デザイナー志望の学生がSXSW2019に行ってきた話。

毎年3月頃にアメリカ テキサス州 オースティンで開催される、SXSW。聞いたことある人もない人もいるかと思います。僕も2年前まで全く知らなかったです笑

SXSWとは、簡単に言うと「世界最大級のテクノロジー×映画×音楽の祭典」です。そんな巨大なイベントに今回、Mercari Bold Scholarshipの学生として3/10 -3/18の一週間現地に行ってきました!

↓SXSW 2019

↓ 2016年の動画で少し古いですが、SXSWがどんなイベントかをわかりやすく説明してくれてます。

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本題を始める前に僕がSXSWに知るまでの話を少しだけすると、

最初にSXSWを知ったのは、アメリカ留学中にAirbnbストーリーの本を読んでいる時でした。

Airbnbのコーファウンダー達がSXSWにあわせて、部屋や予約サイトを自前で用意し、その後SXSWをきっかけにいろんなことがありながらAirbnbが軌道に乗っていく姿に魅了され、僕自身もSXSWを調べていく過程で憧れのイベントになりました。

また僕は普段デザイナーとして活動しているバックグラウンドがあり、デザインが心から大好きな僕にとってSXSWは人生で一度は行ってみたいと思えるイベントでした。

とは言っても、個人で行こうと思うと軽く50万は超えてきます笑 

なので社会人になってからお金を貯めて〜とか、あわよくばデザイナーとして入社した会社から派遣されて行こう。。というふうに漠然と考えていました。

それがこんなに早く夢が叶うとは思っていませんでした。。。(泣)本当に連れて行ってくれたメルカリさんには感謝しています。

※僕が今回のMercari BOLD scholarship for SXSW 2019に参加した経緯はこちらの記事に詳しく書いてあるので、ぜひ合わせて読んで見てください!

[近日公開予定]

ということで今回は、僕がSXSWに行って何をしたのか行ってみて何を感じたのかを書いていこうと思います。(めっちゃ長いです)

SXSWとはどんなイベントなのか?

冒頭でも少し紹介しましたが、SXSWを簡単に説明すると

SXSWは毎年3月にアメリカのテキサス州オースティンで開催される、音楽・映像・インタラクティブメディアの祭典
https://www.sxsw.com/festivals/より引用

なのですが、実際行ってみた感想でいうと決して3つのテーマがそれぞれ展示されているようなイベントではなく、上記のテーマ以外にも様々なイベントや登壇スピーチ等がありいろんな要素複雑に入り込んでいました。

その中でも、共通したテーマ的なものがあります。それが「未来」です。他にも共通したテーマがあると思いますが、様々なトピックから未来のあり方を考えるという側面が強く感じられました。

イベントは、展示系と登壇者によるスピーチやワークショップ等があり、僕もすべて参加してきました。

SXSWに参加する上で持っていた自分のテーマ

僕はSXSWの参加が決まった際、自分の中でテーマを持っていきました。

そのテーマが、「自分にとってのデザインはなにか、そしてデザイナーとしてデザインを未来でどう使っていきたいかを知る」ということ。

このテーマに決めた理由としてはいくつかあるのですが、一番大きな理由は「デザインとはキレイなビジュアルのことではないと普段から思っていたから」です。

僕はデザイナーとして活動していていますが、今後も人の体験を向上させるための手段としてデザインを上手く使えるデザイナーになりたいと思っています。僕の認識でのデザインは、問題解決や新しい仕組みを考え、価値を届ける手段であると思っていて、もっと目に見えないところがデザインの価値だと思っています。

そういった思いがありながら、自分もいつか世界に出て活躍したいという思いがあったり、テクノロジーが好きということもあり、世界の人はデザインの意味をどう捉えているのか?また今後将来的にデザインはどう使われていくのか?ということを知りたいと思いました。

久々の渡米

そんな思いを抱きながら、SXSWという憧れの場所に純粋にワクワクした心境でアメリカに向かいました。(渡米は数年ぶりなので、それが嬉しすぎたのもありますw)

※もっといく前の嬉しさとか、興奮の心境を書きたいですが最強に長くなって収集がつかなくなるので今回は割愛します。

↓テキサスの上空。夜明けと共にアメリカに到着しました。

アメリカ到着後はダラスで乗り換え、オースティン空港についたときは控えめにいってめちゃくちゃ興奮してました。笑

空港内にすでにSXSWの公式グッズを売っているお店があるんです。

ほんとに街を上げて祭りをやっている感じでした。

その後はウーバーでAirbnbに行き、すぐさまSXSWの本会場へ向かいました。ちなみに泊まったAirbnbが豪華すぎてやばかったので見てほしいw

↓Airbnbのページ

(僕も将来こんな家に住みたい。。)

到着の興奮で話がだいぶ逸れましたが、上記のテーマをもとに僕がSXSWで実際に見てきたものとそこから感じたことを書いていきたいと思います!

