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松本城見物

12月28日土曜日、晴れ

朝、起きて寝こける長男に何度も声をかける。起きない。ああ、これでは普段と変わらないじゃないかと妻と顔を見合わせ嘆息。そうこうしているうちに「朝食の用意ができました。お迎えにあがってよいでしょうか?」とフロントから連絡がくる。はいと答えたはよいけれど、悪いことに起きてくれない。首に手を差しいれえいやと上体を起こしてもずるずると力が抜けて倒れ伏す。

僕も母から「火事が起きたら焼け死ぬねえ」と言われるくらい寝坊助だったが、この寝こけっぷりは僕をかつての僕を上回っているんじゃあないだろうか? 余裕で。

ついに痺れを切らした僕は奴の両脇を抱えて立ち上がらせる。と、ようやく動き始めた。ここまでせねばならんか──。そして扉を叩く音が。ああ、間に合わなかった。すみませんと伝えると、じゃあしばらくしたらまた来ますと笑顔。あああ、申し訳ない恥ずかしい。

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朝食もどっさり色とりどり。写真には収まっていないけれど、おかゆにご飯、そして油揚げたっぷりの味噌汁も。加えて納豆と、そして生卵があったのでご飯をお代わりしてTKG(卵かけご飯)までたっぷりいただく。

部屋に戻ると大慌てで内風呂と露天風呂をもう一周、着替えて荷物をまとめチェックアウト。

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松本駅ちかくのコインロッカーにスーツケースを放り込み、いざゆかん松本城。

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松本城。廃藩置県の折に廃城となり競売にかけられ売り飛ばされたあと、地元の有志が博覧会を企画したり財産を供出したりで買い戻したのだとか。

城内には火縄銃や大筒が数多く展示されており、また仕掛けや制作にまで触れられていて誠に興味深い。

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天守6階には二十六夜様が祀られている。月の神様──なのかな?

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板張りの場内は土足厳禁。靴を脱いで上がるのだけれど、冬の最中、陽の差し込みも乏しいので恐ろしいほど冷える。ちょっとでも陽が当たっている場所を見るとすすすーっと近づいて、ささやかな温もりで足裏を労る。そんな光景があちらこちらで見られたことである。

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城の隣の博物館にも寄ったあと、昼ご飯に蕎麦を食べる。妻ともども、ざるにすればよかったとあとから嘆くも後悔先に立たず。だってねえ、寒空の下40分も待って凍えたのだもの。

でもかけそばの出汁つゆはあたたかく、優しい味でございました。

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妻が土産を選び終えるのを待ち、『あずさ』に乗って家路につく。

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