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LINE の新卒企画職として、私がやってきたこと #弊社のPMはこんなふう

2021.5.31追記
この記事を書いたのち、LINE株式会社を退職しました!しかし変わらず、LINEの企画職はめっちゃ最高です。

最初に:このnoteを書くことにしたきっかけ

長いので、LINE社のPMについて知りたい人は飛ばしてください。(笑)PMという仕事に???となっている人は読んでも良いかもなところです。

最近、PMという職業がちょっと流行っているらしい。

しかし、私はIT企業でも知り合いが多いほうだから、いろんな会社の人に会うけれど、この「PM」という職業、とにかく何も定義してない。

友達「りょかちって会社では何してるの?」
私「うーん、世の中でPMと呼ばれている仕事かな?」
友達「PMとして何してるの?」
私「サービスを運用して、新しい機能企画したり、そのUI考えたりディレクションしたりかな…」

とまあ、1つ目の質問は何の機能も果たしていないことがわかる。PMという職業が、どんな仕事なのか、何も表現してないからだ。

けれどこれは仕方ないことでもある。PMとは「Product manager」という意味だが、そもそもPMがTeamで担っている役割が企業によって全然違っていたりするから。あと、もはや「Project Manager」もPMだったりして、そうなるともはや何も話が噛み合わない。

しかし、これのせいで、最近「PMになりたい」という就活生も多いものの、「この子は一体何がしたいんだろう?」と思うこともしばしばだ。逆に、彼ら彼女らの中にある"PMのおしごと"が、私達がやっているものとは違うなら、入社してもらっても不幸になるだけだなあ、と憂う。

そんな時、元mixiの人と話す機会があり、mixi社のPMについて話を聞いた。LINE社のPMとは当然ながら役回りが違うわけである。しかし、その職業もまた、魅力的だなあと思った。

弊社のPM業も魅力的だし、他社のPM業も魅力的。身につくスキルもぜんぜん違う。これがもっと伝わればいいのに。

そんな気持ちを持ちながら、会社の説明会の新卒のお仕事紹介パートを話す機会をもらうようになった。毎回満員で、反応も嬉しいことに上々なのだけど、2つほど思うことがある。

■説明会に来てる人ってごく一部で広がりがない。
自分が地方就活生だから思うのだけど、もはや東京の説明会のために上京するなんてコスパ最悪の極みだ。

それから、準備している方に関して。

今年はお仕事紹介パートを担当する新卒もメンバーが増えたのだが、みんな熱心すぎるほどにプレゼンをブラッシュアップしていた。「こうしたほうがわかりやすいのでは?」「こんな質問が出たからこれも追加したい」。毎回思うが、弊社の人間のユーザー視点への熱意には感服する。だけど、一方で、毎年実際に聞きに来る人って多くて300人くらいなんじゃないかな。もったいない。

なので、noteというテキストプラットフォームに発表内容をまとめれば、新卒も中途も、東京も関西も、どんな人でも簡単にPMのお仕事を見れるのではないか?と思うようになった。

■LINEのPMってすごい。
宣伝ではないのだけど(笑)うちのPMは事業にも携わるし、SketchでUIのワイヤーも書くし、SQL書く人もいるし、法務やセキュリティとやりとりするし、APIの仕様を調べてる人もいるし、キャンペーン的なことをやっている人もいるし、とにかく業務が幅広い。そしてそれをみんなユーザーファーストかつ高い熱量でやっている。それをみんな知らないとしたら、これまたもったいないなあ、と思った。

というわけで、下記の理由でこのnoteを書き、少しでも多くの人に広げたい。できれば、他社の人にも書いてもらって、PMの仕事の中身の違いがわかればいいな。

①各社のPM業務を中の人の実例を示すことで少しでもPM業務をクリアにしたい
②説明会で話している内容、ちゃんと作ってるからせっかくだから広く知ってもらいたい
③うちの会社すげえんだぜ!って自慢したい

私だけでは幅がないので、一年前から説明会を担当している、私が超!信頼している to Bプロダクト(LINE Ad Plattform)のスーパー優秀なPMである、sudoくんも誘って、同様のnoteを書いてもらうことにした。

彼は私と違ってtoBの大きなProductを創り上げた左脳派な人ですが、toCサービスを作ってきた右脳派の私のnoteと合わせて読むと企画者ごとに異なる考えが見えて、LINEのPM像がより深く理解できるのではないかと考えています。

ぜひ弊社だけでなく、色んな会社のPMの人たちにも書いてもらって「PMとはなんぞや?」が少しクリアになればいいなって思ってます。みんな〜note書こう〜

①自己紹介

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普段は「りょかち」という名前でお仕事してますが、本名を「松田涼花」といいます。関西の大学を卒業し、「自分の企画が誰かに届いて、その反応を見るってすごく面白いなあ!」と思っていた私は"雑誌"で世の中をつくることを夢想して出版社を志望するのですが、見事玉砕。二年目の就活で今の会社に入ることになります。

