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「アドラー心理学入門講座」ふりかえり その5

04月11日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「アドラー心理学入門講座」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面でどのように活用できるか実践報告を交えて考えていきます。

06月08日で8回の講座が終了しました。今日はそのまとめとして8回の講座をふりかえる五回目です。「人の役に立つ~貢献」の会で学んだことをまとめます。

 1回目 04/11 アドラー心理学の位置づけ
 2回目 04/18 "生きることの科学"としてのアドラー心理学
 3回目 04/25 自分自身を受入れる~劣等感とその補償
 4回目 05/09 自分自身を発見する~ライフスタイル
 5回目 05/16 自分の居場所を見つける~所属
 6回目 05/23 まわりに任せてみる~信頼
 7回目 05/30 人の役に立つ~貢献

講義ではアドラー心理学の中心概念である、共同体感覚についてお話がありました。

共同体感覚は、世界を自分中心に見るのではなく、自分を含めた共同体を中心として見ることであり、共同体感覚を持った人の特徴として、自己受容所属信頼感貢献感を持っているとしています。

まず、共同体感覚を持つことができず、不安な毎日をおくっている利用者の事例をあげました。その人は、以前の支援者が厳しくタテの関係で接したことから、支援者が替わった今でもビクビクしながら生活をしているという事例です。

アドラー心理学を基本とする子育てにおける親の育成プログラムパセージでは、2つの心理面の目標を持って子どもにかかわることが大切であると教えています。共同体感覚を養うには子ども、大人、関係なく適応できる目標です。

パセージ心理面の目標
 1)私は能力がある。
 2)人々は仲間だ。

次に、私の周りにいる貢献感あふれる方々を紹介しました。

その貢献的な行動は、一般的には「こだわり」と言われることがあります。たとえば、下駄箱の靴がきれいにそろっていないとその場から離れられない、扉が少しでも開いているときちんと閉めなければ気が済まない、水道がポタポタとたれているのは絶対に許せず、固く固く持ち手を閉めるなどです。

こだわり、と言ってしまうと「もういいから」とか「いいかげんにしなさい」と注意されて、支援課題になってしまいます。しかし、それを「貢献的」と考え、その行動の後に「ありがとう」と声をかけると、その人は感謝される人に変わります。ここに支援のポイントがあると考えます。

共同体感覚があると幸せに生きることができます。障がいのある方の支援においては、共同体感覚の質量が支援者のかかわり方ひとつで大きく左右されるということを私たちは意識しなければいけません。


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