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成長は、自分を手放すことからはじまる

これはroot Advent Calendar 2022のDay1記事です。

rootで働き始めてから、とりわけ「成長すること」について、いろいろな形で実感することが多いです。リアルタイムで成長していく事業と向き合ったり、チームやメンバーがより良くなる方法を考えたり、そういった機会に恵まれています。

本当はふりかえり記事を書こうと思っていたのですが、この数年は「成長すること」を身体的に捉え直せたのが大きな学びだったので、このことを書いてみます。

成長 = 何かが伸びること?

成長の一般的なイメージって、何か中心になるものがあって、それにいろいろな「出来ること」がくっついて行ったり、何かが高まっていくことなんじゃないかなと思います。

Googleで「成長」をキーワードにして画像検索した結果
「成長」で画像検索すると、右肩上がりのイメージが結果に並びます

これは条件付きで正しいと思います。自分が勉強していること、大事にしていることの方向が、目標と同じ向きを向いている時は、ただ技術や知識を磨いていくことで成果が高まっていきます。
もし自分がデザイナー初学者だとしたら、引き出しのパターンを身につけたり、道具の使い方に詳しくなる、ということを続けていけば、それが成果につながり、成長の実感につながっていきます。

つまり「うまく成果物が作れるようになる」という目標にむかって、必要な状態が「引き出しがある」とか「うまく道具を使える」ということだからです。
ですが状況が変わり、目標そのものが変わってしまったときに同じことをしていても、それが有効に働くとは限りません。

固着した知識が逆効果を産んだ経験

デザイナーとしての経験でよく覚えているのは「わかりやすいことが常に良いことである」という思い込みのことです。
あるプロダクトの立ち上げ時に、クライアントから見せてもらったプロトタイプはとても情報量が多い表のようなものて、これだとどこを見れば良いのかわからない、と言えるものでした。
これをより読みやすく、使いやすいものにするため、余白を十分に取ったり、要素の強弱を強くつけるなど、定石的な方法でプロトタイプを作りました。

しかし、利用者に向けてのテストを行ったところ、むしろ操作がうまくいかないという状況に陥りました。
わかりやすくなったと誰もが思っていたはすなのに、なぜダメだったのか。振り返りをしたり、これまで作ってきたパターンを見直す中で、大きな見落としを見つけました。
それは、利用者の性質についての誤解です。

今思えば初歩的なミスですが、このプロダクトの利用者は普段からたくさんの情報に触れていて、自身でもそうした資料をつくるという共通した性質を持ちます。
なので、むしろ無駄な余白や強弱は作業性を阻害するもので、避けるべきパターンだったのです。

この仮説に基づいたプロトタイプを改めて作り、テストを行ったところ想定通りの結果が得られました。
「わかりやすいってこういうこと」みたいな考え方は、時に判断を大きく誤らせます。
この仕事では、既存の「よく言われているわかりやすさ」から離れて、より正しいわかりやすさを認識しなおす、そういう経験を得られました。

頑張りが逆効果になったプロジェクトのリード経験

他にも似た経験があります。プロジェクトのリードを担当するようになってから、しばらくした時のことです。一際愛着のあるプロジェクトに関わる機会ができ、生まれてくる問題に片っ端から突っ込んでいきました。しかし一生懸命やっているのに、チームでの議論が空回りし、進捗も思うように出なかったのです。

悶々としていたら、代表の西村さんと話す中で、意外なアドバイスをもらいました。
「岸さんが一生懸命やるの、やめてみたらどう?」
もちろんサボれという意味ではありません。しかしそれがわかっていたにせよ、強烈な心の引っかかりを感じました。僕にとって、目の前にある問題にすぐ対処するというのは、とても大事なことだったからです。

問題を解く→成果を出す

アドバイスを聞いた後も、この引っかかりはなかなか解けませんでした。自分のやり方を変えたくないし、このスタンスが良いものを作るために必要だと信じ込んでいたからです。

それでも、プロジェクトで関わる領域が広くなるにつれて、個別の問題に深く関われる機会が減っていきました。自分が問題の解決まで関われないことに不安を感じていましたが、物理的な限界はいずれ来てしまいます。
ですが、自分が深く関わらずとも、問題はいつのまにか解決されていました。そしてそれを繰り返すうちに、チームのそれぞれのメンバーが主体的に議論を作り出す空気がうまれました。

この時に、西村さんのアドバイスをあらためて実感しました。チームがうまく回るためには、チームで学習する必要があります。なのに、僕は目の前の問題を解かねばと思うあまり、チームが学習する機会を奪ってしまっていたのです。
それからは、チームで問題を考えられるよう、環境を作ることを自分の仕事にしました。解くのではなくて、正しく置くという感じです。そうすると、不思議と議論が噛み合っていきました。

成長は、自分を手放すことからはじまる

こういうエピソードは他にもたくさんあるのですが、どの経験でも、自分が正しいと確信していることって、当たり前すぎて疑うまで時間がかかりました。 それはたぶん、自分にとって大事なことでもあるはずなので、ふつうは信じていて良いと思います。

最初に話した通り、明らかに何かの知識が足りないとか、行動に移せてないとか、そういう時は自分を信じて頑張れば良い。  でも、いろいろ工夫しているのにうまく行かない時は、自分が信じ込んでいることによって何かが起きているものです。例えば「自分に足りないものはこれだ」とか「自分の役割はこれだ」とかは、信じ込んでしまいがちなことだと思います。 

成長するというのは、今ある状態を手放して、作り直すことです。
事業も組織も生き物のようなもので、時間がたつと自分の意志とは無関係に変化していきます。そういうとき、自分が信じているものにすがり続けてしまうと、頑張ってるのにうまく行かない状況が生まれてしまいます。

そんな時は自分を少しだけ手放して作り直し、環境に最適化させていく、そういうやり方をとるのが良いはずです。 もちろん自分を手放すのはとても勇気のいることです。でもこの勇気が、自分を変え、世界を変えることにつながっていくんだと思います。めちゃくちゃ応援したい。

  まぁでも一気に手放しちゃうと自信もなくなりそうなので、上手な手放し方を身につけて、しなやかに健やかに学んでいきたいですよね!この「手放し方」もいろいろとありそうです。 
手放すのが怖いときや、何を手放せばいいのかわからない時は、ぜひまわりの人に相談してみてください。 
なんなら僕も壁打ちの相手になりたいので、デザイナーになりたいけど空回ってる気がするとか、最近何かデザインうまく行かない、という方はぜひお話ししましょう!TwitterのDMお待ちしてます!


明日は、代表の西村さんによるデザインプログラムマネージャーについての記事を公開予定です!
ぜひお楽しみに!


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