IT企業を志望した理由は、そもそもやりたいことだった「自分の企画が誰かに届いて、その反応を見るってすごく面白いなあ!」は、"雑誌"じゃなくてもできるとわかったから。むしろ今だとネットのほうが見てる人多いでしょ、影響力高いでしょ、って思ってIT企業を志望しました。そのへんは昔記事にも書いたよ。

さらにLINEを志望したのは、以下が理由です。

・自分のアイデアを投げる"世の中"としてのユーザー層を考えると、こんなに老若男女かつグローバルにユーザーを抱えているプラットホームは他にないこと
・そんな世界に広がる仕事において日本に裁量が用意されている会社って日本でもそんな数多くないよね?!と思ったこと

今入って思うけれど、その読みは間違いなかった。新卒からこんな大勢の人に対して、影響力のある仕事をさせてもらっているのはありがたさの極みです。

②担当サービス紹介

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主に今担当しているProductは2つ。

LINE Creators Studio(LINEスタンプをスマホから作れるようにしたアプリ)では、Plannerとして、サービスの機能を企画してきました。2018年前半までは、主な企画をしているのが私だったので、この経験をPM業として今回はnoteを書こうと思っています。(今は一年目の優秀な後輩が開発Dを主にやってくれている!私はマーケ領域を担当するようになりました)

仕事内容としては、(ここから長過ぎる説明)データやUser researchからサービスの課題を発見し、それらの解決策をサービスの機能に落とし込んでUpdateの企画書を作り、予算を事業担当者と相談してとってきて、KPIを設定し、必要であれば外部との契約を結び、法務や情報セキュリティと相談しながら企画を詰め、Sketchでワイヤーを書いてデザイナーさんとデザインを詰め、エンジニアさんと実現可能性を考慮してスケジュールを見積もってもらい、開発中もIssueがあがってくれば回答する…と多岐に渡ります。

説明会で使っているこんな資料があったので引用。まず、私達が「企画」と呼ぶ仕事だけをとっても、「企画をつくること」ではなく、本当は「企画を実現すること」こそ仕事だったりします(実現可能な形にし、ステークホルダーを整理し、仕様を決定し、ディレクションする)。企画の仕事というと、「私、斬新なアイデア出すの得意なんです!」みたいなアピールをされますが、それでは不十分で、斬新なアイデアをユーザーのためにベストな形にして世の中に送り出すことまでが必要なスキル。鬼か。

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企画を実現させるために必要なこととは何か?それは、リリースまでに起こる問題を解決し、Projectを前に進めていくこと。企画の責任者として、Projectの中心に立ち課題を解決してリリースを目指します。

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問題を整理し、各部署とコミュニケーションをとり、正しい答えを導いていく。さらにこれを一つ一つの企画(Feature)規模ではなく、サービス単位で考えていくことになるのがPMのお仕事なのではないでしょうか。

LINEのPMのお仕事は、上司であるIrieさんのnoteがとても参考になるので貼っておきます。

そして私の場合は、現在LINEのMarketingも担当しています。こちらは機能の企画ではなく、機能がリリースされたあと、「どんな風にみんなに知ってもらおうか?」を企画するのが私のミッション。このお仕事は今回のnoteでは割愛します。こういう風に自分が作りたいキャリアに合わせて、割に柔軟に兼務や異動できるのが良いところですね。

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実際、私は社内ジョブホッパーで、1.5年ずつ新しいプロジェクトやお仕事を追加するようなキャリアを歩んできました(所属チームがサービス立ち上げを沢山担当している部署というのもあるので)。

③PM・LINEを理解するための7つの質問

説明会や面接でよく聞かれる質問と、それに対する個人的な回答をまとめてみました  (内容は部署や担当するサービスによって異なる場合があります)。他社のPM様もnoteを書くことがあれば、照らし合わせて回答すると他社比較ができやすいんでないかなと思ってます。

1. 企画職の具体的な仕事は?
ServiceにおけるProduct部分に携わる部分は全部。Productをよくすることがしごと!

User research→課題発見→解決策を企画に落とし込む→デザイン・仕様の定義→ステークホルダーと実現のために議論(法務・セキュリティ/外部との契約/他部署/PR/MKTG)→開発ディレクション→リリース!→運営→User research…と基本のお仕事はこのループを速く、より良く回すイメージです。

私の部署の企画者はちゃんとワイヤーを細かく書く(sketchで書いてる)のが特徴ではないかと思っています。あとは、toCに関しては、User researchをこまめにやっているのも特徴かなあ…LINEチームは毎年、TH、TW、IDなど他の国にも行って現地でリサーチしております。

2. 仕事の楽しさ・やりがいは?
- 老若男女・グローバルなユーザーに対して、自分の仮説やアイデアを裁量権をもって試せるところ
-多くの場面で「それはユーザーにとって良いのか?」が何かを決定するにあたって一番重要で、それによって年次も関係なく発言して良いところ
-規模が大きいサービスが多いので、世の中を変えられるサービスに携われること

