見出し画像

㊿イベントCG発注編b:プロットから情報を抜き出し、イメージを言語化せよ!【美しょゲを作ろう】

今日も今日とて美少女ゲーム作ろう。
50回目です、まだまだ行きます。

前回の続きで、
イベントCGの指示書を書くよ!

項目に沿って、
プロットから情報を引き出しつつ、
どんな構図にするか想像を膨らませよう。

《指示書の項目はこちら》

まずは昨日まとめた項目を並べてみよう。

これまでアップデートしてきた指示書と、
Live2Dとして必要な情報
それがこちら!

【基本情報】
・イベントCG名
・一言テーマ
・登場キャラクター
・使用シーン

【シーン】
・場所(主に既存背景で記す)
・時間帯
・光源の配置
・服装
・シーンの流れ(CG前後を含む)

【イラスト】
・構図テーマ(何を見せたいか)
・構図
  →構図の参考画像
・場所(ある程度の立ち位置、向きも)
  →背景or場所の参考画像
・ポーズ
  →ポーズの参考画像
・イラスト差分リスト

【Live2D】
・アニメテーマ
・パーツ分け想定
・モーションリスト

という感じで項目を作った。
これらを埋めていくんだけど……

とりあえず順序としては、
上から書いていけばいいかな。

ノートとペン


《どんなシーンのCGだ?》

まずは基本情報から考えるのだが……

先に「どんなシーンのCGか」を、
ハッキリしておかないとね。

ちょっと文章長くなるけど、
以下のプロット部分で使うことになる。

再び大きな揺れが起きる。(演出)
「あっ……」と揺れでつまづいた彼女。
倒れそうになった彼女を慌てて抱き寄せるように支えて。
  ↓
■イベントCG開始
○共通:3クリック/32
ヒロインを抱き寄せた感触、柔らかくて優しい香りがする。
しかし、その身体が冷え切っていることに気づく。
ヒロインが「あ、あの……」と遠慮がちに声を掛けてくる。
  ↓
【分岐G】
●選択肢「ごめんと謝って離れる」:4クリック
内容:
ごめんと謝って腕の力を緩めるが、彼女は離れない。
すいません、もう少しこのままでいさせてください……。
そう告げた彼女はむしろ強く抱きついてくる、その腕は少し震えていた。
  or
●選択肢「怪我はないかと声を掛ける」:6クリック/38
内容:
抱き締めたまま大丈夫かと声を掛ければ、彼女は微笑む。
ありがとうございます、助かりました。と感謝を告げてくる。
そろそろ離しても問題ないかと腕を緩めるが、逆に彼女は抱きついてきて。
このまま話をさせてください、と言う。
彼女の腕が震えていることに気付き、何も言えずに彼女の言葉を待った。
  ↓
○共通:7クリック/45
私、これまで生きてきて……誰かに恋をしたことがないんです、と告白。
でも友達は、皆誰かと付き合ってるって、楽しそうに話してて。
いつかは私も恋をしてみたいって、憧れていました……と話す。
それから彼女はこちらを見上げて、少し火照った頬が見える。
今初めて会った人にそんなことを言うなんて、変ですよね。
でも貴方は何となく……話しても、受け止めてもらえる気がして。
彼女は少し俯いた後、意を決したように顔を上げた。
  ↓
【分岐D】
■分岐「好意が一定以下」:2クリック
内容:
「……口に出せて、スッキリしました」と感謝される。
急にこんなことを言ってごめんなさい、と困らせたことを謝られる。
 →選択肢「そんなことないよ」「自分も恋をしてみたい」
  or
■分岐「好意が一定以上」:3クリック/48
内容:
「私とキスを、してくれませんか……?」と言われる。
彼女はそう告げてから、更に顔を赤くして俯く。
それから深呼吸をして再度こちらを見て、切なそうな目で返答を待っていた。
  ↓
●選択肢「分かったと頷く」:8クリック
内容:
分かったと頷けば、彼女は頬を緩ませる。
「良かった……でも、本当にごめんなさい」
「初めて会ったばかりの私に、こんなにも良くしてくれて」
「こうして最後に、貴方に会えたことは……きっと運命ですね」
「まるでずっと前から、貴方と出会うことが決まっていたみたいな……なんてロマンチストすぎますね」と笑う。
それから彼女はまた深呼吸をして。
ゆっくりと爪先を伸ばし、こちらへと顔を近付けた。
  or
●選択肢「自分でいいのかと問う」:7クリック/55
内容:
さっき初めて会った自分でいいのかを問えば、彼女は頬を緩ませる。
「初めてのはずなのに、そんな気がしないんです」
「まるでずっと一緒にいたみたいに、気弱な私がちゃんと会話できていて」
「そんな貴方だからこそ……最後に、恋をしたいんです」
悲しげに笑う、そんな表情は彼女に似合わなくて。
今度はこちらから近寄り、顔を近付けた。
  ↓
【分岐H】
○共通:3クリック/58
すぐ傍に彼女の顔、産毛すら見えてしまいそうな程の距離。
「私のこと、本当に好きに……なってくれますか? なんて欲張りですかね?」と彼女はこちらを見つめながら言う。
そんな彼女への返事は言葉ではなく——
  ↓
【分岐A】
●選択肢(1種)「彼女にキスをする」:1クリック/59
  ↓
次のイベントCGへ

