箇所を一部マスキングして下地の白塗装を施し、貼ってみました。
完成写真はこちら。背景は「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。

完成写真1
完成写真2

近付いて見ると、それなりに印刷のザラザラ感があり、透明ベースなので「色の薄さ」もあるにはあるのですが、今回は色の薄めな海軍機のガルグレーなのも幸いでした。
細かいコーションマークも「割と見れるレベル」にはなっていて、こうして写真で見たり、他の機体と並べて鑑賞する分には気にならないのではと思います。
(しかし、あらためてカルトグラフの凄さを実感しますね…)

ところでVF-31の機体にしましたが、ビューローナンバーがデカールでは「15730」になっていて、さすがにこれには違和感を覚え(納入の通し番号でこの頃なら6桁、「15730」は第二次大戦中のイギリス輸出向けワイルドキャットに振られている)、このひとつ前のキットを調べてみると「155730」だったとの情報に辿り着きました。
確かにこれならまだまともそうな番号ではあるのですが、手元の資料では「F-4Jは155731から振られている」そうで、「155730」というのは「TC-4C(ガルフストリームIの軍用型)」に振られたものとのこと。うーむ…
架空の番号とはいえ、まだ違和感も少ないのでそのまま「155730」にしてあります。
(ちなみに「15730x」は「F-4J」に振られていますが、この中に「AC-103」となった機体は該当せず。VF-31所属機としては、有名な「ミグキラー」の「AC-106/157307」があります。)

機首周り

キットの吊るし物は胴体埋め込みの「AIM-7 スパロー 4本」に加えて、センターパイロンに増槽、内側パイロンに「AGM-12 ブルパップ 2本」と外側パイロンに「Mk.81通常爆弾 w/ MER」となっていますが、ヒケがあったりと出来が微妙だったので、内側パイロンには「エアクラフトウエポンIII」からAIM-9Dを4本、外側パイロンはパイロンのみとしました。

エアブレーキ

このキットでは、現行のハセガワF-4キットと異なり、主翼下面に配置されたエアブレーキが別パーツとなっていますので、せっかくならばと伸ばしランナーで部品を追加し小改造。内側を赤く塗り、エアブレーキを開状態にしてみました。

箱と合わせて

そんなこんなでデカールの使用不可な古いキットでしたが、なんとかデカールを複製して完成まで漕ぎつけました。
細かいところまであまり気にしない方限定かもしれませんが、どうしても作りたい古いキットにはこんな方法もありますよ、という一例になれば幸いです。

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