3. 仕事で大変なことは?
- 同僚も国籍豊か、かつ拠点も海外や地方に分かれていたりするので、高いコミュニケーション力(語学力もあったほうがよいが、それだけでもない)が必要になったり、遠隔で仕事を進めていく力が必要
-指摘はプレゼント的な文化があるので、自分の企画に沢山コメントが入る。それをありがたいと思えない人はキツイかもしれない。
-やりたいことは無限にあるからやりきれない
-やれたほうがいいことも無限にあるから、自分の力不足に凹みがち

4.LINE のサービスってどういう体制で作られているの?
基本的な構成は以下のような感じ…?(to C)

<Product>
Planner(PM) - Productに責任を持って日々Product開発を進める
Designer - UX・UIのプロ!Serviceのデザインを作ってくださる
Engineer - Productを実際に開発してくださる!
QA Engineer - あらゆるケースを想定してサービスの品質管理・テストをしてくださる!

<Bizなど>
Biz - 事業全体の予算や戦略を考えてくださる
Marketing - ProductのPromotionやPRを考えてくださる
Legal・Security - 新しい機能を法務・情報セキュリティ的にOKかチェックしてくださる

6. はたらく人の特徴は? 
常識にとらわれず、まだ世の中にない良いものを作っていく事が多いので、「みんながやっている」「上司が言ってた」とか他人任せな判断軸を持ち込まず、自分で「ユーザーにとってよいものか?」を考えて、企画を作ったり行動できたりする人が多い気がする
あと、なので、みんなあんまり言うことを聞かない←合理主義だし、自分の意見をはっきりいう。

6. 社員同士仲が良いですか?
上司といつもTwitterでクソエアリプを飛ばし合ったり、LINEでなかよくしゃべったりしてるので、仲いいです!(笑)
個人的には、仲はいいんだけど、社交辞令的な強制参加飲み会とかはなくて、仲良くしたくない人は別にしなくていいし、仲良くしたい人はしたらええ、みたいなゆるい雰囲気がさいこー!と思ってますね。

7. LINE に新卒入社するメリットは?
・自分の企画で世の中を便利に変えることができること。
・そんな大きなチャレンジが若いうちからできること。
・みんな仕事が速いから、どんどん仕事が進むこと。
・不合理(よくわからない上下関係やしきたりなど)が少なく、ユーザーファーストでサービスを作れること。
・社内でジョブホッパー(職種や所属サービスを変える)できること。
・社内キャラが可愛いこと。
・社内保育園があって、子供を持ちながら活躍する女性社員がいて、女の子でも視座高くキャリアを形成する視野を持てること。
・カフェのお姉さんが可愛いこと。
・お昼にサラダバーがあること。
・フレックスで働きやすいこと。
・日本以外出身の友人ができて、外国がすきになれること。
・一生懸命仕事している人が多いこと。

ちなみにsudoくんも載せてましたが、青田さんのこのnoteが新卒で入る会社の選び方でとても参考になるんじゃないかと思いました。

最後に:私が個人の仕事をしながら会社で働き続ける理由

最後に、これは、私の個人の仕事を知ってくれる人たちからの質問だけど、「なんで会社で働いてるの?」ということをよく聞かれる。

それに関しては、勿論金銭的な理由もあるのだけど、一番は「どっちも楽しいから」に尽きる。「独立しないの?」という質問に対する答えも同じ。「どっちも楽しいから時間が許す限りは両方やめたくない」が答えだ。

勿論、個人の仕事は自由もきくし、好き勝手できるのだけれど、会社の仕事は個人の仕事では今の所味わえない魅力が山ほどある。

目の前に、沢山のユーザーがいて、超えたい課題があって、一緒に企画を実現してくれる超!!!優秀な同僚の皆さまがいて、課題を乗り越えた先には大きな規模の変化があって。
その企画のスケールや、自分をUpdateしてくれる環境は、チームでなきゃ、得られなかったりする。

世の中を変えたい!自分が痛みを感じている課題を解決したい!という思いは勿論起業でも叶うけれど、会社にいるからこそつくれる"世の中ごと"はきっと多い。

なにより、LINEのPMという仕事の、自分のProductに責任を持ち、スピード感を持って企画を世の中に実行していける楽しさは、大きな会社の少数精鋭チームに居るからこそ、できる経験だと思うのだ。

***

ということで、長々と書いてしまいましたが、一緒に「ユーザーにとってよいこと」ってなんだ?を考えて実行してくれる人の募集(新卒採用)の締切がもうすぐらしい!!!気になる方はチャレンジしてみてくださいませ。

noteの感想もお待ちしてます:)PMという肩書を持つみなさんはぜひ、同じテーマや質問集を使ってnoteを書いてみてくださると嬉しいです。

最後に。最後まで読んでくださった皆様ありがとうございました。日本からいっぱい楽しくてよいサービスを作っていきましょう💪💪



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