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インタラクティブ: テクノロジー × デザイン

SXSWは10日間の期間の間にイベントのテーマが「Intractive/Gaming/Film/Music」というふうに切り換わって行きます。(だいたいは繋がってますが)

到着して最初に訪れたのはインタラクティブ会場。

インタラクティブでは日本企業の出展が多く、コンテンツも気合が入っているなと感じました。

インタラクティブ会場では、Trade showと呼ばれる世界各国のテック系のプロダクトが展示されているところや、Twitter houseやDell houseのような企業ごとに一つの建物をすべて使ったブース等がありました。それぞれの場所で非常に面白い体験ができたのですが、僕が特に体験として体が感動を覚えてるものについて紹介していきたいと思います。

↓SAMSUNG HOUSE

↓DELLHOUSE


SONYブース / Cave

最初にがっつり体験した場所がSonyのブースでした。日本企業の代表としてブースの規模も大きくて、五感を使って体験することができるコンテンツが最も多かったブースでなと感じました。

特に面白かったのがCaveです。

これは、洞窟の中を体験するというコンセプトの体験型のコンテンツで、本当に何も見えない暗闇の中で、Sony製の耳の中に入れないタイプのヘッドセットをつけて洞窟に降りていくというコンテンツです。洞窟といっても実際に洞窟に降りるのではなく、ディズニ―のセンター・オブ・ジ・アースのエレベーターのイメージです。振動がフィードバックとして得られるリフトに乗ります。

こんな感じで、何も見えない中「洞窟の中の音の聞こえ方」を体験しました。

これのすごいと思ったところは、リフトに乗って、洞窟の底についた瞬間に自分の息がめちゃくちゃリアルにエコーしているところでした。耳の中にイヤホンを入れていない状態 + 視覚的な情報がないので本当に洞窟に来た感覚になりました(マジです)

なんなら洞窟のひんやり感も急に感じましたw(空調はいじってないらしい。)

NHK 8K 120fps

次に体験として身体が興奮した状態を覚えているのが、NHKとSonyの8K 120fpsを大画面で体験するコンテンツです。

4Kは今でこそいろんなデバイスで視聴できるようになっていますが、その倍をいく8K、更に120fpsという超ぬるぬるの映像が見られるということで、いく前から注目していたブースでもありました。

実際に体験して見て思ったのは、

VRより没入感すげえ!!

これは本当に感動しました。初めてVRでA○を見た時よりも感動しました。

特に美ら海水族館の映像とサカナクションのライブ映像(見ている位置とライブ映像の距離感が一致した時)は現実として錯覚できるほどでした。

というのも巨大なスクリーンなのにスクリーンの境界線がほとんど見えず、一枚のスクリーンとして認識することができたから。

↓8Kの映像です。

映像コンテンツを現実にどれだけ近づけていけるかというのは、主にVRが担う領域だと考えていましたが、8K 120fpsの解像度のスクリーンに全方向囲まれたら映像コンテンツの新しい体験になるなと思いました。

Trade show

インタラクティブ会場では、トレードショーがかなりメインのコンテンツになっています。

ここではVRやARデバイスを使ったコンテンツやハプティクスを使ったデバイスが特に体験できるコンテンツとして多かったです。

特に日本企業や東大の学生ブース(TODAI TO TEXAS)が輝いていました。


↓去年のMercari BOLD scholarship参加者の方も出展側として参加されていました!

