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デザイナーが覚えておきたいリサーチの考え方

UXデザインにおいてリサーチは、関連する問題を解決するための"土台"の一部であり、また、ユーザーが本当に直面している"問題"を絞り込むことでもあります。

デザイナーの仕事は「ユーザーを理解すること」つまり、ニーズに応えられるモノを作るため顧客に共感し、顧客が持っている初期の"思い込み"を超えて、その気持ちを理解することができるかどうか?ということです。

よいリサーチは、よい"データ"で終わるものではない。良いデザインであり、ユーザーが愛し、欲しいと思い、かつ「必要なモノ」で終わるのだ。

デザイナーたちは、どのようにデザインが見られるか?という結果を重視しています。ですからデザインリサーチは見過ごされることが多いのが現状です。これは、デザイナーの顧客に対する理解が表面的でしかない結果です。このようなマインドセットは、UXが大切にしている「ユーザー中心である」ということに反しています。

UXデザインは人々のニーズを理解するリサーチと、私たちが作る製品、サービスが彼らにとってどのように役に立つかを"軸"としています。

プロジェクトを進めていく上で、すべてのデザイナーが頭に入れておくべきリサーチ方法がいくつかあります。自分がリサーチをするような人物でないとしても、この業界により深く携わっていく上で、UXリサーチゃーとより良いコミュニケーションを取ることができます。

はじめに考えること

最初の調査は、基本的に誰のためにデザインをするのか?を理解するため新しいデータを見つけ、今後何の”デザイン"をするのか?を考えていきます。ユーザーと一緒にアイディアを検証することができ、より意味のある解決策をデザインすることができます。デザイナーの多くはこの手のデータをインタビューやグループインタビュー、アンケート調査から集めます。

重要なことは調査をする前に何を"リサーチ"したいのか理解すること、誰をリサーチするのか、どんなデータの質を集めたいのか理解することです。

Surrey大学の記事では、「有効性と実用性」を初期調査をするにあたっての2つの重要なポイントとして挙げています。データの有効性とは、調査されている現象またはテーマの真実を指します。データが有効でなくても、信頼出来る可能性もあります。

実用的なリサーチは調査設計の際に十分に考慮されることが必要です。例えば

・コストと予算
・時間と規模
・サンプルの大きさ

Social Research Methods (2001)で、Brymanは、インサイトに影響する可能性のある4つの有効性を見つけました。

1 有効性を測るか、有効性を作る:その計測が本当に測定されているものに値するか?

『教会への参加率は、宗教的な信念の強さを測ることはできますか?』

2 内的妥当性 :因果関係と、リサーチの結果または展開された論理が、本当に原因の反映となっているか?

『失業状態が犯罪の本当の原因なのか?それとも他の原因があるのだろうか?』

3 外的妥当性:リサーチの一部分の結果が、他のグループでも見られたか考える

『その地域であるコミュニティの発展方法がうまく行ったとしたら、他の場所でも同じ効果が現れるだろうか?』

4 生態学的妥当性 :”社会科学的な発見は人間の、日々のごく普通な状態に適しているか (Bryman, 2001)”を検討する

『間違った設定である状況が観察されたとしたら、彼らの行動にどう影響するだろうか?』

サポートする2つ目の調査

第二調査は、デザインの選択肢とデータの背後にある文脈を"サポート"するため、本やネット記事など既存の情報を使うことです。 第二調査とは、最初のリサーチから得られたユーザーインサイトの妥当性をさらに検証し、全体的なデザインの強みを創造していく方法として使われています。典型的なセカンドリサーチは既存のリサーチインサイトの概要になります。

デザインを評価するために第二調査のみを使用することも可能です。しかし時間があるのなら 、誰のためにデザインしているのかを感覚的に掴むために、第二調査と共に最初の第一調査も行うことを強くお勧めします。

既存のデータよりも"説得性"があり、関連性のあるインサイトを集めることができるのです。 デザインの対象となる特定のユーザーデータを集めた時、よいインサイトとよい製品が生まれてくるでしょう。

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Original article posted by tif.wang on UX Planet, translated by Ryo Kobiyama with permission. Review by Lina :)


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