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2022.02.07 Terre de ciel 訪問

これまでワイナリー訪問と言えば、ブドウ畑が生き生きと活動をしている頃に伺うことが多かったのですが

しかし、いざ自身で植樹し、ブドウ樹を育てる事となると
必然的に“冬のブドウ畑”を見て、深く知りたいと思うようになりました。



ちなみに自身のブドウ畑も初めての冬を迎えています。
生育状況は・・・、実は予想を上回るペースで育っています。

沖縄でVitis viniferaは育たないなんて言ったのは、一体誰だ? 笑
自然は向き合ってみないと、本当に分らないものです。


今回タイミング良く、訪問を受け入れて頂いたのは
長野県小諸市にあるTerre de ciel さん。


2020年に自社ワイナリーが誕生し、自社醸造がスタートしました。
栽培・醸造責任者である桒原一斗さんとは、自社醸造が始まる前より連絡を取り合う縁に恵まれ、この節目にワイナリーを訪問させて頂きました。



Terre de ciel とは、天空の大地の意味。
その名の通り標高900mの高地に、美しいブドウ畑とワイナリーが広がっています。


代表である池田岳雄さんが、この地に惚れ込み開墾。
今は畑のあるこの地の下に雲海が広がり、畑が浮かんだ大地の様に見えたそうです。

そんな時、池田さんの娘さんの旦那さんであり、栃木県のワイナリーで長らく経験を積んでいた桒原一斗さんと共に、2015年にワイン用ブドウの栽培が始まりました。


伺った時、日中にも関わらず気温は氷点下。
冬の時期は厳しい寒さをしのぐため、特にまだ若いブドウ樹の幹に藁を巻くそうです。



坂に沿って扇状地の様に広がった畑は、非常に水捌けの良いそうです。
冷涼かつ澄んだ山風が畑を駆け抜けます。

桒原さんは繰り返し、「この地を映し出すようなワインを作りたい」そう仰っていました。




実は、現畑の奥側で、更に開墾が進んでいました。

新しい畑では、これまで取り組んで来れなかった品種へも挑戦したい。
桒原さんは常に、挑戦を続けていきます。



桒原さんが醸造において特に大切にしているのは、温度管理と酸化を防ぐこと。

ご存じの通りナチュラルワインは温度が上がってくると、望まぬ微生物活動が再開してきます。
ワイナリーの温度は10℃に保たれています。

また、ブドウをプレスし得られる果汁も極力空気に触れないようクラビティー・フローと言う手法を用い、最新の注意を払って小樽へ詰められていきます。


ワイナリーでは熟成中のワインを様々、バレルテイスティングさせて頂きました。
それはさながら、意見交換会の様相でした。

信頼しているコーヒーのスペシャリストに伺った事があるのですが
coffee cuppingには、意見を生産者にフィードバックする。
そうすることで、より良いコーヒー作りを目指す。
そんな意味合いも込められているそうです。


我々ワインショップも、生産者が大切に育まれたワインをお預かりする立場にあります。
今後より良いワインになるよう、責任を持って取り組んでいく必要があります。

桒原さん、次回は一緒にひたすらに、飲み交わしましょう!!



帰り際、「次回は収穫の際にまた、訪問させて下さい」そうお願いすると

「もしかしたら、それは難しいかもしれません。
自分は収穫日を本当に直前に、時には当日に決めるんです。
聞こえるんですよ、ブドウの声が。
「今日は収穫しないで」とか、「今日、収穫してー」って、笑」

桒原さんのその笑顔は、彼のワインの様に屈託が無く、実にピュアでした。



Terre de ciel  HP





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