自分は普段VRやARデバイスを使用できる機会がなかなかないので、このトレードショーではとても面白い経験ができました。

その中でも面白かったものを紹介したいと思います。


①VR×エクササイズ

VRデバイスをつけながら、トレッドミルでエクサイズをするというコンテンツ。体験としては面白かったですが、VRデバイスつけて走るのは重い。。 


②SUSHI SINGULARITY

電通さんがプロディースしていた、3Dプリンタで出力した寿司。実際に2020年にオープンするそう。食の概念を変えていく系は体験向上として面白いなと思いました。

特に寿司という型にはまった概念があるものを変えていくというのは未来感があって好きです。実際めちゃくちゃ高そうですが、行ってみたい。


③食事を楽しくするお皿

これはTOSHIBAさんが開発中の食事をインタラクティブにするお皿とプレート。

子供が料理に興味を持ったり食事を楽しめるようにと開発されたらしいですが、味や匂いを感じる+咀嚼音が聞こえるという食事の体験に加えて、視覚的な情報や作られたより美味しそうな音という体験が加わるのは面白いと思いました。

子供用だけでなく、コンテンツを大人用にすればそうゆう体験ができるレストランがあっても面白い。

SXSWインタラクティブから感じたこと

インタラクティブの会場でテクノロジーとデザインがどのように使われているのかを見ることができました。

モバイルだけがインターフェースではないということ。

当たり前ですが、普段生きていると最も多く使うデバイスは今の所PCやスマホです。それを使って人間の体験を上げていくという領域が主軸な気がします。

ただ今回SXSWインタラクティブで感じたことは、本当に様々なインターフェイスの種類があり、それぞれが独自の思想でデザインされていること。その多様性がとても面白かった。

ハプティクス技術や脳波のテクノロジー等を見ていても、未来はより直感的なインターフェースになるのかなと言う感じがしました。テクノロジーの可能性をデザインと共にどのように人に価値を提供していくか。そのヒントを得られたと思います。

Media arts : テクノロジー×アート

次に紹介しておきたいのが、テクノロジー×アートの領域としてのメディア・アート。

UNESCO:Media arts

UNESCOによるメディアアートの展示会場から面白かったものを抜粋。

①ARで生きるアート

ARを使ったコンテンツはインタラクティブ会場でも多かったですが、静止画をARで動かせるというのはストーリーを乗せることができるという面で非常にアートと相性がいいと思いました。実際かなり感動しました。


それぞ俺の葉っぱに触れると音がなる木

この葉っぱは触ると音がなります。ワイヤー等はどこにも見えず、どのようにセンサーが動いているのかが不思議でした。また癒やし効果があるらしい。


The Japan Island

落合陽一さんプロディースの日本をテーマにしたブース。ブース全体がメディアアートな空間で、ネオンの色合いや80年代っぽさのあるゲーミングのブース等も個人的に好きでした。

あと落合陽一はじめてみた笑

↓なんか受賞したらしいです。おめどうございます。


あとは、Vertual CinemaというVRのコンテンツが凝縮されたブースの一角にあったこれをぜひ紹介しておきたい。

名前は忘れましたが、このスカルプチャーの中にVRヘッドセットを使って入っていくというコンセプトがかなり好きでした。自分が中で移動するとスカルプチャーも変形します。

アートの街オースティン

オースティンという街自体がアート色に非常に富んでいて、歩いているだけでもインスピレーションを得られることが多かったです。

そもそもアートとはなんなのか。

僕の中での暫定的な概念としては、「アートは問いである」ということ。つまり作者による大きなテーマはあれど、見る人によって解釈が違ったり、違うアイデアが生まれたりする。それも含めて作品の要素だと思います。

それに加えてメディアアートのいいところは作品がインタラクティブになるところ。

それぞれの解釈で感じることが違うことを楽しんで、それを友人と話し合うという面で、アートはコミュニケーションツールであるなと思いました。

IBM Designのワークショップ

今回のSXSWの中でも、大きな学びを得ることができたのがワークショップとセッションです。

正確にはわかりませんが、頭のいい人はほんとにわかりやすい言葉で説明するんだなと改めて思いました。英語が完璧ではない僕ではほとんど理解することができました。(ありがたい)

特にここで紹介しておきたいのが、IBM DesignのプロダクトデザイナーによるワークショップDesign Ethicallyです。

このワークショップでは、グループに分かれて実際のアメリカのスタートアップのプロダクトをリデザインしながらデザインの効果的なプロセスを倫理的な観点も検証して学ぶという体験をしました。

会場は少人数でアメリカの大学で授業受けてる感じ笑

僕のテーブルにもいろんなバックグラウンドを持ったデザイナーの方がいて、プロダクトが持つ要素を多角的に話し合いました。

ワークショップでは、「プロダクト開発では倫理的な側面からも考えることが重要」だと提唱しており、本当にユーザーにとって必要なものとプロダクトのグロースのバランスを取らなければいけないということを学びました。

