世界的広告会社の副会長から学んだタピオカドリンク店のデザイン
物事を見る枠組みを変える効果があるリフレーミング。そのユニークな例を紹介しているのがロリー・サザーランド氏のTEDトーク。
彼はOgilvy Groupの副会長を務め、広告業界に大きな影響力を持つ。特に面白かった部分を紹介しましょう。
学んだことを活かした結果、どういうわけか最終的にタピオカドリンク店の新しい施策になった笑。
例えば、なぜ年金受給者は若年の失業者と比べて、はるかに幸福感が高いのか? どちらも結局は人生において全く同じ段階にいるのです。どちらもありあまる時間がある一方、お金はそれほどありません。
しかし、年金受給者はとても幸福である一方、失業者は凄まじく不幸で憂鬱であると報告されています。
私が思うに、年金受給者はそうなることを自ら選んだ一方、若年の失業者は それを押し付けられたと感じているからでしょう。
若者の解決策、リフレーミングは”1年間のオフ”
英国のアッパーミドルクラスでは、この問題が完全に解決されました。失業を再定義したのです。アッパーミドルの英国人ならば 失業を"1年間のオフ"といえばいいのです (笑)。 マンチェスターで失業している息子がいると それはとても恥ずかしいことですが、タイで失業している息子がいると何かを成し遂げたかのように見られるのです (笑)。
しかし、物事を再定義すること。つまり、経験やコストや物事を改めて理解することとなりますが、それらが実際にどのようなことであるかというより、それらをどう見るかということになってきます。
実際に英国ではギャップ・イヤーがあり、ちょっとフラフラしてきますわ!が若者の選択肢に入っている。(日本でも進んで欲しい)
ユーロスターの例を挙げましょう。パリ・ロンドン間の走行時間を40分縮めるために、600万ポンドが使われました。
その0.01%もあれば 電車内でWiFiが使えるようになって、走行時間を縮めることはないにしても、乗っていることの楽しさや利便性がぐっと高まるでしょう。
そして、おそらくその10%もあれば世界でトップクラスの男女スーパーモデルを全員集めて、すべての乗客にChateau Petrusをタダで配って歩いてもらうこともできるでしょう。
それでもまだ500万ポンド残っているし、乗客だって電車を遅らせてくれと言うでしょう (笑)。
別のTEDトークでは、大きなお金を持ってしまうとそれに見合った解決策を考えてしまうと氏は語る。
利便性より快適性やエンターテイメント性にリフレームできれば、このアイディアは実現したかもしれない。ただし、本当に40分縮まったおかげで経済効果も生まれている点もあるだろう。
次の例は、ディズニーランドのファストパス制度を公共交通に応用している例。
これは英国の高速料金所です。とても頻繁に行列が発生します。とてもひどい行列になることもあります。
例えば空港のセキュリティレーンでも、同じことが当てはまります。ここで2倍の料金を払って高速レーンを 通ることができるようにしたらどうなるでしょう?
おかしなことではありません。経済的にも優れています。
時間はある人にとっては別の人よりも重要なものですから、就職の面接に行こうとしているならば、高速レーンを通るために数ポンドを我慢して支払うでしょう。義理の母に会いに行こうとしているならば、多分左側にとどまることを選ぶでしょう。
ただ1つの問題は、このような経済的に優れた解決策をとろうとすると嫌がられるということです。意図的に遅れを作りだすことで、売上を最大化していると思われてしまい
"一体何でお前のバカさ加減に お金を払わなければならないんだ?"
となるのです
その一方でこの見方をほんの少し変えて、慈善事業の寄付金を管理するようにして、余計にもらった分のお金は高速料金所の会社に回すのではなく、慈善事業に回すようにすれば支払おうとする意思も全く違ったものとなるでしょう。
経済的にそこそこ優れた解決策があり、それに対して周りのみんなから承認を受けてさらには若干の好意までも受けて、嫌なやつにならずに済むのです。
特に今行列ができているタピオカショップにはぜひ、導入してもらいたい施策です。会計に50円上乗せしてもいいので、気分良く並びたい、、、。
タピオカの質や店舗デザインに凝る前に「行列のデザイン」を考えて欲しい。什器や味はコピーされますが、慈善事業へ寄付するというフィロソフィーはコピーされませんよ!
近隣住民や店舗への配慮もリフレームできる。苦情が来たらこう言い返しましょう。
「行列でご迷惑おかけしております。迷惑ですよね?重々承知しております。すみません、ですが慈善事業へ寄付するためなのです。どうぞご理解ください」
日本語訳付きのユーモアの満載動画もあるので、ぜひ御覧ください。
頂いた資金は子供支援団体などに寄付していきます。