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エンジェル寄付には撃沈したけど誰かに想いを聞いてほしい…!

事の始まりは「最近NPOを立ち上げる若者減ったよね」というイケダハヤトさんとD×P今井さんの話題でした。

詳細は下記のnoteをご参照いただければと思いますが、三行に要約すると

①若者のNPO立ち上げは資金面がめちゃめちゃハードモード!
②新設NPOが減ると「社会課題が『自己責任』に矮小化される未来」に進む可能性がある…!
③それは良くない!ので、新設NPOの2団体に実験的に寄付します!

という立ち上げ間もないNPOにとっては「救世主ですか?」と言いたくなるお話。

ちなみにNPOは立ち上げ期はベリーハードですが、軌道に乗ってからもまぁまぁハード。
ハードな割に株式の「EXITして一獲千金!」的な夢もゼロに等しい。

割と有名なNPOの人でも「NPOは長時間労働&低賃金」なことを自虐して

明るい社会と暗い家庭

なんて言ったりしてます。笑

「困窮者の支援をしているNPOが困窮してる」みたいな話もあるあるですね。

そんな環境なので若手でNPOを立ち上げる人はよっぽど稀。

僕は現在27歳なんですがNPO代表者の中で30歳未満は0.1%しかいないそうです。
株式なども入れた企業全体で見ると宝くじ何等賞?みたいなレベルになりそう笑

なので人と喋るたびに「なんでNPO??」と言われまくっています。笑

追記:新設NPOを阻む構造的な課題についてもnoteで書きました。

そもそも住田は何やってる人なのか?

今やっている「(非営利型)一般社団法人Nancy」を設立したのは2年前ですが、5年前から任意団体として小学生向けのキャリア教育イベント「ぎふマーブルタウン」をやっています。

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ぎふマーブルタウンとは「挑戦と失敗が許容された仮想都市(社会)を子どもたち自身が変えたり発展させる」イベント。

PVサムネぎふマーブル

働いて給料(架空通貨:マーブル)を稼いで税金を納めたり、集まった税金の使い道を決める「国王」を選挙で選んだり、自分で手作りした商品やサービスをお店に出して売ったり起業することができます。

子どもたちが自由に挑戦できるようにスタッフは口出し手出しNG。
保護者さんがいると子ども自身も頼っちゃったりするので、保護者さんも入場不可にしています。

家や学校と違って指示を出してくれる大人がいないので、子どもが自分の頭で考えて自分の手で選択し、自分の足で動くようになっていくんですよね。

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最初は「自分のやりたいことが分からない」という子どもたちも、いくつかの選択肢から選んでやってみたりする中で少しずつ自分から動くようになって、「こういうのってやっていいの??」と聞いてくれたりするようになります。

スタッフの役割はそういう子どもの挑戦の兆しが見えたとき「一緒にやってみようか!」と背中をそっと押してみたり、ケガしないように見守ること。

その場にいる子どもの発想によって街の仕組みが変わったり新しいものが生まれたりするので、スタッフ側も毎回なにが生まれるのかワクワクドキドキしながらやっております笑

ぎふマーブルタウン集合

そんな「ぎふマーブルタウン」を子どもたちも最高に楽しんでくれていて、多い回ではなんと1日(5時間)で791名もの子どもが参加するように…!!

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リピーター率も70.2%を記録。
過去8回すべて皆勤賞の子も結構いるようです。

2017年秋は台風で、2020年春以降はコロナで中止となっているのですが、中止の案内をすると「子どもがもう大号泣で…」と保護者さんからご連絡をいただいたりします。
そこまで楽しみにしてくれていたのが嬉しくもあり、申し訳なくもありますね。。

当日写真アルバム_180509_0129-2

自分で手作りした商品やサービスで出店・起業する子が555人(全体の75.3%)に上ったことも。

半年間ぐらいかけて商品開発をして、「海外旅行に行くの??」ってぐらい大きなスーツケースに入れて運んで来る子や、台車に商品を積み込んで持ってくる子も中にはいます笑

保護者さんから「帰りの車で子どもが次回に向けた仕入れの話をしていました!」と報告をいただくことも笑

保護者の感想ぎふマーブルタウン

イベントは「点」で終わりやすいんですが、そういった「次はこうしたい!」といった子どもたちの気持ちが「線」で繋がっています。

実績を認めていただいて2018年度には経済産業省さんの「キャリア教育アワード」奨励賞、2020年度には岐阜県「岐阜県地域子ども支援賞」をいただきました。

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「ここからどんな子が育っていくのかなー」と僕自身もワクワクしているのですが、偏差値72の進学校にあるビジネス部に所属している女子高生さんと最近たまたま出会ったときに「私ぎふマーブルタウンの参加者でした!」と教えてくれて。

