見出し画像

フランス、La bise (ビズ)の話。 今こそお辞儀の時代だ

La biseとは左右の頬と頬を合わせて、唇でチュッと音を鳴らすフランス式の挨拶のことです。フランスにきてそろそろ1年が経とうとしていますが、この習慣にはまだまだ慣れません。La bise するのか、しないのか、みたいな少し気まずい瞬間がよくあります。

どのタイミングでビズをするべきか、どのぐらい仲良くなったら、そして男性にもするべきなのか、わからないことだらけです。

基本的には家族親戚、そして仲の良い友達と会った時、別れ際にLa biseをするのが基本です。しかしフランス人は他にも色々な場面でLa biseをします。

例えばクリスマスプレゼントをもらった時、何かのお祝いで乾杯した後、新年明けた瞬間、などです。

友人や家族が集まった時にはいつLa biseが始まるかわからないので、少し構えてしまう自分がいます。

今回は、僕がフランスで経験したいくつかのLa biseに関する話をしていきたいと思います。


1, 同僚にLa biseするべきか

僕は最初フランスで働き始めた頃、フランス語を上手に喋ることができなかったため、同僚とどのように挨拶していいか困っていました。職場はレストランで、僕はキッチンで働いています。

同僚間のチームワークは強くて、働き始めて数週間して同僚は僕に対してもLa biseをしてくれるようになりました!

言葉に不自由があった僕にとって、La biseは一つのコミュニケーションとしてとても大切なものでした。同僚との絆や、つながりを示す一つの挨拶になっていたからです。当時の僕は同僚とのLa biseを通して、「チームに受け入れられたんだ」と、そこから職場にすんなりと馴染んでいくことができました。

僕の職場では、男性どうしでもLa biseをしていました。

2回する人もいるし、3回する人もいます。何回するべきか、右から左から、全て人によって変わります。考えても仕方ないので、僕は相手に合わせるようにして自然を装います。

最初は慣れていなかったのでとてもぎこちなかったですが、今では自然にできるようになっていると願います。



友達の友達(の友達にも)にLa biseをする

例えば、友達にホームパーティーに誘われたとします。そこで、友達が友人の〇〇だよ、と紹介したら、その人ともLa biseをするのが一般的です。友達の友達の友達の〇〇だよ、と紹介されてもLa biseはします。名前を覚えることよりも、関係性を知ることよりも、とりあえずLa biseをすることが大切です。

男性同士だと最初は握手が一般的です。

よくあるシチュエーションが、お家で友達同士で集まりアペロをしている途中で、誰か新しい友人がと来たとします。そしたら、一旦会話は中断して皆んな一度その友人とLa biseをすることになります。

その後会話が再開しますが、また新たな友人が来ます。すると、もちろんもう一度会話を中断して、皆んなその友人とLa biseをします。

僕はその時点で、もう何を話していたか忘れてしまいます。

もしこの集まりが、10人以上を超える大きなパーティーだったら、これが永遠に続くのです。

なぜなら、帰り際にもLa biseをするからです。

誰かが帰るたびに、また会話を中断してLa bise......

非常に面倒臭い。。。(本音が出ちゃいました。)

究極は「あれ、私たちLa biseしたっけ?」ってなることです。したわ!と思いながらも、もう一度しますが。

でもこの文化は素晴らしいと思います。友情や絆を深める一つの手段として気軽に出来るのですから。


La bise がフランスからなくなる?

La biseの文化はフランスに根付いています。

しかし、今回のコロナウイルスの状況下でバクテリアやウイルスをうつす可能性から、さすがにフランス人もLa biseを控えてて、新たな挨拶の方法を発明しようという動きがあります。

フランス人は言葉以上のなにかプラスアルファで挨拶しないと、挨拶した気にはなれないみたいです。

1 , ひじとひじを合わせる挨拶

Salut (サリュー!)もしくはBonjour(ボンジュール!)と言いながら、ひじとひじを合わせるスタイルの挨拶です。これはこれでなかなかいけていると思います。


2, 足でLa biseをする

右足で二回、La biseのように足横を左右合わせるというものです。腰や足を痛めている時にできないし、お年寄りにもハードルの高い挨拶だと思うので、これは現実できでないと思う。


3, お辞儀

僕はこれが答えだと思っています。お辞儀はソーシャルディスタンスも保てるし、見ていて気持ちの良いものだし、何より礼儀正しい。相手への尊敬の意味合いもあるし、友人間、同僚間、どのシチュエーションであっても問題ないと思う。もし、フランス人がBonjour(ボンジュール)だけで満足できないならば、お辞儀をしてみてはどうでしょうか!

まずは僕の周りの友人に実際に提案してみて、どういう反応をするのかみてみようと思います!笑


(イギリス人であるポールから見えるLa biseの世界観です。とても面白いです。)


まとめ

La biseの歴史は非常に長いです。一度、ヨーロッパでペストの伝染が広まった時にLa biseの文化は消えてしまったと言います。でもしばらくしたら、その文化は戻ってきたといいます。それぐらい、La biseは大切なものでフランス文化に根付いているものです。コロナウイルスの影響で数年間はLa biseがなくなるかもしれませんが、またいずれ復活することでしょう。その間の代替策として、お辞儀が有効的かもしれません。


あなたのサポートで新しいことに挑戦して、またnoteでシェアしたいと思います!ありがとうございます!