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旅行は社会性を身につける大事な機会

日中活動の事業所では、旅行に向けての話し合いが始まりました。10人ぐらいのグループで旅行を企画します。私が現場にいた頃は、伊勢志摩や大阪USJに行ったこともあります。旅行は楽しいことがいっぱいあります。またさらに、利用者との旅行は、支援者にとって社会性を学ぶ絶好の機会にもなります。

駅の改札で集合するときにどこに集まったら良いか、周囲をよく見て、さらに利用者の状態に合わせて集合しなければいけません。集合の仕方を間違えると、通行人の邪魔になります。また、利用者を見失う事故にもなります。

電車に乗るときも工夫が必要です。利用者はリュクサックを背負っていることが多くあります。電車に乗ってからリュックをおろそうとすると、他の乗客の迷惑になります。利用者は周囲の状況を見ながら行動するのが苦手です。支援者が一歩先を見て声をかけます。私は、電車に乗る前に、荷物を前に抱えるよう声をかけます。

ホテルに着いてからも気をつけることはたくさんあります。以前、ホテルの大浴場で他の福祉事業所と一緒になったときのことです。そこの支援者は海水パンツをはいて入浴支援をしていました。その支援者にとっては、利用者と一緒にお風呂に入るのではなく、入浴の介助だけが目的だったようです。残念なことに、大浴場で、海水パンツを履いて入浴支援をする姿は頻繁に見かけます。

私の事業所でも、新幹線で旅行に行ったとき、迷惑をかけてしまったことがあります。日頃から急に大きな声を出してしまう利用者がいました。電車の中でも突然、大きな声を出していました。しばらくして車掌さんに注意されました。そのときの車内は、ほとんどがサラリーマンで、その多くは眠っていました。また、車掌さんが離れたあとに、騒がしくしていた利用者の横にいた支援者が言いました。
 「いつもより静かにしているのにね。がんばってるのにね。」

その利用者は、急に立ち上がったり、飛び跳ねたりします。それがない分、その利用者もがんばっていました。そのがんばりは認めなければいけません。しかし、周囲に迷惑をかけてしまったということも伝えなければいけません。また、そういう支援をしないと周囲の人に誤解を与えてしまいます。

旅行は楽しいことがいっぱいあります。利用者も支援者も一緒になって楽しみます。しかし、旅行は利用者にとっても支援者にとっても、社会性を身につける大事な機会でもあります。


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