ファンと共通の価値観で相思相愛になる

自分のブランドのファンがどれぐらいにブランドに熱狂しているか、僕たちは「熱狂度」という指標をもとに計測をしています。以下のように、「あなたにとって〇〇〇(ブランド名)は、どのような存在ですか?あなたのお気持ちに最も近いものを1つだけお選びください。」という設問で、ユーザーに5段階で評価をしていただきます。

上の図のように、

5:私は〇〇〇にすっかりハマっている(夢中だ、ぞっこんだ)
4:私は〇〇〇に愛着を感じながら使っている(幸せを感じる)
3:私は〇〇〇を好きで使っている
2:私は〇〇〇を悪くないと思いながら使っている(そこそこ満足)
1:私は〇〇〇を、なんとなく使っている

という設問に答えていただきます。

4-5を回答した方を熱狂度<High>、3の方を熱狂度<Middle>、1-2の方を熱狂度<Low>で分類し、自社のブランドにどの程度熱狂度<High>のユーザーが存在しているのかを調査しています。
加えて、この5スケールのアンケートをとった後に、「なぜそのように答えたのですか?」とフリーアンサーで回答してもらい、ユーザーがどういうポイントで熱狂しているのかを定性的に把握します。

実は、ファンの熱狂を把握するとき、この5スケールの調査だけでなく、ブランドのどのポイントに熱狂しているのかを把握することがものすごく重要です。ブランドは単に「好きでいてくれるかどうか」を測るだけでは、本当にファンと相思相愛になれているか分かりません。


というのも、ブランドを好きでいてくれているかどうかと、ブランドの伝えたい価値が本当にファンに伝わっているかどうかは別問題だからです。実はブランドが伝えたい価値観をきちんと理解してくれているファンは一部だったりします。

そのため、以下のようにブランドの熱狂度とは別に、ブランド側がユーザー側に提案している価値にどれだけ共感してもらえているか、「ブランドとの共鳴度」を同時に計測していく必要があります。

この横軸に置くものは、自分たちのファンとどれだけ共通の価値観で相思相愛になれているか、「相思相愛になりたい価値観」です。同じ価値観で共鳴し合えているか、その共鳴度を把握します。つまり、ブランド側が大切にする価値観に共感し、両想いになっているファンがどれだけいるかということです。

ブランドを好きなひとたちは、必ずしもみんなが同じ価値観で熱狂しているとは限りません。
ファンを軸としたマーケティングでは、とにかく好きな人を増やせばいいわけではなく、マーケティング戦略上重要な顧客を戦略的に増やす必要があります。そしてそれは、自分たちのブランドが発信する価値観に共鳴してくれるファンです。自分たちのコミュニケーションによって、共感してほしい価値観に本当に共感してくれているのか、好きでいてくれている人たちは本当に自分たちのメッセージを受け取ってくれているのか、そこが重要です。

たとえば自分たちの発信するビジョンに共感してほしいと思っていたのに、好きな人たちのほとんどが価格や機能で選んでいたとしたら、それは発信するメッセージが伝わっていないか、もしくは発信するメッセージそのものを変えていくことを検討していく必要があるかもしれません。

ブランドコミュニケーションは、受け取った相手が抱いた価値観によって決まります。SNSが普及してブランドが知らないうちにいろんな場所・空間で語られるようになった現代において、ブランドが相手に伝えたい印象を100%コントロールすることは不可能になっています。そのなかで、ブランドの価値はブランドだけでつくられるものではなく、ファンとともに価値をつくっていく時代、企業と顧客とが一体になって世の中に価値をひろめていくためには、ブランドとファンが同じ価値観で共鳴し合うことが欠かせません。

ただ好きでいてもらうだけではなく、共通の価値観で相思相愛になること。それが本当の意味での価値共創を生んでいくのだと思います。

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高橋 遼 / Ryo Takahashi

株式会社トライバルメディアハウスでコミュニケーションデザインのお仕事をしています。ブランドの熱狂的なファンを大切にするマーケティングの考え方を『熱狂顧客戦略』(翔泳社)という本にまとめています。

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