見出し画像

心の栄養になる秋の夜長に読みたい本!

僕は本が結構好きで、暇ができると本屋に寄ったり人から勧められた本を読むようにしています。今回は最近読んだ本の中でおすすめを紹介したいと思います。

居るのはつらいよ:ケアとセラピーについての覚書
京大出身の心理学博士トンちゃんが沖縄の精神科デイケア(精神障害や知的障害を持つ方が通う施設)で度々起こる事件を通してトンちゃんとその仲間たちは複雑な葛藤に徐々に蝕まれていきます。「ケアとはなにか?」「セラピーとはなにか?」徹底的に追求した物語風の学術書です。

人はなにもすることがない状態で「ただ居ること」はものすごく辛い。しかしただ居ることが経済的にデイケアを支えている矛盾。成長や変わることが求められる今の社会で「変わらない」「毎日同じことを繰り返す」価値があることに気づきます。
福祉大学を出た僕はある程度ケアやセラピーについて知っているつもりでしたが、実は何も知らなかったと思い知らされた本でした。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究
第二次世界大戦前後の戦争おいて失敗した作戦を読み解いています。失敗にはパターンがあり、コミュニケーション不足(目的が不明瞭だったり、上官と部下で共通の認識を持てなかったり)や戦局や状況が変わったにも関わらず、精神論(装備が劣っていても勝てると信じる)や温情を重視し、従来の戦術に固執してしまう。現場を知らない上官に気を使ってしまう、失敗から学習できない組織になってしまったなど自分たちに置き換えると耳の痛い話が続きます。

ゴッホやベートーベンらの名作が生まれたのはどんな時だったのか調査した研究があるのですが、それは最も失敗作を多く作った時だったそうです。皆さんは最近どんな失敗をしましたか?

スイッチ!「変われない」を変える方法
人の行動を象(感情)と象使い(理性)そして道筋(環境)に置き換え、それぞれに働きかけた事例がたくさん紹介してあります。感情に訴えかけ、とびきり明確な指示を与え、最初の一歩を簡単にしてあげることで人の行動に変化を起こすことが出来ます。(もちろん、出来ないときもあります)

本に出てくる事例を1つ紹介します。ベトナムで栄養失調に悩むある村に派遣されたスターリンは少ない予算で半年以内に結果を出すように求められます。彼は村の中で栄養状態が良い家庭を見つけ、何が他の家庭と違うのか調べ(ブライトスポットアプローチといいます。この事例では料理の回数と使う材料が異なっていた)決してその結果を伝えず、材料を持ち寄り共同で料理を作るグループプログラムを実施しました。一緒に料理をすることで1人で迷うことなく、自分の子供に栄養価の高い食事を作れる嬉しさも作り出したのです。

筆者は気づきます。「問題の規模と解決策の規模は対象的でない。問題は大きく(村の貧困)解決策は小さい(一緒に料理するだけ)大きな問題が大きな解決策で解決されることはない。むしろ小さな解決策の積み重ねで解決されるのだ」と。

世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史
ハチドリ効果を知っていますか?これはある分野のイノベーションが最終的に全く違う分野に変化を引き起こすことを言います。ヨハネスグーテンベルクの活版印刷はメガネ需要を引き起こしました。読書が普及したことで突然自分が遠視だったと多くの人が気づいたためです。メガネに使うレンズを生産・実験する人が増え、それが顕微鏡の発明に繋がり、私達のカラダは細胞で出来ていることを知ることが出来ました。

ガラス、冷たさ、音、清潔、時間、光を取り上げ人類進化史における重要な、今となっては当たり前のモノがいかに世界を変えたのか紹介されています。

頂いた資金は子供支援団体などに寄付していきます。