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ローカルフォトコンのススメ―「選ばれる写真」を考察する

全国各地で開催されている「ローカルフォトコンテスト」。自治体や観光協会、業界団体など、本当にたくさんの団体がフォトコンを実施しています。形態も様々で、印刷した写真で応募する昔ながらのフォトコンだけでなく、ネットから応募できたり、インスタフォトコンも多いですよね。気軽に応募できるので、とても参加ハードルが低いのも魅力です。
僕自身、実際にフォトコンの企画もしましたし、また色々なローカルフォトコンに応募して、ありがたいことに入賞もさせていただきました。今回は、ローカルフォトコンの魅力や攻略法を、そうした経験も踏まえ、解説・考察してみたいと思います。

ローカルフォトコンの目的

そもそもですが、主催者側から見たローカルフォトコンの目的とは何なのでしょうか?
何となく想像もできるかと思いますが、僕が考える理由はだいたい以下の通り。
・写真を撮りに「来る」ことでの来訪者増、繋がりのきっかけ作り
・写真素材の獲得
・新しい魅力の発掘
・情報の拡散
大手のカメラメーカーや新聞社などが開催するフォトコンは、純粋なコンペ的側面が強いですが、ローカルフォトコンの場合は上のような目的意識が大きいと思います。
私も数年前にフォトコンの企画をした際は「どうすれば足を運んでもらえるか」「どうすればたくさんの人に参加してもらえるか」といった部分を色々と検討しました。参加者が増えれば、それだけ来てくれる人が増えるわけですね。
そして、フォトコンを実施することで、「素材」としての写真をたくさん得ることができます。例えば観光ポスターを作るにしても、ビジュアル的に優れた写真を手に入れることは容易ではありません。その点において、フォトコンに応募された素晴らしい写真を使うことができれば、とてもありがたいわけです。なので、応募要項を見ると「写真の使用権は主催者側にあります」等の文言が入っているわけです。
また、色々な人に写真を撮ってもらうことで、今まで気づかなかった魅力を発見できるというのも大きなメリットです。フォトコン発ではないですが、美瑛町の「青い池」も、写真から人気が広まった場所ですよね。今では美瑛町を代表する観光地の一つです。豊頃町のジュエリーアイスも同様に写真を通じて観光資源として活用しています。
加えて、こうした素晴らしい写真がSNSなどでシェアされることで、さらに情報が拡散していく効果も期待できるわけです。
こうした点を踏まえて、ローカルフォトコンの攻略法を考察してみましょう。

ローカルフォトコンの攻略法を考える

ローカルフォトコンにも大抵は賞が設定されており、大なり小なり副賞もあります。せっかく応募するなら、やっぱり入賞したいですよね?というわけで、僕なりの攻略法を考えてみました。ポイントは以下の通り。
①過去の入賞作品を見る
②ランドマーク、特徴的な物・イベントを入れる
③今までにないスポットや捉え方にもチャレンジ
④基本的な写真のレベルを上げる
⑤何回も撮りに行く
まずは①について、正直これが一番大切です。①以外の全ての前提になるのが「過去の入賞作品を見ること」です。過去の作品を見ることで「どんな作品が評価されているのか」「どんな場所や物を撮っているのか」を知ることができます。定番ポイントや、審査員が求めているものを知ることができるわけです。
そうすることで、今度は②の「ランドマーク、特徴的な物・イベントを入れる」ための情報収集ができます。観光地のフォトコンであれば、当然観光スポットの写真や、その魅力が伝わるものを選びたくなるわけです。
そして、③「今までにないスポットや捉え方にもチャレンジ」できれば、さらに注目されるはずです。定番スポットでお決まりの画角で撮られた写真は審査員も相当数見慣れています。必ずしも奇をてらう必要はないと思いますが、同じ場所や物を撮るにしても、何か別の切り口だったり、今までにない表現だったりすれば、別物に見えてくるものです。
ちなみに僕は、複数枚応募できるフォトコンなら、割とセオリー通りの写真と、同じテーマでも少し攻めた写真の2パターンくらいで応募することがあります。どんな傾向で選考されても選ばれるようにと笑。
さて、④「基本的な写真のレベルを上げる」ことについても触れておきましょう。きれいに撮れている写真だけが優れているとは思いませんが、たくさんの写真が応募されている中で比べられた時に、同じようなテーマ・切り取り方であれば、より写真としてのクオリティで選ばざるを得ません。もちろん、スナップ的な写真も、シーンによっては大いにありだと思います。写真のレベルを上げるといっても、意図しない手ブレが無いとか、風景なら水平がとれてるとか、そんなレベル。ゴリゴリに現像しなければいけないとか、そんなことはないと思います(もちろんしっかりやっている人もたくさんいます)。
そして最後は⑤「何回も撮りに行く」こと。例えば風景写真であれば、季節や時間によって撮れるものが全く異なりますし、何度も通うことによって、新しい構図や切り取り方のアイデアが思い浮かび、会心の一枚が撮れるはずです。
以上が僕が考えるローカルフォトコンの攻略です。当たり前といえばそうなんですが、狙って写真を撮るというのは中々難しいもの。しっかり戦略を練って狙うのもありだと思いますし、一方で観光ついでに「いい写真が撮れたから応募しよう!」ってのもありだと思います。様々なローカルフォトコンの過去作品を見てみると、結構色々なタイプの写真が入賞しているので、とりあえず撮って応募してみるのはいかがでしょうか?