その子はなんと、高校1年生にして40名ぐらいいる学生団体(そのうち10名ぐらいのメンバーは海外)の代表にならないか声がけされてるらしく、めちゃめちゃスーパーウーマンに育っててもう本当に衝撃でした。!!笑

なんというか、生き生きと健やかに育ってくれてて感激です(親心感)

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住田の原動力

こういう活動をやってると「いろいろ大変そうなのになんでやっているんですか??」と言われることが多々あります。

始まりは高校3年生の冬。
肺の病気で入院・手術をやらかしまして。

人生で初めて「明日がないかもしれない」恐怖と後悔を感じたんですよね。

そのとき

「大学という世界も、大人(社会人)の世界も、恋人がいる世界や妻がいる世界、子どもがいる世界…自分は何も知らないまま死んでいくのかな。」

「せっかく生まれたのに。1度しかない人生なのに。何も知らない経験してないまま死にたくないな。」

「手術後も生きていたら、後悔を残して人生を終えないようにやりたいこと全部やって生きたいな。」と思ったんです。

その後、大学へ進学してからたまたま見つけたG-netさん・コラボキャンパス三河さんというNPO法人の中長期実践型インターンシップへ。

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出典:NPO法人G-net

これらのNPOに関わる中で熱意あふれるいろんな経営者さん達に多く出会って「こんなカッコいい大人が世の中にはいっぱいいたんだ!」と衝撃でした。

そんな経営者さん達みたいに、自分もお世話になった土地に恩返ししたい。

と感化される中で社会課題にも目が向くようになりました。

解決したい日本の社会課題

今の日本って、諸外国でもっとも子どもや若者が将来に希望を持てないそうです。

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出典:内閣府「平成26年版 子ども・若者白書」

日本の将来が「良くなる」と感じている若者はたった9.6%

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出典:日本財団

自分で国や社会を変えられると感じる若者もたった18.3%

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出典:日本財団

そして日本は自殺率が高く、世界でワースト7位。
先進国で最下位であり、若者の死因1位が自殺であるのもG7で日本のみ。

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出典:朝鮮日報日本語版(2020)

一度しかない人生を楽しみきれず、苦しい思いをしていること。
まだまだ先が長いからこそ本当はもっと楽しい未来だってあったかもしれない人生で、自ら終わりを選んでしまうこと。

人生が終わるかもしれない恐怖を感じたことがあるからこそ、余計にもどかしく感じています。

せっかく日本は平和で豊かな国になったんです。

もっと日本人は幸せになっていいし、なれるはずだと思うんです。

そのための仕組みを、自分が死んだ後も残っていく形で作っていきたい。

だからNancyをやっています。

なんでNPO??

