あなたに届けたい僕たちのミュージカル

はじめに

「あの頃はよかった」って昔を思い出して戻りたくなる瞬間がある。
「あの人はいいよな」って他の人がうらやましくなる時もある。
「もっとお金があったら」って、「もっと自分が優秀だったら」って、、、
そんな時はいつだって自己肯定感が低くなっていて、今の自分を認めてあげることができないから、誰かに自分を認めてもらいたいって思ってる。

そんな瞬間があなたにもあるんじゃないだろうか。

この記事は、冒頭のような人を羨ましく思う気持ちが積み重なっていた僕の心を晴らしてくれた人たちの話と、今、少しでも同じような気持ちを抱えている人に、届いてほしい僕たちの作品について書いている。

違うからこそ美しい、楽しいミュージカル

僕は今、新潟の市民ミュージカルに参加していて、様々な年齢や職業の人と楽しみながら一つの目標に向けて一緒に頑張っている。
「様々な年齢」、とはいっても大学生の僕にとっては年上の人ばかりで、ありがたいことに可愛がってもらえることが多い。チヤホヤしてもらえたり、車でいろんな所に連れて行ってもらえたり、、、。客観的に考えたら、僕はめちゃくちゃおいしい立場だと思う。

そんな中でもミュージカルに参加している人たちの仕事の話や過去の経歴、趣味の話を聞いたりするのはすごく楽しい。分かりやすく教えてくれることが大きいけど、自分の知らないことを経験談として教えてくれると興味が広がるし、1つ賢くなった気がするからだ(頭悪い)。

違うことが苦しくなってきた

ミュージカルの練習やメンバーとの交流は基本的には楽しいことばかりだ。
だけど苦労が全くないわけではなくて、本番が近づいていくにつれてミュージカル以外にもやることが増えてきたことで「お金」「時間」「ストレス」という面できついと思うことも増えてきた。

先述の通り、普段はぬるま湯のような状況に浸ってきた僕にとってはそれらのきつい部分に対する耐性も強くはなくて、社会人として働きながら練習もハードに頑張るメンバーを見て、きついことに対する許容量の違いを感じることが多かった。

何よりも、「自分は優秀じゃない」って思う瞬間は辛かった。
ミュージカルを作り上げるには様々なスキルが必要とされている。
「ダンス」、「演技」、「歌」が舞台上求められるスキルであるけれど、それだけじゃなくてチケットを売り込む「営業力」やチームをまとめる「リーダーシップ」も必要だ。全部、うまくできない。だからそのスキルを持ってる人に頼るしかなくて、可愛がってもらっている上にチームにぶら下がっている状態できついと感じている自分は心底不甲斐ないと思っていた。

ここまでかなり後ろ向きなことばかり言ってるが、普段はそんなにネガティブじゃない。能天気だし、性格はゆるくてほのぼのしてると自分では思ってる。

ただ、それゆえに自分でも気づかずにマイナス感情が蓄積してることもあって、自己肯定感は下がっていくし、大きな挫折を機に心がぽっきり折れるということも、もしかしたらあったかもしれない。

理解なんてできなくても救われる、救える

そんな時にミュージカルの合宿中の企画でその気持ちが晴れる瞬間があった。
選ばれた少数の人が「尊敬している人は?」とか、「この人の将来にめちゃくちゃ期待している!という人は?」というような問いに対して、当てはまる人にタッチしに行くという企画だ。
正直、どんな問いがあったのかは覚えてない。それよりも、僕にとって嬉しくてたまらなかったのが、

タッチしてくれる人が僕にはいっぱいいたことだった。

それも、適当にタッチする人なんて1人もいなくて、「心からそう思ってる」って、伝わるような、強くて、あたたかいエールを受け取ることができた。

ミュージカルのメンバーにはそれぞれに違う個性や経歴があるからこそ、メンバー同士でそれぞれの事情を完璧に理解している人なんて、たぶんいないだろう。自分の感情の落ち込みとか、辛さなんて自分で理解して何とかするしかないって思ってた。

だけど、理解なんてできなくても心が救われることがあって、逆に僕も誰かの心を知らないうちに救うことができるんじゃないかと思った。その気付きができたことが一番、ミュージカルに参加して良かったと思ってる。

あなたに届けたい、共通の鼓動

この記事を読んでいるあなたは今もどこかで自分の価値や存在意義に悩んではいないだろうか。人を羨んだり、嫉妬したり、そんな自分が嫌になったり。

人と違うって、きれいなこととして語られがちだけど、心から認めるのってめちゃくちゃ難しい。実際、ミュージカルプログラムの中で何度か嫉妬や羨望の気持ちを覚えた僕はたぶん違いを受け入れることを実践できているわけじゃない。

だけど、そんな気持ちを100日間体験してきた僕はあなたの心を少しでも救うことができると思ったからこの記事を書いた。

あなたのことを理解することができなくても、言葉の熱量で。

ミュージカルは今週末(2024年1月17日現在)開催される。
歌と、踊りと、言葉の熱量で見ている人の気持ちを鼓舞したい、そんな思いで臨みたい。
新潟テルサで開催されるから、ぜひ、記事を読んでくれたあなたには見に来てほしい。

「A COMMON BEAT」
舞台で描かれる「世界」は、様々な文化の特徴を持った4つの大陸で成り立っています。人々は互いに他の大陸の存在を知らずに、独自の文化に根ざした彩り豊かな歌や踊りを楽しんでいました。しかしあるとき、1人が他の大陸の存在に気が付いて…
文化やバックグラウンドが違っても、私たち人間は理解し合い、共存することができるのでしょうか。私たちをつなぐひとつの鼓動、「A COMMON BEAT」を見つけることはできるのでしょうか。

〈公演日時〉
 2024年1月20日(土)
 ①19:30開演 (19:00開場)→満員御礼!🈵
 
 2024年1月21日(日)
 ②13:00開演 (12:30開場)→満員御礼!🈵
 ③17:30開演 (17:00開場)

〈上演時間〉
 約90分

〈チケット料金〉全席自由
 一般:3000円
 中高生:1500円※学生証をご提示ください
 小学生以下:500円※未就学児で座席の利用がある場合はご購入ください

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?