といった感じ。
……うん、長いね、ごめんね。

簡単に言えばヒロインと急接近するシーン
ドラマチックに演出したい所だ。

電車で音楽を聴く女性

そして同時に忘れてはならないのが、
企画コンセプトの1つでもある……

イベントCGでは、
「バイノーラル音声」を流すということ。

ASMRとか音声作品とかでよくある、
イヤホン・ヘッドホンで聞いたら、
すぐ傍で喋っているように感じるやつ。

なのでヒロインとの距離が近くなる以外に、
主人公視点にした方がいいかな、と思う。

前提はここまで、
実際に指示書を書いていこう!

ヘッドホン


《基本情報は1番シンプルに!》

・イベントCG名
・一言テーマ
・登場キャラクター
・使用シーン

今日はとりあえずこれだけ埋める。
シンプル is the Best の精神で書こう。

前回の記事では項目の説明がなかったから、
解説しつつゆっくりと進めていこう。
(と言いながらよく焦るが)


イベントCG名

内容に直接影響はないが、
イメージのしやすさを補完出来るのと、
素材の判別がしやすくなる。

合わせて納品・組み込み用に、
ファイル名を書いても良し。
まあそれは後からでも問題ない。

それらを踏まえて、今回のCG名は……

「抱き締めて会話」

という感じにしておこう。
分かりやすさ重視である。


■一言テーマ

このイベントCGで何をするのか
一言で説明する。

いきなり詳細とかに入っても、
読む側からするとよく分からないもんだ。
なのでタイトルを補完するように、
テーマ設定をしておく。

今回の内容的には……

密着したまま「恋をしたい」と告白されて、
キスをしたいと思わせる。

といった感じかな。

CGの軸を作るためにも、
「ユーザーにどう思わせるか」
という点でまとめよう!

スマホを見る猫


■登場キャラクター

何を書けばいいのかを、明確に記しておく。
勘違いをしない為にも重要だ。

ヒロインと主人公の2人

ヒロインは、
既にキャラデザも立ち絵も完了済み。

主人公に関してはほとんど出さず、
身体部分、服装だけが見えるイメージ。
こっちは服の設定とかしないとね。


■使用シーン

これを書くなら……

分岐G手前(32クリック)から、
分岐A(59クリック)まで。

シーンの終わり方は、
ヒロインとキスをするか、
キスせずにリセットするか。

といった所だが、
今回の指示書では除外しようかな。

この項目を書く理由は、
プロットを読むタイプの人に向けて、
シーンの位置が分かるようにすること

……プロットを読む人は少ないと思うし、
正直指示書から抜いてもいいかなと、
前から考えてる項目ではあるんだよね。

今作はプロット自体が短いこともあって、
そこまで重要にはならない。
後に書く「シーンの流れ」で事足りるだろう。

項目が多いと資料がややこしくなるから、
必要性の薄いものはなくしておきたいし……

なので、
今回の指示書ではこの項目を除外しよう。


《今日のまとめ》

ほとんどこれまでの復習になったけど、
とりあえず今日はここまで。
次回はこの続きから書いていこう。

指示書の書き方ってのは千差万別。
しかし社内資料に終わらず、
もっと公開していくべきだと思う。

社内だけ、個人だけじゃ、
結局見えるものなんて狭いもんだからね。
あらゆるものを公開して、
皆でもっとより良いものを目指したいもんです。

オープンイノベーションってやつだ。
美少女ゲーム業界も透明化が進めばいいなー、
なんてお話で記事を締めくくろう。

では、また次回お会いしましょう。

もしも記事が参考になったら、スキやフォローよろしくね! 気が向いた時はサポートで支援していただけると嬉しいです。