地方に必要なのは、「天才」ではなく「覚悟」である。 - #地元がヤバい本 を読んで。 -

年末に読もうと思いつつ積読になってた本を読みました。木下斉さんの最新著書「凡人のための地域再生入門」です。

ビジネス本に見せかけた小説風のまちづくり本(と勝手に命名)なんですが、登場するストーリーに身の覚えがある部分も多く、途中何度か読む手が止まってしまいました。

観光客数が底を突いていたころの熱海市で1年間まちづくり会社にインターンをし、地元鳥取市のまちづくり事業の流れの中でカフェ(ホンバコ)を創業して、約3年間の経営の末に店舗を閉め、今はライターとして観光客数がV字回復したと言われている熱海に再び関わり始めている僕にとっては、色々な思い出や感情が吹き出てくる内容でした。

そのひとつひとつを書くことは多大な時間がかかりそうなので、ここでの明言は避けます。カフェ時代の概要は「飲食業初心者が開業して撤退するまでの実録」にも書いていますので、気になる人はこちらを参照してください。

カフェを閉めた2018年が終わって、新たな年になった今のタイミングだからこそ、フラットな目線で客観視しながら読めたような気がします。

というわけで、この記事では、読んでいて最も印象に残ったコラムを紹介しつつ、読んで感じたことを書き残しておきます。


地方に必要なのは「覚悟」である。

僕が印象に残ったコラムは、第4章の章末に書かれていた「コラム 4-2」です。一部引用させていただきます。

地方に必要なのは、「天才」ではなく「覚悟」である

 成功した地地域の事例を見ると、どうしてもリーダーたちの能力の高さが目立ちます。「あんな人がいないから、うちの地域は成功しないんだ」という言い訳を聞くことも多いのですが、20年近くこの分野で仕事をしてきた経験から言えば、最初から天才的な能力を持っている人はごく稀です。(中略)

 成功事例は、どうしても成功してからメディアに取り上げられることが多いので、よい部分しか見えないですが、挑戦の初期段階からプロセスを見ていけば、最初から天才だったわけではないのです。覚悟を決めて、失敗も重ねながら、学ぶことを諦めず、常に工夫をしながら前に進んでいくと、気づけばすごいレベルに達していたというケースは多くあります。

出典:凡人のための地域再生入門|木下斉

まちづくりの分野に足を突っ込み始めてもうすぐ丸6年になる僕の経験から言っても、成功事例の一番の要因は多くの失敗を経ても諦めない覚悟だと断言してもいいと思います。

僕にはその覚悟が足りなかった。やる覚悟や始める覚悟じゃなくて、“成功するまでやり切る覚悟”とでも言ったらいいですかね。

各地域の成功したリーダーたちを見ていると、やっぱり(内なるものも含めて)その覚悟があるなと感じます。


熱海の奇跡も、失敗の連続だった。

いま僕が拠点を置いて関わっている熱海でも、インターン時代のボスである市来さんというまちづくりのリーダーがいます。

観光客数がV字回復していることで、ここ最近は「熱海が盛り上がっている!!」と全国ニュースで取り上げられることも増えましたが、その裏には市来さんとその会社(株式会社machimori)の取り組みがあったと言われることも多いです。

でも、僕がインターンしていた当時、僕らの取り組みは決して地域から歓迎されていたわけではないし、運営していたカフェもお世辞にも順調じゃなかったのを、目の前で見ていました。

それでも、市来さんは諦めなかった。失敗もしながら前に進もうとし続けている。そんな単純なことがどれだけ難しいか。

(そのあたりの失敗談などは著書「熱海の奇跡」に載っているので、ぜひ読んでみてください!)

注:彼は市来広一朗ではありません。


二度目の挑戦が、本当の挑戦。

そして、第6章にこんなセリフがあります。再び引用させてもらいます。

「人間ってのはな、心配したときではなく、失敗したあとにどう行動するかで価値が決まるもんじゃ。そして、本当の挑戦ってのは、初めて何かをやるときではなく、失敗して、その次に再び立ち上がってするときのことを言うのじゃよ。お前はまだ、その入り口に立ったばかりじゃ」

出典:凡人のための地域再生入門|木下斉

二度目の挑戦こそが、本当の挑戦である。

僕の胸にグサッと刺さる言葉です。いや、ほんとに。

いまだに「鳥取で再び事業を興さないのか?」と声をかけてくれる方もいます。カフェ事業から撤退して失敗者の烙印を押された僕を応援してくれる、本当にありがたい存在です。

でも、僕の本当の挑戦は、もう始まっています

それが鳥取の街に還元される日がやってくるのかは、正直わかりません。ですが、ホンバコを通じて実現したかったことや、自分のありたい姿を忘れたわけじゃない。

3年間の実店舗運営の中で足りなかったこと、大きな勝負時がやってくる30代までに必要なスキル、それらを自分に蓄えていく時期はすでにスタートしていると、自分では捉えて日々過ごしています。


この本を読んで、改めて自分の立ち位置を確認することができた。読後のいまはそんな気分です。

地元の衰退に何かできないかと考えている人は、ぜひ一度手に取って読んでみてください。

参考:木下斉さんのnoteアカウントで一部無料公開されていますので、こちらもご覧ください。 ▶︎ 新刊無料公開vol.0「はじめに」


まとまりのない文章になってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
では、またあした〜!


おまけ:明日読もうと思っている本

色々とハプニング続きで、予定していた通りに読書が進んでないですが、明日はこちらの本を読もうと思っています。

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