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口先だけの公平性を反省する

今、福祉業界は従事者の定着率の低さが問題になっています。

私は、所属するちはる塾研究部の課題作成を目的に、グループホームに入居されている方のインタビューを行いました。 質問項目は、人権に関することがおもでした。その後、入居者の方が不安に思っていることを話してくれました

福祉従事者の離職の理由は様々です。金銭的なこと、自分の家族のこと、自分の体のこと、福祉の仕事の不向きなどいろいろあります。プライベートなことなのでその理由を雇用側が深く問うことも必要以上に情報を表に出すことはありません。それに対して、時どき利用されている方のご家族様から問い合わせがあります。もちろん教えることはできません。それが利用者にとってはとても不安だというのです。

支援者が辞めると、利用者は、何か気に障るようなことを言ったのではないか、嫌なことをしてしまったのではないか、手を焼かせすぎたのではないか、自分が原因ではないかと考えてしまうというのです。

この話を聞いて反省したことは、支援者の退職を利用者に伝えるとき、十分な配慮がされていなかったということです。

以前から支援者の退職を利用者に伝えるのが遅いことが気になっていました。その理由を聞くと、あまり早く伝えると(利用者が)不安定になるからだというのです。利用者にとってなじみの支援者が離職することは大きな悲しみです。しかし、その悲しみを乗り越える、自分で自分の気持ちに整理をつける、そのようなチカラは利用者にもあるはずです。

利用者とサービス提供者は公平な契約関係になりました。しかし、利用者はお世話になっているという意識が強いと言われています。情報を操作することで不安を募らせていたということです。

まだまだ口先だけの公平性が多いことを反省しなければいけません。

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