めちゃめちゃ話が長くなりましたが、最初に戻って「なんでNPO??」という話。

端的にいうと「対象となる子どもを絞りたくないから」です。

実は「ぎふマーブルタウン」は参加費無料でやっています。

つまり「やればやるほど赤字」。これを寄付やスポンサーで成り立たせたいのです。

「参加費を取ったらダメなの??」と本当に多くの方々から言われます。

「ぎふマーブルタウン」に類似した取り組みは全国的にあって、それぞれの目的や方向性に応じて形を変えているんですが中には参加費を取っているものももちろんあります。

なのでもちろん、参加費を取れば収益は成り立つようになると思います。

でも参加費を取れば参加できない子が出てきます。

「困窮家庭の子は無料にするという形は??」と聞かれることも多いですが、所得の話だけではないんです。

生活には困窮していなくても、学業以外の教育に対して理解がない家庭の子は参加できない可能性も往々にしてあります。

参加費たった100円でも、子どもは保護者にお伺いを立てる必要が出てしまいます。

そしてその保護者が首を横に振ればその子に機会は届けられなくなってしまうんです。

「子ども自身の意志だけで参加できる」ようにすることで、どんな家庭環境の子どもでも参加できるようにしたいんです。

「対象を絞らない」はNPOだからこそできる

ビジネスの世界は「分かりやすさ」がとても大事です。

だから「こんな人の課題をこう解決する」というシンプルさが求められます。

NPOだって、「障がい者の方々のため」「困窮家庭の方々のため」「被災地の方々のため」と対象を絞った方が資金は集まりやすくなります。

なぜなら、圧倒的に分かりやすいから。

助成金もそういった特定の領域に対する助成が圧倒的に多いです。

もちろんそういった困難を抱える家庭や子ども達に対する支援が大事であることは言うまでもありません。

それもまたビジネスでは解決できない領域であり、D×Pさんを始めとしてそこに立ち向かっている方々を本当に尊敬しています。

でも、じゃあ困難を抱えていないいわゆる「普通」の子ども達は誰も何もしなくても幸せなんでしょうか??

「迷惑をかけるな」と言われてがんばって真面目に良い子を演じていたら

「あなたは大丈夫だよね」

と、誰からも目を向けてもらえない子ども達だって生きづらさを抱えているのではないでしょうか?

ごくごく普通に育った子どもや若者達が就活で何十社とエントリーして苦しんでいたり、入った先の会社が過酷で精神を病んだり自殺したりするのは、自己責任なんでしょうか?

もちろん普通に幸せを感じて育つ子、幸せを感じて生きている大人も少なくはないと思います。

でももっと幸せを追求することってできると思うんです。

「現在の学校教育は、問題を起こさない生徒の摩耗の上に成り立っている」

という言葉を聞いたことのある方がどれぐらいいるかは分かりません。
でもなんとなく感覚的に「分かる気がする」という方は多いんじゃではないでしょうか。

「学校教育が問題ある」と言いたいわけでも、「問題を起こす生徒が悪い」と言いたいわけでもありません。

ただ、マジメに授業を受けているような普通の子どもにだって「誰かに見てほしい。見守ってほしい。」気持ちはあると思うんです。

先生たちが手一杯で30人も同時に見きれないことも分かっているからこそ、僕たちが子どもたちにできることを一緒にやっていきたいんです。

僕たちは「手がかからない子」の気持ちも、「手がかかる子」と同じぐらい大事にしていきたいんです。

そしてその境界は世帯収入などの数字で綺麗に分かれているわけではありません。

区別を付けられないから区別しない。

対象を絞れないから絞らない。

どんな家庭に生まれても幸せに育っていける、そのための教育へアクセスできること。

それはビジネスにはできない、NPOだからこそできることなんじゃないでしょうか。

「メタバース」への新たな挑戦

「NPOだからこそできる」とは言ってみても、先述した「ぎふマーブルタウン」はコロナで完全にストップしているんですよね。

うちは小学生が対象なので、2020春を開催するか否かのとき「この日のために準備していた6年生に申し訳がなさすぎる」とめちゃめちゃ揉めたのに、このままいくと当時の4年生の機会までもを奪ってしまうことになるんです。

うちに限らず、セミナー形式以外のキャリア教育は(僕の知る限りでは)ほとんどストップしていました。

今回のCOVID-19についてはワクチン接種が進んでいるので、今年度中には正常化されるかもしれません。

でも、調べてみたところ未知のウイルスによる感染流行は10〜40年周期で起こるそうなんです。

僕はもう感染流行が起こる度に子ども達の成長機会を奪いたくないんです。

だからこそ、今まではオフラインで作っていた仮想都市(ぎふマーブルタウン)を、オンラインで作れないかと思っています。

いま話題の「メタバース(インターネット上の仮想世界)」ってやつですね。

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こんな感じで子ども達がアバターを操作して街中を歩いて、職業ブースで仕事をして給料(架空通貨)を稼いだりできます。

テレビゲームみたく完全に1人でも遊べるというわけではなく、人対人(子ども間や子どもとスタッフ)のやりとりが肝なので、職業ブースはZOOMに繋げてZOOM上で行います。

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展示ブースに自分が作ったデジタル作品を展示して、作品を架空通貨で売買することも可能。