ローカルフォトコンの魅力とは

そんなローカルフォトコンの魅力をいくつか挙げると、
・副賞で色々なものがもらえたりする
・知らなかった魅力に気づかされる
・写真を撮りに行くきっかけになる
などがあると思います。
前述の通り、ローカルフォトコンは来訪者の増を狙ったものが多いので、基本的に副賞を設定しているものが多いです。その地域の特産品であったり、中には現金が当たるものも。僕も今年は何個かのフォトコン入選し、こんな感じの副賞をいただきました。

なかなかいいでしょう?自治体や観光協会主催でやっているフォトコンの場合、その地域の特産品などをたくさんいただけます。写真を撮る中で、あるいはその下調べをする中で、その地域の魅力を発見し、こうした副賞をもらうことで、まだ知らなった部分に気づかされます。
また、フォトコンがあることで、写真を撮るきっかけにもなると思います。せっかく一眼レフ買ったのに全然使ってないな、何を撮ればいいのか分からない、そんな風に思ったことがある方はぜひローカルフォトコンに挑戦してみてください。きっと楽しめるはずですよ。

あなたも町おこしの一員になれる

ここからは自治体職員目線での話になりますが、ローカルフォトコンは参加するだけで、その地域の活力になっていると思います。写真を撮りに来る人が増えれば、単純に交流人口が増えるし、その写真がきっかけとなり、地域の魅力発信に繋がるかもしれない。基本的に、人を呼び込む為にフォトコンを開催していますので、参加者が増えれば増えるほど嬉しいわけです。
あまり意識することはないと思いますが、写真を撮りに来る皆さんは、町おこしの一員になっているわけです。大なり小なり、地域活性化に貢献しているはずです。だからぜひとも、色々な地域で、色々なローカルフォトコンに参加して、地方を盛り上げていただけたなら幸いです。

フォトコン参加お待ちしてます

最後に我が町のフォトコンの宣伝です。

世界一大雪山がきれいに見えるまちとして売り出していますが、そんな町の魅力が存分に詰まった写真を募集しています。
ちなみに、私は選考に一切かかわっていませんのでご安心(?)ください。なお、前述の攻略法が生きるかは保障いたしません笑
これからの季節は雪景色がメインになると思いますが、大雪山がきれいに見えるか運次第。なんなら、きれいに見える日の方が少ないと思います。でもまあ、それは仕方ないこと。そう、だからこそ何度も通って最高の一枚を目指すんです。時々たまに、最高にいい天気の日もあります。そんな日には、ぜひ写真を撮りにきてくださいね。

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