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3すくみ

12月26日水曜日、晴れ

夜更かしが祟って起きられず。
遅れて飛び乗った京王線は人身事故の影響で遅延。まさか各停だけになっていたとは……。

水曜日、ノー残業デーを遵守しましょうと、ちょっとしたお祭りっぽくなっている。みんなギリギリまで席を立たないけれど、その間際、水が引くようにいなくなる。

今日はチキンレースに負けて最終退室。2分遅れてしまった。(社内ホームページの違反者リスト掲載確定。なんの罰ゲームだろうか、これ)

* * *

14年の記事だけれど、じゃんけんで勝ちやすい方法があるとか。

研究チームによれば、「あるプレーヤーが1回目のじゃんけんで相手に勝った場合、2回目のじゃんけんで同じ手を繰り返す可能性は、手を替える可能性よりもはるかに高い」という。一方、あるプレイヤーが2回以上負けた場合、そのプレイヤーは手を替える可能性が高い。しかも、相手が自分を負かしたときに出した手ではなく、前回相手に勝てたはずの手に替える可能性の方が高いという。

長く書かれているけれど、「人は勝った手を続けて選びやすい」傾向があるとまとめてよさそう。

『2回目のじゃんけんで同じ手を繰り返す可能性は〜』はまさにことことを言っていて、負けた場合の『前回相手に勝てたはずの手に替える可能性が〜』は、(勝った)相手は同じ手を繰り返すことを信じるなら理にかなっている。

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生命は、生存を継続するために一番コストの低い方法を選択するように進化を遂げてきたはず。

勝ったときにその成功を(同じ方法で)繰り返そうとするのは、その帰結として自然におもえる。また負けたときに(同じ失敗を繰り返して傷を負わないよう)手を替えるのも納得がいく。
(死なない程度にたくさん失敗して、間違った道を選ばないようにできたものから順に迷路を脱出していくというアナロジーもよさそう)

面白いのは、敗者は勝者の戦法を真似することで勝ちを得られる──はずのところ、同じ手を選ぶなら引き分けになってしまうということが事前にわかること。そしてそれならば(成功を相手は繰り返そうとするはず)と、それを出し抜いて勝ちを取りにいくところ。

・勝ち(成功)を得たら、あぐらをかいてしまう
・負けたなら、できるだけ有利な戦法で成功を狙う

なんといえばいいのか。
あくまで勝とうとすることで強くなってきた人間という種の欲深さと、勝った途端にバカになってしまう限界がよく表れているような気がする。

* * *

じゃんけんで連戦する際のベストな戦略はこうなる。1回目のじゃんけんで負けた場合には、相手が直前に出した手に勝てる手に切り替える。逆に、勝った場合には、同じ手を繰り返すのではなく、自分が先ほど出した手に負ける手に替えるのだ。つまり、あなたに負けた相手が直前に出した手を出せばいい。

この後半、「相手に勝ったら、自分の手に負ける手を出す。つまり相手が出した手を出す」という説明が難しくて頭に入ってこなかった。「つまり」が、どう「つまり」となのか。

解きほぐしてみる。

相手に勝ったら。
相手は僕が慢心して同じ手を出してくるはず、と思い定めてこれに勝つ手を出してくる(可能性が高い)。
だからこれを負かす手を出す必要がある。

グーを出して勝ったなら、相手は次にパーを出してくる。これに勝つにはチョキ。──つまり自分が出した手に負ける手で、そして相手が出して負けた手だ。

自分が出した手に負ける手。つまり、当の相手が出した手を出す。
なるほど。

じゃんけんは3すくみなので、ある手に勝つ、その手に勝つ手は、当の手に負ける手。なんとも奇妙なことだ。

* * *

負けたら、打ち負かす手を。
勝ったら、負かした相手の手を。

あるいは、

負けたら一歩進み、勝ったら一歩退く。

(とっさにできる気がしない)

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