NFTアートの練習とかにもなるかもしれないですね。(練習が必要かはさておき)

税金や選挙といった要素を最初から入れるかは検討中ですが、遅かれ早かれ入れたいとは思っています。

学業ももちろん大事ですが、「自分たちの手で社会を創ってみる経験」は今後の子ども達を大きく助ける糧となるはずです。

現に「ぎふマーブルタウン」へ参加した子が高校でビジネス部に入って活動していたりもするわけですしね。

この「こどものまちオンライン」については後日また正式にプレスリリースを出す予定ですが、ここで少し先出ししてみました。

最初は同時接続1,000人規模ぐらいから始めて、そこから集まった寄付やスポンサーの金額によって組織的にも事業的にも規模を大きくしていきたいと思っています。

オンラインだと立地に縛られないですし、テキストを英語に変えるだけで海外の子ども達とも交流できるようになります。

(「ぎふマーブルタウン」を始めとする「こどものまち」と呼ばれる取り組みの起源はドイツの「ミニミュンヘン」で、似たような取り組みは海外各国にもあるんです)

そうやって多くの子ども達が「自分の手で社会を変えられるんだ!」と将来に希望を持てるようになる場を作っていきたいと思います。

ただ、開発資金がない

はい。開発資金がないんです。致命的ですね。

前述の画像のように構想はできています。でも実現はしていません。

なぜなら!開発資金がないからです!

(自社開発の能力なんて当然のようにないので、外部委託なのです。)

助成金には申請を出しているんですがまだ結果待ち。

そんなタイミングで現れたのが冒頭の「エンジェル寄付」!!!

しかし自分なりに渾身の文章を書いてエントリーしたもののあえなく撃沈。。!

選ばれた「一般社団法人にじーず」さん、「NPO法人メタノイア」さん、おめでとうございます!!

そして素敵な企画をしてくださったイケダハヤトさん、D×Pの今井さん、ありがとうございました!!m(_ _)m

感化されて「エンジェル寄付者」になっていただける方が現れたりして、次の「エンジェル寄付」企画が立ち上がるのを楽しみにしています!!\(^o^)/

…で潔く終わるつもりでした。本当は。

昔なつかし口座晒し

先述の中長期実践型インターン「ホンキ系インターンシップ」の研修にて、実はイケダハヤトさんのセミナーをお聞きしたことがあったのをなんとなく思い出していて。

そのときはブログの話がメインだったと思うんですが、口座晒しの話がチラッとあったのをなんとなく思い出しました。

ということで、まぁどうせ何もしなかったら何も起こらないんで、口座さらして終わります!

いや、分かってるんですよ。

「乞食」「甘え」って言われそうだなとか。

「往生際が悪い」って思われそうだなとか。

マンスリーサポーターのお願いをした際に「なんで汗水たらして働いたお金をあげなきゃいけないんだ。あなたも就職して働いたら?」と言われて凹むのも、いまだに慣れません。。

(ちなみに住田はまだNancyからの給料がないので実質フリーターです。もともとは起業志望どころかメーカー就職志望だったんですけどね。w)

その中でも「応援するよ!」とマンスリーサポーターになってくださった方々もいて、本当に励みになっていますし心から感謝しております。。!!

そしてとあるサポーターの方が教えてくださったんです。

「助けを求めないと困っていることに気付いてもらえない」と。

豆腐メンタルなんで、こういうことするのは本当にやる前から心折れそうになるんですけども。

それでも家入さんフォロワーの方が「価値の無いものだったら(口座を晒したところで)お金なんてもらえない」「収入の受け皿は藁にすがってでも増やさなければいけない」と言ってましたし。。!!

ということで「この事業は生かす価値がありそう」と感じてくださった方がいらっしゃいましたら是非、第2のエンジェル寄付者さんになっていただけたらとても嬉しいです!!><お願いします!!><

十六銀行
本店(支店番号:100)
名義:一般社団法人Nancy
普通口座 2858016

振り込みによるご寄付をいただいた方、もしよろしければお礼のメッセージをお送りさせていただくために下記フォームへご記入いただけますと大変嬉しいです。(もちろん任意ですが、よろしければ是非…!)

追記:ご寄付くださった方、本当にありがとうございます!!!とても嬉しいです!!!><


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