Xデザイン学校第5回 質的調査の分析

今日はいつもに増して、脳を酷使しました。前回よりも強い疲労感を覚えています。

前回と今回のワークには、社会システムの発見を通して、そこからビジネスに転用できるエッセンスを抽出し、リフレームを行うという大きな流れがあったのですが、私は最後のワークの途中までその流れを全く理解できていませんでした。何が正しくて何が間違っているのかわからず、それらしいUXパターンの導出に至るまでにかなりの時間を要しました。

結果的に逆転へとつながったのは、チーム皆さんが最後まで諦めずに考え、特に堤さんに積極的に議論をリードしていただいたこと、そして大矢さんの粘り強い思考があったからこそだと感じています。とても勉強になっております。今後ともよろしくお願いいたします。

私たちのチームでは、KAカードの質が悪いというわけではありませんでしたが、それらをまとめる視点が個人的なレベルにとどまっていたことが根本的な問題でした。観察と分析では、頭の使い方をガラッと変える必要があります。議論が煮詰まっていましたが、システムを見ようと意識すると、不思議と違う景色が見えてきました。あの瞬間のひらめき感は強烈に記憶に残っています。

UXパターンの導出の際、単体のKAカードからそれらしいものは出来てしまうのですが、そうやって出来たUXパターンをいくら並べても、本質的な「豊かさ」というのほとんど見えてきません。しかし他の班のUXパターンで発表された、社会システムに基づいたUXパターンは、それがたった1つであっても「社会の豊かさ」を想起させるものでした。

たった数語ででそれだけのことを伝えるのですから、UXパターンの導出の過程とその表現方法に妥協をしてはなりません。私たちのグループも表現の遂行をやめることは出来たのですが、その言葉から想起されるものと、考えていることとのイメージのギャップを埋めるべく推敲を繰り返すことでその精度が飛躍的に高まったと感じています。実際、古いものが続くことに価値がある、という表現の「もの」を「こと」に変えたことで、伝えられる内容が大きく変わっています。

社会システムの発見は、たくさんの点から浮かび上がる大きな方向性を見つけるのに似ています。UXパターンの導出は、そうして見つかった方向性を、その本質を抜き出して転用可能な形態に直すという感じだと思います。論理はとてもシンプルで明快です。やるのはひどく難しいことですが…。(表現が不適切、あるいは間違っていたらすみません。)

一点、今でもよくわからないのが、サービスの評価方法です。出来上がったサービスと利用したUXパターンの関係をどのように評価できるのかについては、色々なサービスをこの視点から照らし合わせてみたりしないと、わからないものなのかもしれません。

今回の学びは、大変大変貴重なものとなりました。数多くの示唆を与えられたように思います。今後は観察のクセづけだけではなく、事実がどのようなシステムに基づいたものなのか、その本質的な価値がなんなのかに目を向けられるよう、色々とやってみたいと思います。

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