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LIFE VINCENT MEMO PAD

長年使い続けていて、いつでも買えると思っているものが突然販売終了になるショックは大きい。しかもそういう物は、たいがい予備も含めて複数個ずつ買うので気づくのが遅れてしまう。

文具のライフ株式会社から出ている、ライフ ヴィンセント メモ。A7サイズのいわゆるリングメモだ。とある仕事で移動しながらメモを取る必要があり、もう10年くらいこの商品を使っている。それまで様々な商品を試したが、私にとって「これしかない」というくらいの定番である。100枚というボリューム。長年酷使してもヘタらない表紙と裏表紙。「和ピッチ」というらしいが間隔の広いリング。

用紙が最終ページで止まる仕組み。もちろん紙質は最高で、裏写りもなく指で確実に1枚ずつめくる事が出来る。短い時間で書くときに、付箋をつまんで開き、書いたら左手だけで裏表紙の両サイドをつまんだまま、手前にあおるとパタンと閉じる。これは感覚なのだが他のフニャフニャのリングメモでは出来ない。使っていて気持ちが良いのである。


使用中の見開きの右上に、スリーエム ジャパン株式会社のフィルム付箋「ポスト・イット® ジョーブ コンパクト 透明見出し」を貼る。私は紙の付箋は大嫌いなのだが、これは本体がかなり丈夫な上に粘着力も強い。数ヶ月に1回程度交換すれば良く、まったくなくならない。

筆記用具は三菱鉛筆株式会社の「ジェットストリーム 3色ボールペン 0.5mm 透明ブラック」だ。使い慣れたものなら手探りでも色の選択に迷わない。

10年間で確か5〜6冊くらい使ったと思う。その仕事の初期よりも最近はメモをとる必要が減ってきた。現在使用中のものは2019年12月9日使用開始とある。3年3ヶ月が経過してまだあと10数枚ある。「そろそろ買うか」とネットを検索しても全く見つからなくて焦った。

そう言えば前回購入したときもネットにも大型店にもなくて探した記憶がある。いろいろ調べると手持ちのN88は既になく、同じ仕様の後継はN188だがそれすらなかった。N188の後継はライフ株式会社のサイトにも見当たらなかった。

宮城県のとあるネットショップにN188の在庫があった。青・白・赤・黄・黒の5色展開だが、私好みの黒だけが在庫ありになっていた。残数は分からない。1つで良いかと思ったが、私がその仕事をするおおよその残り年数を考えると心もとない。ダメで元々で「数量2」にしてみたら注文が通った。神は我を見放さなかった。そして「SOLD OUT」になった。


N88からN188への変更点として紙の種類があるらしい。N88はOKシュークリームだったが、N188はメヌエットだそうだ。いま触ってみてメヌエットのほうが若干厚いように感じるが違いはほとんど分からない。

紙の種類は、米坪(1メートル四方あたりのグラム数)や、紙厚、不透明度で決まるらしい。以前テレビで紙を指で弾いて重さや厚みを当てる職人を見たが、プロの技にしびれた。熟練の寿司職人が一発で一定量のシャリを手に取るのに似ている。

これで私が仕事を辞めるまでは大丈夫だろう。



同じようなことを以前にも書いたなと思ったが、noteではパーマセルテープについてだった。他にSNSではフィルムの現像で水洗後に水滴を拭うためのKINGフォトスポンジW、現像液のコダックD76がそうだ。あとはニコンのストラップAN-4Bが終了になったら深く悲しむだろう。ちなみにスポンジはヨドバシでは終了したがメーカー直販では復活している。しかしかなり高価になった。

余談になるが家で何か書くときはシャープペンシル以外では、ステッドラーのピグメントライナー0.5mmである。これは相当長く使っている。美術学科に在籍していた大学の後輩に「そんなペンを普段から使ってるんですか!」と驚かれた記憶があるので、かれこれ30年以上になると思う。0.4mmや0.3mmにしたこともあるが、「しっかりガッチリ」書きたい方なので0.5mmに戻った。


黒が黒く出る最高のペンである。STAEDTLERはドイツの会社だ。イギリスの写真用品メーカーILFORDもそうだが、同じものを頑固に作り続けるヨーロッパは素晴らしいと思う。

ライフ株式会社取扱店の、とある大型文具店が仕事場の近くにある。3年3ヶ月使い込んだヴィンセントメモを見せて聞いてみた。真面目そうな眼鏡の男性店員は、戸棚からメーカーの分厚い本を取り出して調べてくれた。「廃版のようですね」。「そうですか。これが一番使いやすいんだけどな」と言うと「ああ~」と何とも言えない表情をした。

文具が好きで文具店に就職したのだろう。カメラ店でも何でもそうだが、こういう時のそんな店員の表情には共通するものがある。「ライフは結構すぐに廃版にするんです」とも言っていた。それ以上は話さなかったが、「廃版になっても後継は出す」といったニュアンスだった。私はあと2冊で充分だが、こんな良い製品がなくなるのは惜しいと思う。メモ自体もう使う人は少ないのかな。


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