そのために、どういったデザインプロセスを踏んでいくか、また究極的に企業の社会的責任がただのキャッチフレーズではなく企業全体に浸透するような文化を作っていくべきだと行っていました。

確かにプロダクトで最も考えるべきところは売上だと思います。しかし、売上を求めるがあまり意図的なバッドUXを選択してしまったり、ユーザーをプロダクトに依存させすぎてしまったりしてしまうことがあります。

それを解消していくために、企業も多くの解決策をデザインに落とし込んでいます。

例えばアップルがiOSにスクリーンタイム機能を導入したりとか。

テレビを見るときは部屋を明るくして、離れてみてください。

これを覚えている人も多いかと思いますが、人間の健全な生活が本来最もプライオリティが高いはずです。

そこを破壊せず、どうやってユーザーの体験を向上させていくか。そこにはそれを検証するためのデザインのプロセスが必要であり、これからも考えていくべきところであると感じました。

あともう一つ感じたことは、デザインプロセスは共通言語になるということ。いろんなバックグラウンドを持った人たちとも、プロダクトを建設的にいい方向性に持っていけるプロセスの偉大さを感じました。


inVison / Stephen Gates氏のスピーチ

このあとに聞いた、InVisionのチーフエバンジェリストのステファン氏の登壇では、インハウスのデザインチームをどう強くしていくかについて学びました。

そこで印象に残っているものとして、デザインは「プロセスとその企業のカルチャー」によってアウトプットされるものであるということ。

つまりアウトプットされるデザインは企業のカルチャーやミッション等が大きく影響を与えるわけです。だからこそ、どれだけ企業として目指すべきところや考えるべきところが重要だというのがわかりました。

まとめ

ここまで、SXSWでの体験について色々と体験を書いてきましたが、一番検証したかったテーマであるのは「自分にとってのデザインはなにか、そしてデザイナーとしてデザインを未来でどう使っていきたいかを知る」というところ。

僕も普段からデザインのことは学びながら考えていますが、結局これからもデザインを使って人間の体験をどう向上させるのかということが大事です。

ジョン・マエダの2012年のスピーチ(ちょっと古いけど)の言葉を借りると、

Technology → 可能性
Design → ソリューション
Art → クエスチョン

それぞれがこのような要素を作っていると言っていました。

SXSWではそれぞれの要素を見ることができましたし、それぞれが合わさって未来を良くしていくために、この要素をどう使うかというところも見ることができました。

未来をより良くしていく為にデザインを使える領域は無数にあり、どれを選択していくかは自分の興味やミッションによって変わっていくと思います。またこれから領域の境界線がなくなっていくこともあるかも知れません。

そんな中でSXSWを自分の中で位置づけるとするならば、「多様な知見に触れ吸収する→自分の中のクリエイティビティを進化させていく。そして未来を考える」というところがSXSWで得られるスパイスだと思います。

Technology → 可能性
Design → ソリューション
Art → クエスチョン
+ SXSW
= 今後自分がデザイナーとして実現して行きたい未来へのヒント

僕はSXSWにいって普段携わっているモバイルやWeb領域以外のインターフェースや体験の知見を得ることができましたし、人の体験を向上させるためにデザインをコアなバリューとして使うという意識が深くなったと思います。

最後に

普段普通の生活をしているとテクノロジーの可能性が信じづらくなっていく感覚があります。でもSXSWでは「もう一度テクノロジーでワクワクする」という体験ができました。

普段モバイルベースでアプリのデザイン等をやっているますが、今をもちろん考えることも大事だけど、未来の生活の可能性を考えワクワクするのは人間の本能を刺激する体験だと感じます。

(そういえばみんなドラえもん好きだよなって)

最後にSXSWで得られた体験について一言でいうならば、

世界は最高に面白いもので溢れていて、未来は明るいはず。

ということ。ほんとにこんな貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。そして同じスカラシップで出会えた最高に仲間たちが本当に財産です。これからも自分の目標に向かって、Design for Smileを体現できるデザイナーになれるように頑張ります!

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SXSW中のツイートもぜひ見てみてください!僕以外のメンバーもめちゃくちゃ有益なツイートしてます!

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Ryohei Ano

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