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モチベーションより「容易さ」が人を動かすB=MAPモデル

「やる気」より「行動のしやすさ」で人は動かせる。

B=MAPモデルとは?

行動デザインの先駆者であるBJ Fogg氏によれば

B(Behavior)=M(Motivation)A(Ability)P(Prompt)
BはMAPが”同時に起こること”で引き起こされる

まず通知を見てほしいのか、アプリにデータを入力してもらいたいのか、ユーザーに取ってほしい行動(B=Behavior)を具体的にする必要がある。

次にやる気(Motivation)だ。ご存知の通りやる気は上下するものでそれぞれの状態によって打ち手が変わってくる。

ここでキーになるのが難易度(Ability)。目の前にケーキがあれば、食べたいと思っていなくてもすぐに食べてしまう。しかし、どんなに食べたいと思っても会議中に食べることは難しい。

「やる気」と「難易度」は下のように図示できる。

行動を起こすためには最後にきっかけ(Prompt)が必要になる。カレーのいい匂いがするとか、通知音(Slackのシュパパ音)などが行動を起こすきっかけになる。ここでのきっかけは「今すぐそれをやれ!」と伝えてくれるものだ。

やる気(Motivation)難易度(Ability)きっかけ(Prompt)はこのような関係になり、赤い線をきっかけによって超えれば行動が発生する。

難易度が難しいが、やる気が高ければ、ちょっとしたきっかけで行動を取れる。ここにいるユーザーは少し背中を押してあげるだけでプロダクトやサービスを使ってくれる可能性が高い。

「絶対に行きたいイベントがあれば、申込みフォームがどんなに長くとも苦にはならない」のが😁だ。

やる気も低く、難易度も難しい場合は強力なきっかけが必要になる。ここにいるユーザーは諦めてよい。

「イベントにも行きたくないし、申込みフォームも長い」と感じたらすぐページを閉じてしまうのが😒だ。

実は、やる気が低くても「ファシリテートする」(容易にしてあげる)ことで人は行動を取れるようになるのが👌だ。

つまり、「イベントにはそんなに興味がないけれど、ワンクリックで参加できる」状態であれば行動が取りやすい。Amazonを思い出してもらえればよく実感できると思う。

ユーザーのやる気次第で動いてもらうのではなく、行動の難易度を簡単にすることで動かせると主張するのがBJ Fogg氏ポイント。

モチベーションは人によって異なるため、無数の打ち手が必要になるが「簡単にすること」はすべての人にとって良いことなのだ。

どうやって「きっかけ」を見つけるのか?

方法の1つはブライトスポットアプローチという栄養学から来た手法を使っている。ブライトスポットアプローチでは成功例、つまり栄養状態のよい家庭から「何が成功例を形作っているのか」を探り、他の家庭に応用することを言う。

つまり、すでに成功しているユーザーは何が「きっかけ」で行動を起こしているのかを探るのだ。

小さな成功体験を感じてもらう

人はやりきることに快感を感じてしまう。それがたとえ食事を完食することであってもだ。これをユニット効果という。

やる気はないが、難易度が簡単だったため行動を起こしたユーザーはユニット効果で小さな成功体験を感じる。

すると自然にやる気も上がっていくため、少し難しい課題にも取り組めるようになる。

言語学習アプリのDuolingoでその効果を今すぐ体験することができるので、ぜひ試してみて欲しい。

BJ Fogg氏の解説(英語)はこちらから。

参考:Designing For Habit Change - BJ Fogg // Startup Elements
※Abilityは能力と訳されますが、ここでは分かりやすく「難易度」と表現しています。分かりやすいと人は行動を起こしてくれるそうなので。

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